つい最近まで、僕は夏季休暇をとっていた。休暇が終わり、気がつけば8月もそろそろ終わりが見える時期になっている。…こうして、ぼくの30回目の夏も終わっていくのだな。夕方の陽射し、蝉の鳴く声、帰省したときの緑の匂いに、2006年の夏を強烈に焼きつけんとするover 30な自分。
休暇中、僕は柄にもなく辻仁成の小説など買ってみた。小説を読むなんて何年ぶりだろう。それもレンアイ小説を!
タイトルに魅かれて買った、というのはある。世の中のあまたのベストセラー書籍には、「タイトルの勝利!」と言いたくなるものも多いが(ex. 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』)、まさにこの小説を買った理由も、この美しいタイトルによるところが大きい。
この小説、Amazonの書評を読むと絶賛系のコメントが多いが、僕の感想はそこまでのものではない。ただし、1975年のバンコクでの結ばれない恋、25年の時を経た後の再会、または誰に対してもいい顔をしたがる気弱な男の成長という物語の設定は面白いと思ったし、実はけっこう引き込まれた。
「何かを選ぶということは、何かを捨てるということ」 という僕が先輩から教えられた人生訓が、この本においても登場する。どちらも選べず、苦しみながら老いた主人公が最後に救われる物語なのだ、これは。
2006年の夏にこんな恋愛小説を読んだということが、これからの僕の人生を豊かなものにしてくれるかもしれない。少なくとも、読んで・何かを感じた、その事実は未来の僕が30歳の自分を懐かしく思い出すためのネタぐらいにはなるだろう。
休暇中、僕は柄にもなく辻仁成の小説など買ってみた。小説を読むなんて何年ぶりだろう。それもレンアイ小説を!
タイトルに魅かれて買った、というのはある。世の中のあまたのベストセラー書籍には、「タイトルの勝利!」と言いたくなるものも多いが(ex. 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』)、まさにこの小説を買った理由も、この美しいタイトルによるところが大きい。
この小説、Amazonの書評を読むと絶賛系のコメントが多いが、僕の感想はそこまでのものではない。ただし、1975年のバンコクでの結ばれない恋、25年の時を経た後の再会、または誰に対してもいい顔をしたがる気弱な男の成長という物語の設定は面白いと思ったし、実はけっこう引き込まれた。
「何かを選ぶということは、何かを捨てるということ」 という僕が先輩から教えられた人生訓が、この本においても登場する。どちらも選べず、苦しみながら老いた主人公が最後に救われる物語なのだ、これは。
2006年の夏にこんな恋愛小説を読んだということが、これからの僕の人生を豊かなものにしてくれるかもしれない。少なくとも、読んで・何かを感じた、その事実は未来の僕が30歳の自分を懐かしく思い出すためのネタぐらいにはなるだろう。