気がつけば、日本のミニバンははっきりと2種類に分かれている。すなわち、日産セレナやホンダ・ステップワゴンに代表される「背が高い系」と、ホンダ・オデッセイやトヨタ・ウイッシュなどの「背が低い系」の2種類である。そして、販売数量的には背高系が圧倒的に優位に立っており、ウイッシュやオデッセイ、ストリームなどの背低系は往時の勢いをすっかり失っているというのが、こんにちのミニバンマーケットの姿だ。初代オデッセイ(1994年)や初代ストリーム(2000年)、初代ウイッシュ(2003年)のかっとんだ販売台数がなつかしく思える。
そんな中、登場した当初から勢いを失ったままでいる、一台の背低系ミニバンがある。日産ラフェスタのことだ。このクルマは、登場したときからすでにマイナーなアウラを発散していた。なぜって、背低系ミニバンでありながら、スタイリッシュにはほど遠いカタチをしていたからだ。
背低系ミニバンの存在意義は、スタイリッシュなボディにセダンやワゴンとさほど変わらぬ運動性能を備えながら、いざとなれば合法的に7人の乗員が乗れることにある。ところが、この「いざとなれば」というのがポイントで、背低系ミニバン、特に5ナンバーサイズのボディを持つモデルは、実際には7人乗車しようという気を起こさせないほど、多人数乗車ビークルとして使い勝手が悪い。3列目に乗り込むときには穴蔵にもぐりこむような姿勢を強いられるし、1列目⇔2列目のウォークスルーは天井の低さとシート間の通路の狭さが災いして、極めてアクロバティックな姿勢を強いられる。それでいて、7人乗ったら、今度は7人分の荷物をどこに置けばよいのか困ってしまう。ミニバンを本当に多人数乗車ビークルとして使いたいという向きには薦められないクルマなのである。
だからこそ、背低系ミニバンというのは、上記のようなデメリットを不問とするぐらいのカッコいいボディが必要なのであるが、競合車が備えているわかりやすくスタイリッシュなボディを、なぜかラフェスタは与えられていなかった。かわりに、しょせんは5ナンバーサイズの背低系ミニバンなのに、精一杯実用性を確保しようとした意図が伝わってくる。いくら頑張っても、ミニバンとしての実用性は同門のセレナにかなうはずもないのだが…
とはいえ実は、僕はラフェスタのそんなところ(背低系ミニバンでありながら、カッコよさをあきらめて実用性を追求したところ)がひそかに好きだ。この気持ちは、「えー、趣味わるーい」と周囲から言われるのを恐れて、あの人が好きと公表できない女子高生の気持ちに近い。僕は、背低系ミニバンでも実用を志向したボディはありだと思っている。というか、ミニバンはミニバンのカッコよさを追求するべきであり、それは必ずしも流麗なクーペ的なデザインだけではないだろうと思っている。この写真のラフェスタは、ルーフに重量物を載せられてボディが沈みこんでおり、実用車としてなんともいえないカッコよさを発している。ウエストラインから下のアンダーボディはそのままに、もう少しルーフを低めると、競合であるスタイリッシュ背低系ミニバンに近づけたと思うが、これはこれでよいのだろう。細かいことだが、ホイールキャップのデザインも、たいしてスタイリッシュとはいえないところがステキだ。
そんな中、登場した当初から勢いを失ったままでいる、一台の背低系ミニバンがある。日産ラフェスタのことだ。このクルマは、登場したときからすでにマイナーなアウラを発散していた。なぜって、背低系ミニバンでありながら、スタイリッシュにはほど遠いカタチをしていたからだ。
背低系ミニバンの存在意義は、スタイリッシュなボディにセダンやワゴンとさほど変わらぬ運動性能を備えながら、いざとなれば合法的に7人の乗員が乗れることにある。ところが、この「いざとなれば」というのがポイントで、背低系ミニバン、特に5ナンバーサイズのボディを持つモデルは、実際には7人乗車しようという気を起こさせないほど、多人数乗車ビークルとして使い勝手が悪い。3列目に乗り込むときには穴蔵にもぐりこむような姿勢を強いられるし、1列目⇔2列目のウォークスルーは天井の低さとシート間の通路の狭さが災いして、極めてアクロバティックな姿勢を強いられる。それでいて、7人乗ったら、今度は7人分の荷物をどこに置けばよいのか困ってしまう。ミニバンを本当に多人数乗車ビークルとして使いたいという向きには薦められないクルマなのである。
だからこそ、背低系ミニバンというのは、上記のようなデメリットを不問とするぐらいのカッコいいボディが必要なのであるが、競合車が備えているわかりやすくスタイリッシュなボディを、なぜかラフェスタは与えられていなかった。かわりに、しょせんは5ナンバーサイズの背低系ミニバンなのに、精一杯実用性を確保しようとした意図が伝わってくる。いくら頑張っても、ミニバンとしての実用性は同門のセレナにかなうはずもないのだが…
とはいえ実は、僕はラフェスタのそんなところ(背低系ミニバンでありながら、カッコよさをあきらめて実用性を追求したところ)がひそかに好きだ。この気持ちは、「えー、趣味わるーい」と周囲から言われるのを恐れて、あの人が好きと公表できない女子高生の気持ちに近い。僕は、背低系ミニバンでも実用を志向したボディはありだと思っている。というか、ミニバンはミニバンのカッコよさを追求するべきであり、それは必ずしも流麗なクーペ的なデザインだけではないだろうと思っている。この写真のラフェスタは、ルーフに重量物を載せられてボディが沈みこんでおり、実用車としてなんともいえないカッコよさを発している。ウエストラインから下のアンダーボディはそのままに、もう少しルーフを低めると、競合であるスタイリッシュ背低系ミニバンに近づけたと思うが、これはこれでよいのだろう。細かいことだが、ホイールキャップのデザインも、たいしてスタイリッシュとはいえないところがステキだ。
ジツは仕事でラフェスタに乗ったコトがあるけどのう、見た目以上に魅力のあるクルマじゃけん。
ニッサンらしうドライバーズカーを意識したんかのう、小ぶりのインパネシフトは小刻みにカチカチ入るんが気持ちいいけん。
グラスエリアが広いコトで低う感じるシートも、他車よりスポーティな印象を受けるけん。
グラスエリアでいうと、当初グラスルーフは標準装備で、とにかく開放感にあふれとるけん。
日本版ミニモークちうのはほめ過ぎかのう……。
モンダイは、このグラスエリアがうみだすボディ剛性の低さと、貧相なシートかのう……。