上海の不動産価格が高騰しているのは既にご存知の通りだが、あまりに高いがゆえに、賃貸にまわした場合の利回りが非常に低い水準にある。美聨物業という会社が出した報告によると、上海の住宅賃料の利回りはたったの2%しかないとのことだ。これは現在の一年定期預金利率の2.25%をも下回る水準であり、ここ3年来で最も低い水準にある。地区別に見てみると、長寧区の賃貸利回りが3.07%で上海で最も高い水準にある。その他は閔行区が2-3%、普陀区、徐匯区、閘北区、虹口区、浦東新区ではだいたい2-2.5%、静安区、黄浦区はたったの1.5-2%となっている。日本の感覚で言うと例えばマンションの賃貸利回りは7%とか10%あたりがよく聞こえてくる水準なので、上海のこの水準は異常値といえるだろう。逆に言うと、利回りから考えると不動産価格はもっと下がるべきであるともいえる。しかしながら、賃貸利回りが低い状況が続いているということは逆に投資者のリスクプレミアムが下がることを反映しており、価格下落の圧力にはならないという見方もある。全く逆の発想だ。上海の不動産マーケットは賃貸利回りだけでは量ることのできない理解しづらいマーケットとも言えるだろう。個人的にはこういうマーケットの不動産を個人投資レベルでは買いづらいの正直なところだ。
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