Open your eyes

クルマに関する妄想集(+その他のことも少し)

カングーとの夏。

2005年08月20日 22時38分32秒 | Weblog
先週、ルノー・カングーを1日借りて乗ってみた。
僕にとっては、これが初めてのルノー車体験。
クルマを受け取って、乗り込んでみる。サイズはそれほど大きくはないものの、粘性の高い液体がつまっているかのように「ぬぷーっ」と沈みこむシートに思わずニヤニヤする。
いざ出発。 は、速い。後期型のカングーは見違えるほどパワフルになったというのはいろいろなところに書かれていたけれど、これほどとは思わなかった。高速での140km/h巡航もまったくといっていいほどストレスがなかった。
でも、カングーはそんな使い方をするクルマではないので、のんびりと流す。最新の日本車とはちがって、いたるところに「機械」を感じる。機械の匂いが濃いクルマだ。
ねんどを盛ったような外観や、パネルむき出しの内装、おバカなAT、タフな回転感覚のエンジン、パネルのビビリを感じさせずに閉まるドア、すべてに濃い機械の匂いを感じた。
牛乳パックにタイヤをつけたような頼りない印象を与える日本製ABセグ車(Cセグもか?)とはえらい違いだ。このクルマにはまだ「自動車」が残っていたよ。
子供がこのクルマに乗ったら喜ぶだろうな。後席頭上の収納スペースには、大人の僕でも楽しい気分になる。背の高いクルマもいいかも、とたぶん初めて本気で思った。

この日は暑い日だったけど、僕はエアコンをかけずに窓を開け放して乗っていた。それが気分だったからだ。夏の夕方、町(街ではなく、「町」がこの場合正しい)を流しているとセミの鳴き声が聞こえ、草の匂いがした。こういう夏の一日もいいですね。
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タミヤ・グラスホッパー

2005年08月17日 23時58分06秒 | Weblog
今日の日経朝刊に、「オトコの消費」と題して、子供時代の機械モノへの執着を忘れられない30-40代の男性が、自由に使える小金を手にしたいま、猛烈な勢いで当時の商品の復刻版や発展版を消費しているという旨の記事が、ここ数年いわれている「オタクマーケティング」とからめて報じられていた。
二足歩行ロボットの組立てキットやスターウォーズ関連商品の売行き好調への言及のなか、僕が「ぐっ」ときたのは、往年の田宮模型のホビラジ「グラスホッパー」が当時の価格のまま再販され、それがまた大きな人気を呼んでいるということだった。

グラスホッパー、その名前に魂を揺さぶられるひとも多いだろうと思う。僕もその一人だ。
今でもはっきり覚えているけど、グラスホッパーが出たのは今から21年前、1984年の、たしか5月とか6月ごろじゃなかったっけ。7,400円という価格に激しく驚き、「これなら自分にも手に入れられるかもしれない」とドキドキした。ほかのラジコンはその2倍ぐらいの価格が普通で、子供ながらにも「これじゃ買ってくれとは言えねえよなあ」と思わせるものだったから。そんな渇いた市場へ、アフォーダブルな価格で彗星のように現れたグラスホッパーは、当時子供だった僕に夜も眠れないほどのインパクトを与えた。当時の僕は、もうほとんど、ダチア・ロガンを見せられた東欧の庶民のようなものだった。

数ヶ月間のねばり強い説得ののち、僕は夏休みの初日に親にグラスホッパーを買わせることに成功した(実際は別売りのプロポやバッテリー等で、7,400円の3倍ぐらいになった気がするけど)。
グラスホッパーは、モーターはRS-540ではなく380で、サスペンションもダンパーなしのスプリングのみだったけれど、それでも立派に「ホビーラジコン」していた。出来合いのトイラジコンとは明らかに違うものを、ちゃんと備えていた。なにより他のワイルドウイリスやマイティフロッグ同様、1/10サイズで、ちゃんとデカかったのが良かった。子供にとって「デカい」というのはなによりのユニークセリングポイントだ。

