極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

水素の製造/供給実用化技術

2013年12月03日 | デジタル革命渦論

 

 



【ソフィアローズのこと】

加齢臭と口臭に悩まされ、いろんなことをためしていたときに、ブルガリアンローズソープ
を試して
みようとしたが余りにも高価なので二の足を踏んでいた。それも含め「ブルガリア
ンローズソープ」
(『大明ナショナリズム』)とかどこかで書き留めた記憶がある。


 バラが人類の歴史に登場するのは古代バビロニアの『ギルガメシュ叙事詩』。詩の中に

 は、バラの棘について触れた箇所がある。古代ギリシア・ローマでは、バラは愛の女神
  アプロディテと関係づけられた。香りを愛好され香油が作られ、エジプトの女王クレオパ
 トラはバラを愛好し、ユリウス・
カエサルを歓待したときもふんだんにバラの花や香油
 を使用したとある。また、
十字軍以降、中近東のバラがヨーロッパに紹介され、ルネサ
 ンスのころには再び愛好の対象となる。
イタリアのボッティチェッリの傑作「ヴィーナ
 スの誕生」
にバラが描かれ、ダンテの『神曲』天国篇にも天上に聖人や天使の集う純白
 の「天上の薔薇」として登場する。さらにはカ
トリック教会は聖母マリアの雅称として
 
「奇しきばらの花」(Rosa Mystica)と呼ばれる。


とかの。というのも株式会社わかさ生活が、最近、盛んに『ソフィアローズ』、飲むフレグ
ランスサプリメントとして宣伝しているのに気づく。ただし、女性向けの商品として。しか
し、自らタブーをつくってもいけないしお試しに一袋購入することに。かって、ロッテだっ
たかどうかハッキリしないが、男性向きのローズフレランスガムとしてだが、いまは売られ
ていないようだが、売られていたら、いまも常用しているだろう。こうして打ち込みの時も
クチャクチャさせ作業しているだろう。時折、彼女がねぇ~その音なんとかならないかと叱
られながらも。この体験談は後日掲載することに。

 


 

【さて、水素の製造/供給実用化技術】


水素は、産業用ガスとして年間三百億m3消費されている。そして、地球温暖化問題を背景に、
近い将来水素エネルギー社会の実現が想定されているため、さらに大量の水素需要が見込ま
れている。そうした水素需要が増加するとともに、水素の単価低減は必須の課題となってい
る。あるいは、有害物質や地球温暖化ガス等を放出しない水素を燃料とする燃料電池の研究
開発は、大規模発電、自家発電、携帯情報機器用電源、車載用電源の実用化に向け積極的に
行われている。水素は、常温常圧では気体であり、液体や固体と比べて取り扱いが難しく、
また、貯蔵や運搬が困難である。水素は漏洩すると爆発の危険があるという問題もあり、水
素エネルギーの活用上、大きな障害となっているが、いよいよ、デジタルエネルギー社会、
水素社会の前夜に入った。そこで水電解による水素製造の実用技術について考えてみる。

ところで、水素を得る方法として、メタノール、メタンを主成分とする液化天然ガス、この
天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、石油系のLPG、
ナフサ及び灯油等の石油系炭化水素を改質、変換して水素を得るための各種の改質方式が検
討されてきたが、水素エネルギーを用いたエネルギーシステムの実用化に向けて、気体状態
の水素を、効率的、安全に、小体積内に貯蔵する技術開発が必要となる(高圧ガスとして貯
蔵する方法、液化水素として貯蔵する方法、水素吸蔵材料を用いる方法等)


