呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

テレビショッピングにも注目~その2~

2009年12月15日 | 未分類
  昨日東方購物というテレビショッピングを行っている会社を紹介したが、今日は橡果国際という会社を紹介する。中国テレビショッピングには大きく二つの方式があり、ひとつがCM方式で行う直販、もうひとつが昨日紹介した東方購物が行っているような、ショッピングチャンネルを利用する方式であり、橡果国際は前者の方式を採用している。

 橡果国際がCM枠を購入するコストは販売収入の約35%、この他営業費用・管理費用が合わせて販売収入の約20%といわれている。逆に言うと、粗利率が55%を超えて初めて利益を生み出すことができる。小売で55%という粗利率が必要とされるのは結構厳しい業界といえるだろう。日本はどうかと思って簡単に調べてみたが、テレビショッピング向け商品販売をアドバイスしている某サイトを見たところ、「現在の採用商品の最低粗利益率は50%です。できれば、60%以上を希望します。」と謳われており、55%という水準は日本も中国もそんなに変わらないようだ。それにしてもこの55%水準は小売業の粗利率が低い中国においてはかなりのレベルだ。一方で、昨日紹介した東方購物のチャンネル使用費(CM枠購入)は年間収入の3%に過ぎず、橡果国際の広告費用35%と比べると非常に小さなものとなっている。ということで、橡果国際の採用している広告費用が大きくなるスキームは今後の発展へのボトルネックといわれている。《テレビショッピング短篇広告及び家庭ショッピング番組管理の強化に関する通知》というものが来年より実施されるが、これにより、CM枠を購入するタイプを採用している中小レベルのテレビショッピング企業が淘汰されると予想されている。CM枠を購入する形でテレビショッピングを行っている会社に対しては良いイメージを持っていない消費者も多く、橡果国際も淘汰されるような企業と同じくくりで見られるようになると、東方購物のようなスキームを採用しているところとの競争に苦しむようになっていくかもしれない。

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