いまだ持たざる「何か」に飢えている市場に向けて、その「何か」を売ろうと思ったら、他の要素を犠牲にしても、その「何か」を「何か」たらしめているポイントに集中投資した製品開発をすべきだ。ということを、僕は創生期のカローラやダチア・ロガンと同じく、グラスホッパーからも学んだのだった、身をもって。

僕はその後数年間にわたって、ホビラジの世界にどっぷりはまり込んだ。グラスホッパーが出た後にタミヤがホーネットを投入したときは、心のねじれるような思いを経験した(みなさんにも覚えがありませんか)。思えば、これが企業の戦略に翻弄された初めての経験だったんだな。

さて、大人になったいま、僕はグラスホッパーを再び買うであろうか。悪くはないが、まあ間違いなく買わないですね。実物のクルマのほうがやっぱり面白いからね。
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初代プレーリーに萌え

2005年08月11日 20時44分30秒 | Weblog
先日、日産ギャラリーへ行った。銀座四丁目ではなく、本社の1Fにあるやつのほうへ。
目的は、あった。いま日産ギャラリーでは、企画モノとして自社の歴史をプロダクトから振り返るというテーマで過去のクルマを展示しているのだ。僕は、そこに展示されている初代プレーリーを拝みにいったのである。

以前のブログにも書いたけれど、自分がミニバンを買う必要に迫られたとき、僕はまっさきに初代プレーリーが思い浮かぶ。このクルマほど、目的に対して直球で勝負しているクルマはいまだにないし(あるとすれば初代エスティマぐらい)、ミニバンという車型を粋に乗りこなすには、徹底的に実用的に乗り倒すことこそ、その唯一の方法だと思っているから。
レストアされた初代プレーリーが置いてあると聞いて、万難を排して行かねばならないと思ったのには、上記のような理由があるのだ。

初代プレーリーは、僕が10代の頃は街中でもときどき見かけていたけど、最近はすっかり絶滅した印象がある。あの頃の日産のクルマっておしなべて防錆対策が弱かったから、気に入っていたのに泣く泣く手放したユーザーも多かったに違いない(プレーリーほど、乗っている人が「こんなにいいのにみんな知らないで」と思っていたクルマも少ないと思うのですが)。何度も書くけど、そんな初代プレーリーを間近で見れるということで、僕は少しドキドキした。

初代=M10プレーリー、実物はほんとにコンパクトだった。気になって調べてみると、全長4090×全幅1655×全高1600mm(マイナーチェンジ前の前期型の数字)。1695mmが当然になってしまった現在では、この幅狭ボディがなんともキュートに思える。
しげしげと眺めてみる。現代のミニバンと違って、Aピラーの根元に三角窓がないのが新鮮だ。そのせいか、室内をのぞきこんでみると、現代のミニバンに比べて明らかに狭い。ボンネット長を短くできず、結果的に全長に対するキャビン長の割合が小さくなってしまっている。もっとも、ミニバンの無駄な空間になじめない僕にはむしろ好印象だけど。この狭い空間が、乗員の一体感を高めるのだ。
しかし、M10の最大の売りであるセンターピラーレス+両側スライドドアが体感できなかったのは残念。「お手を触れないで下さい」と書いてあるためだ。日産にはここはぜひともケチらないでほしかったなあ。

それにしても、日産がM10プレーリーを自社の歴史の表舞台に出してきたことは、僕にとって軽い驚きだった。商売的には大失敗作だった初代プレーリーだが、日産はミニバンの先駆けとなった画期的なこのクルマをきちんと評価していたのだ。やるなあ日産。このことがわかって、僕は嬉しかったよ。
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エクストレイルユーザー=世界市民論

2005年08月10日 08時13分09秒 | Weblog
先日、僕の友人Iが日産エクストレイルSttを購入した。
彼はそれまでラシーンの1.8Lに乗っていて、冬にもなれば毎週のように4名乗車でスノボに行って、ラシーンのもてる能力を引き出しまくっていた男だが、そんな彼のラシーンも融雪剤の攻撃には勝てず、最近はだいぶくたびれてきていた様子。しかしIは僕と同じくクルマに関しては特A級の変態なので、ラシーン後継車には頭を悩ましていたようであった。いわく「次もラシーンを中古で買おか。次はフォルザかな」。