これに対し、ソニー株式会社から「水素供給装置、並びに電子化学デバイスとその駆動方法
」(特開2010-202501)の新規考案が提案されている。それによると、電界効果トランジス
タ等の半導体デバイスの製造工程において、絶縁膜、誘電体膜、表面保護膜として使用され
るシリコン酸化膜が水素を含有されているが、このシリコン酸化膜は、熱酸化法、化学気相
成長法(CVD法)やスパッタリング法に等による気相プロセス、アルコキシシラン類の加
水分解等による成膜、ポリシラザンの酸化等による液相プロセスで形成されている。そこで
シリコン酸化膜形成方法に、ポリシラン化合物を含有する塗膜を形成し、その塗布膜を酸化
処理してシリコン酸化膜を形成する方法ある(「半導体装置の製造方法、電気光学装置の製
造方法、及び電子機器の製造方法」(特開2007-250954
))。この提案は、導電膜、半導体
膜と絶縁膜をもつ半導体装置の製造方法の特徴は、(1)絶縁膜を形成する工程で、ポリシ
ランを含む液体材料を塗布する工程と(2)液体材料を塗布後、第1の熱処理を行う工程と
(3)第1の熱処理の後、第2の熱処理を行う工程を備え、第1の熱処理は、窒素存在下で
100℃~300℃の温度で行う。こ
の熱処理の焼成条件を制御し、簡易な方法で絶縁膜の膜密度
制御ができるという。ここで絶縁膜がゲート絶縁膜の場合は、第1の熱処理は、窒素存在下
で150℃~250℃の温度、酸素濃度1ppm下で10分~60分間間の範囲で行う。また、第2の熱処
理では、大気中で、200℃~500℃の温度、10分間~60分間の範囲で、第1熱処理の形成され
た膜に含有される酸素とシリコンの比率が、膜厚方向に一定であることが条件として示され
ている。また、「シリコン酸化膜の形成方法及び形成用組成物」(特開2002-246384)には、
ポリシラン溶液組成物を基板上に塗布する前と後のうちの少なくとも一回、光照射処理と熱
処理のうち少なくとも一つの処理し、光照射処理を行う際の温度が常温~500℃で、処理時
間が、
1~20分間で、熱処理が50~600℃(好ましくは100~200℃の温度で、不活性ガス雰
囲気中で10~120分間加熱し、形成されたポリシラン化合物の塗膜を酸化処理され、シリコ
ン酸化膜へと変換する。酸化処理は、酸素もしくはオゾンの存在下、空気中で、熱処理また
は光照射処理し、熱処理が100~800℃(
好ましくは300℃~500℃で、1~300分(好ましくは
好ましくは10~60分行う条件が示されている。


特開2010-202501|水素供給装置、並びに電子化学デバイスとその駆動方法

【要約】水素供給装置は、水素を含有するシリコン酸化膜34と、このシリコン酸化膜から
水素を放出させるための水素放出手段が、加熱手段又は減圧手段とを有し、シリコン酸化膜
から水素が放出される。シリコン酸化膜は、ポリシラン化合物を含有する塗布膜32を基体
31上に形成した後、塗布膜を不活性雰囲気又は還元性雰囲気中で第1加熱処理、また紫外
光を含む光照射を行い、シリコン酸化膜前駆体33を形成し、次に、シリコン酸化膜前駆体
を酸化雰囲気中で酸化処理することによって形成される。酸化処理は、酸化性雰囲気中での
第2加熱処理、オゾン処理、光照射処理の少なくとも1つを含む。水素供給装置は、燃料電
池等の電子化学デバイスに好適に適用されることで、軽量、安全であり低コストで製造でき
るシリコン酸化膜を用いた水素供給装置、並びに電子化学デバイスとその駆動方法を提供す
る。

そのことを踏まえて、燃料電池の燃料ガスとして水素使用する場合、水素を高圧ガスとして
貯蔵する方法は、金属製の耐圧容器を用いる必要があり、容器自体がきわめて重くなり、高
圧であるため、安全面にも問題がある。液化水素として貯蔵する方法では、水素を液化する
ため、-250℃以下の冷却が、冷却装置等が、冷却のためのエネルギーが必要になるという
問題がある。また、水素吸蔵材料として、水素の吸蔵、放出が可能な各種の水素吸蔵合金が
知られているが、水素の吸蔵、放出の繰返しによって、性能が劣化するという問題があり、
合金組成によれば資源的な問題がある。さらに、燃料電池の燃料ガスとしての水素を得る方
法として、各種の改質方式が検討されているが、これら改質方式では高価な触媒等を必要と
する。燃料電池を搭載してこれを駆動源とする自動車等の研究開発が進められているが、燃
料電
池の燃料ガスとして水素ガスを供給する水素タンクを自動車等に搭載する構成も検討さ
れているが、
ショック耐性を含む安全性、軽量化に課題があり、安全性、軽量性に優れ、低
コストで実現可能な水
素供給源が実用が求められている。つまり、軽量、安全であり、低コ
ストで製造することができるシリ
コン酸化膜を用いた水素供給装置、並びに電子化学デバイ
スとその駆動方法(上図/下図参照)を提案する。

