狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

女部

2006-08-22 22:22:18 | 本・読書

方今、わがtani家をはじめとして、一般的なご家庭では男より(女)性の方が偉いように見える。
抑々、我が国の万世一系の皇祖さまは、女神天照大神で有らせられるし、魏志倭人伝によれば、3世紀半ばの頃、多分日本国を指すであろう「邪馬台国」に卑弥呼という偉い女王がましまして、約30国を統治あそばされ、239年魏に使者難升米を遣わして、明帝より親魏倭王の称号を与えられたとある。

コンパクトな岩波「漢語辞典」が机上に置いてある。パソコンを弄るようになってから、国語辞典に比べこれはほとんど開く機会がない。今日は男と女でどっちが偉いのかを考察するに及んで、久しぶりの繙閲となる。

男[解字]会意。「田」(=はたけ・狩猟+「力」。耕作や狩猟につとめる人の意。
女[解字]象形。やわらかな体つきでひざまずく、おんなの姿を描いたもの。

【奴】
[解字]形声。「又」(=手)+音符「女」。手を使って労働する女の意。一説に、「又」を手で捕らえる意とし、捕らえられた女のしもべの意。
【妃】
[解字]形声。「女」+音符「配」(=つれそう)の略体。王族の夫につれそう女性の意。
【妄】
[解字]形声。「女」+音符「亡」(=目が見えない」。女性にまどわされて道理を見失う意。
【奸】
[解字]形声。「女」+音符「干」(=おかす)。婦女をおかす意。「姦」の簡体字。
【妥】
[解字]会意。「爫」(爪・手)+「女」。いきり立つ女を上から手で押さえて落ち着かせる意。
【妊】
[解字]形声。「女」+音符「壬」(=ふくらむ)。女がみごもって腹が大きくなる意。[姙]異体字。
【妨】
[解字]形声。「女」+音符「方」(=両方にはり出す)。両手をひろげて女性に近づかせまいとする意。
【妖】
[解字]形声。「女」+音符「夭」(わかくてやわらかい)。からだのやわらかな女の意。
【委】
[解字]会意。「女」+「禾」(垂れ下がった稲)。女が力なくしなだれる意。なよなよと曲がりくねる意から、細かく行きわたる意になる。
【威】
[解字]会意。「女」+「戊」(=ほこ)。弱い女をほこでおどす意。

この他、今まで何気なく使っていた「女」部の漢字(部首索引)の解字を読むと、成る程と頷くことばかりだが、こんなポケットに入るような小さな辞書でも84の漢字が載っている。初めの方の10項を抽出してみた。
今の女性には当てはまらない疑問な表現も浮かんでくるが、さて御一統様のご家庭は「嬶天下」それとも「亭主関白」??

  後記 どの漢和辞典でも〝「女」部〟はあるが〝「男」部〟はない。男は「田」の部である。
解字の分類は六(りく)書による。




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