呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

離職後2年以内なら職業病による賠償請求が可能~広東省

2008年10月07日 | 未分類
  広東省において離職後2年以内に職業病認定された場合、職業病認定された日より1年以内に公傷認定申請を提出し、労働保障行政部門は受理した上で公傷保険基金または雇用単位から関連待遇費用を支払うという規定が発表されている。そしてこの規定に従って既に認められた実例も出てきている。
この規定とは今年9月11日に広東省労働社会保障庁から発表された《一段と我が省の公傷保険制度を完備することの関連問題に関する通知》(粤労社発〔2008〕21号)(⇒原文はここ)であり、この中の第二条で言及されている。

二、職業行患者の認定及び待遇支払い方法の明確化

 (一)職業病発生単位(法に依り取得した職業病診断証明書または職業病診断鑑定書上に記載されている雇用単位)が広東省行政区域内に属する場合、従業員は職業病発生単位を離れてから2年以内に職業病を患っていると診断・鑑定された場合、職業病と診断・鑑定された日より1年以内に公傷認定を申請する場合、労働保障行政部門は受理し公傷認定を行わなければならない。

 (二)従業員が本条第(一)項の状況に従って公傷認定された場合、職業病発生単位がその離職前に既に当該従業員のために公傷保険費を納付している場合、公傷保険基金より《公傷保険条例》、《広東省公傷保険条例》の規定に従って関連待遇費用を支払う。
 
従業員が本条第(一)項の状況に従って公傷認定された場合、職業病発生単位がその在職期間に当該従業員のために公傷保険費を納付していない場合、当該雇用単位より《公傷保険条例》、《広東省公傷保険条例》で規定する公傷保険待遇項目及び標準により従業員に費用を支払う。


  要するに企業としては公傷保険さえしっかりと納付していれば公傷保険基金より該当する従業員に支払いを行うことになり、賠償請求リスクを回避されるといえるのだが、中には自社の所在する地域はどこもかしこもそんなものは納付していないから自社も納付していないというところもあるかもしれない。確かにどこも納付していない中で自社だけが納付した場合、まじめにやっているがゆえに逆に後ろ指を刺されるようなケースがあるかもしれないが、コンプライアンス重視という風潮の中、いつまでもそういうわけには行かないだろう。