前回、N13パルサーのことを書きながら、僕の頭の中にはある一台のクルマがあった。それは画像のクルマで、サニー303/305/306である。
サニー303/305/306は、B12“トラッド”サニーのハッチバック版であり、ちょうど前項のN13パルサーと販売時期を同じくしている。日産のこのクラスには、パルサー、ラングレー、リベルタビラと、ただでさえハッチバックが多いのに(セダンもだが)、そのうえなお専用ボディを持つ第4のハッチバックを用意するあたり、80年代中盤の販売チャネルを大切にする「のどかな日産」がうかがえる。ちなみに、303は1300cc、305は1500ccのグレードを指す。途中からCA16DEを積んだ306も投入されたように記憶する。 (話が脱線するが、このCA16DEはまことに気持ちのいいスポーツエンジンだった。)
このサニーハッチバックは、本来は合理性が売りのハッチバックボディのわりにはキャビンが小さく、相対的にノーズが長いように思える。同じ時期に企画され、開発されたパルサーハッチバックはそうではない。この原因を邪推するに、サニーハッチバックの場合は先にセダンがあり、トランクを切り落としてハッチバックボディを成立させたのに対して、パルサーの場合は開発の順序が逆なのだろうと思う。サニーとパルサーのメイン市場の違いからそのように考えるとき、このクルマの少々バランスを欠くハッチバックボディにもいちおうの納得がいくのである。
このクルマがここに停まっていることは5年以上前から知っていたが、今回ようやく写真に撮れた。現在僕はティーダハッチバックに乗っているけれど、このクルマもティーダの前身だと思うと面白い。
この場所を通るたびに見かけたいクルマである。
いい写真をありがとうございます。大切にされている車ですね。
おっしゃる通り、セダンが基本ですから、バランスは悪いですね。どちらかというと、5ドアのカリフォルニアのほうが、シックリきます。
逆にB11は、パルサーがベースだけあって、セダンに違和感ありありでしたね。3、5、6が排気量のことだったとは知りませんでした。ありがとうございます。