呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

ズンドコ通達

2011年02月01日 | 日記

 

 2010年12月31日に公布された《上海市国内機構のサービス貿易項目における立替金、分担費用の対外支払いの関連問題に関する通知》だが、どうもズンドコ通達のにおいがしてきた。たまたまとある会社から会社設立に当たってオフィス賃料の保証金をどうすればいいかという問い合わせがあり、この通達を使うことで本社から送金しても後から立て替え金送金できるかと思っていたのが、取り扱い銀行から「今回の通知の対象となる立替金は給与及び日本で発生した費用を対象とするものであり、中国における賃料の保証金に関する立て替え金送金は対象外なので不可」との連絡を受けた。納得がいかず外貨管理局宛に3人に対してヒアリングした。二人が不可という回答、一人が銀行の判断次第というものだった。ネガティブになっている理由としては、「本通知はあくまでサービス貿易に伴うものであり、それ以外についてのものではない。既に行われていることをあらためて明文化したようなもの」という回答だ。給与なんて実態的にはできているしのでそれならばこの通達は何の意味もない。

 

 サービス貿易の定義について調べてみた。2009年1月1日より施行されている《国家外貨管理局、国家税務総局:サービス貿易等 項目の対外支払いに税務証明を提出することの関連問題に関する通知》(匯発[2008]64号)の中で、定義がある。 

 

 

本通知で言うところのサービス貿易には、運輸、旅行、通信、建築据付及び役務請負、保険サービス、コンピュータ及び情報サービス、特許権利使用及びパテント、体育文化及び娯楽サービス、その他商業サービス、政府サービス等の取引行為を言う。

 

 

 「その他商業サービス」って結構便利な言葉だと思う。要するに広範囲に解釈できるという意味でだ。だからこそ立替金を給与及び日本で発生した費用に限定するというのは納得行かない。この解釈どおりで実務が行われるのであればこんな通達なんて公布するなよ。なんじゃこれ。期待が大きかっただけに、これではまるで可愛い女の子に電話番号を教えてもらって後から書けたら「この番号は現在使われておりません」というアナウンスが流れてしまうようなものだ。ズンドコ通達としか言いようがないわ。


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