狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

へのかっぱ

2007-12-05 22:25:03 | 日録
先月、イバラッケン「県立歴史館」で小川芋銭の「河童百図展」が開かれた。ボクは、近所にお住まいの、Z寺朝詣り会の同僚である、I兄から誘われたが、残念ながら他の用件が重なり、見学の期を逸してしまった。予想を超える入館者数だったそうである。
芋銭(われわれ地元では、"イモセン"と読んでいる)は、「橋のな川」の著作や、「九十歳の人間宣言」など、峻烈な天皇批判で知られる、住井すゑの住居のある「牛久沼」の辺りの近くに住み、晩年ここで死去したといわれている。

河童の絵は、後に清水昆の河童にお株を取られてしまった格好になってしまったが、やはり本家本元は芋銭の河童であろう。貫禄の違えがある。
その河童の絵が、イバラッケン水戸市近郊ひたちなか農協が開発した、本件特産の干しいもを原料とした焼酎「へのかっぱ」のラベルに使用されていることを、同農協代表理事専務のM氏の地方新聞掲載のエッセーで知った。

会場歴史館のロビーには、全国の河童を題材とした酒48種が展示され、その中の1等席にこの「へのかっぱ」が陳列されていたという。


へのかっぱ【屁の河童】何とも思わないこと。へいっちゃら。河童の屁。ーこれは「広辞苑」第5版による解説である。
近日売り出される第6版も、この項に関しては何と書いてあるか、未知の世界だが、此処ではそれがどう変わろうと問題ではない。

 下図はその、N農協が開発し、販売している干しも焼酎の銘柄「へのかっぱ」の写真で、ラベルは装丁家H女史の作品で、名付け親も彼女だそうである。畏友I兄の処女詩集「朝の場所」も彼女が装丁した。彼女の生活はビジネスをも含め和服だけで通している、典型的日本女性である。


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