僕はこの代のカリーナがわりと好きである。あらためてよく見ると、なんでこんなに癖のない意匠ができるのか不思議だ。もっとも、これだけさりげなく、或るカタマリ感を表現できるのはトヨタならではという気もする。
トヨタがこのカリーナを発売したのは1996年の夏で、「セダンイノベーション」 という車種横断系キャッチフレーズを覚えている。 「セダンイノベーション」… もはや、非イノベーティブであることに自らの存在価値を見つけ、どんどん懐古主義に流れている最近のセダン市場(*)から見ると、当時はセダンからミニバンへの移行が加速し、日本車のセグメントミックスの過渡期であったことがよく伝わってくる。この頃は、「いずれセダンの時代が戻ってくる」と本気で信じられていたのだ。
300万円の6気筒セダンが趣味の道具で、一方の実用の道具がコンパクトカーだとすれば、そのどちらにも属さず、一時的にカリーナの志を継いだアリオンも、現在の中高年が免許を返納するのと同じタイミングでいずれ消えていく運命だという気がしている。
(*) 新型カローラもスカイラインも、いずれも旧型より全高を低めて登場した。つまり、「セダンにもミニバンの利便性を」という一時期の風潮はすでにピークアウトし、スタイリッシュさへの志向がよみがえりつつあるのだ。
トヨタがこのカリーナを発売したのは1996年の夏で、「セダンイノベーション」 という車種横断系キャッチフレーズを覚えている。 「セダンイノベーション」… もはや、非イノベーティブであることに自らの存在価値を見つけ、どんどん懐古主義に流れている最近のセダン市場(*)から見ると、当時はセダンからミニバンへの移行が加速し、日本車のセグメントミックスの過渡期であったことがよく伝わってくる。この頃は、「いずれセダンの時代が戻ってくる」と本気で信じられていたのだ。
300万円の6気筒セダンが趣味の道具で、一方の実用の道具がコンパクトカーだとすれば、そのどちらにも属さず、一時的にカリーナの志を継いだアリオンも、現在の中高年が免許を返納するのと同じタイミングでいずれ消えていく運命だという気がしている。
(*) 新型カローラもスカイラインも、いずれも旧型より全高を低めて登場した。つまり、「セダンにもミニバンの利便性を」という一時期の風潮はすでにピークアウトし、スタイリッシュさへの志向がよみがえりつつあるのだ。