そんな彼が選んだエクストレイルだが、実は台湾では顔違いのモデルが売られていて、しかもなかなかカッコいいということをごぞんじですか? 実は僕も最近知ったのだけど。
エクストレイルは、日本市場での堅調なセールスにのみスポットがあたりがちだけど、いまや日産のグローバル商品展開のなかでも重要な柱に育ちつつあると思う。北米では売られていないが(北米ではエクステラX-TERRAがそのポジションにある)、その他の地域でも実はかなりの人気車種だ。小型SUVというセグメントは、クルマ成熟国ではすでにセダンのオルタナティブであり、モータリゼーションのさなかの国においては憧れの対象である。
日本では相当パッとしないRAV4やCR-Vもグローバルで見れば勝ち犬であるように、クルマ屋にとっては力を入れざるを得ないセグメントなのだ。従来のセダンよりも高い販価も設定できるし(しかし、X-TRAILという世界統一ネーミングは秀逸でしたね)。

それにしても、エクストレイルを惜しげもなく使い倒すクルマ生活って愉しいだろうね。友人Iのエクストレイルが、これからどういう風に使い込まれて味をかもし出していくのか、他人のクルマながら僕は楽しみにしている。

(画像の右上グレー枠内が台湾仕様。オリジナル広告画像に僕が加工して貼りつけたもの。台湾仕様、なかなか。)
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オイル交換しました

2005年08月09日 21時10分21秒 | Weblog
昨日、306のエンジンオイルとバッテリーを交換した。
僕はいつも、オイル交換は近所のジェームスでやってもらう。
自分で交換してもいいのだけど、オイル交換の待ち時間の、リフトアップされた自分のクルマの下腹から、すっかり黒くなったオイルがじゃーっと流れ出てくるさまを眺めるのが好きなのと、単に面倒くさがりなので。自分でやればやったで、楽しいだろうけどね。

オイルは何を入れるか?の問題なんですが。
以前は4リッターで7,000円ぐらいのオイルを入れていたこともあったが、最近はもっぱらその半分ぐらいの値段の部分合成油を入れている。安いオイルをこまめに交換する方針に変更したのである。僕にとってはそのほうがクルマを大事にしている自己満足にひたれるし(とても重要なことだ)、オイル交換直後の「やっぱ新しい油はええのう」というあの気持ちを数多く味わえるから。
そもそも、エンジンの官能性で勝負していない僕のクルマに、高いオイルはもったいなくて(この、クルマを大事にしすぎない姿勢は自分でもけっこうイイと思うのです)。
その代わり、3,000km走行後ぐらいの「まだいけるっしょ」というタイミングでも、思いたったらさくっと替えてしまうルールは守っている。
今回入れたのは、ジェームスのレジ前で3,480円にて安売りされていたカストロール XF-08(5W-40)です。

しかし、自分のクルマが整備されている風景というのは、クルマへの愛をいたく増幅させるものがありますね。メーカーが喧伝する、クルマの表層的なカッコ良さとは別の、単なる「自分が信頼している機械」としての顔がむき出しになる瞬間だからか。または、自分が価値を見出して安くないお金を払った、その真剣勝負の成果物の、普段は見られない姿を見ることのできるチャンスだからだろうか。

以前、雑誌でカローラやハイエースのエンジンはどんなに粗悪なオイルでも問題なく回り、故障もしないとの記事を読んだことがある。良質なオイルが入手できない地域でカローラやハイエースなどのトヨタ車が人気なのはそれが理由であると。
それが本当なら、耐久性という評価項目に萌え萌えな僕にはとても面白い話だ。自動車は、オモチャである前にまず運搬のための完全な道具であるべきと考えるトヨタの姿勢をよく表している話だと思う。

(写真は、南アフリカでTazz名で現地生産され続けているAE90系カローラHBと、そのバン仕様であるCarri(右端)。ちょっと欲しいとか思いませんか。)
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