 
このように、半導体技術を応用し、水素ステーションでの水素供給装置や製造方法の実用化技術が
提案されてきている。時間の都合で、今夜は一例を考えてみた。 

 





【ドライブ・マイ・カー】 

 

  しばらく沈黙が続いた。家福はかぶっていた野球帽を取り、その形を点検し、またか
 ぶり直した。数え切れないほ
どのタイヤをつけた大型トレーラーの隣では、黄色いサー
 プ・コンバーティブルはいかにもはかないものに見えた。まるでタンカーの隣に浮かん
 だ観光用小型ポートのよう
だ。
 「余計なことかもしれませんが」とみさきは少しあとで言った。「気になるので、訊い
 ていいですか?」

 「いいよ」と家福は言った。
 「家福さんはどうして友だちとかつくらないんですか?」
  家福はみさきの横顔に好奇の目を向けた。「どうして僕に友だちがいないって、君に
 わかるんだ?」

  みさきは小さく肩をすぽめた。「ニケ月近く毎日送り迎えしてれば、それくらいのこ
 とはわかります」

  家福はトレーラーの巨大なタイヤを興味深そうにしばらく眺めていた。それから言っ
 た。「昔から友だちと呼べる
ような相手はあまりいなかったな。どうしてだろう」
 「子供の頃からそうだったんですか?」
 「いや、子供の頃にはもちろん仲の良い友だちはいたよ。でも大人になってからは、友
 だちがほしいとはあまり思わ
なくなった。とくに結婚してからは」
 「奥さんがいたから、友だちはそれほど必要なくなったということですか?」
 「そうかもしれない。僕らは良い友だちでもあったから」
 「いくつのときに結婚されたんですか?」
 「三十歳のときだよ。同じ映画に出ていて、それで知り合った。そのとき彼女は準主役
 で、僕は端役だったけど」
  車は渋滞の中を少しずつ前に進んでいた。首都高速に入るときにはいつもそうするよ
 うに、屋根は閉じられている。
 「君は酒はいっさい飲まないのか?」、家福は話題を変えるためにそう尋ねた。
 「体質的にアルコールを受け入れないみたいです」とみさきは言った。「それから母親
 がお酒でいつも問題を起こしていた人で、そのことも関係しているのかもしれません」
 「お母さんは今でも問題を起こしているの?」
  みさきは何度か首を振った。「母はもう亡くなりました。酔っぱらって運転していて、
 ハンドル操作を誤り、スピンして道路から飛び出し、木にぶつかったんです。ほとんど
 即死でした。私が十七のときのことです」
 「気の毒に」と家福は言った。
 「自業自得です」とみさきはあっさりと言った。「いつかそういうことは必ず起こって
 いたでしょう。早いか遅いか、それだけの違いです」
 しばらく沈黙があった。
 「お父さんは?」
 「どこにいるかも知りません。私がハ歳のときに家を慟て、それから一度も会っていま
 せん。連絡もありません。そのことで母はずっと私を責めていました」
 「どうして?」
 「私は一人っ子だったんです。私がもっと可愛いきれいな女の子だったら、父は家を出
 ていかなかったはずだ。母はいつもそう言っていました。私が生まれつき醜いから、捨
 てていったんだって」
 「君は醜くなんかない」と家福は静かな声で言った。「お母さんはそう思いたかっただ
 けだよ」
  みさきはまた肩を少しすぽめた。「普段はそうでもないんですが、お酒が入ると、母
 は話がくどくなりました。同じことを何度も何度も繰り返して。こちらとしては傷つき
 ます。悪いけど、死んだときには正直ほっとしたくらいです」
 
  そのあとの沈黙は前の時より長く続いた。
 「君には友だちはいる?」と家福は尋ねた。
  みさきは首を振った。「友だちはいません」
 「どうして?」
  彼女はそれには答えなかった。眼を細め、ただじっと前方を見ていた。
  家福は目を閉じて少し眠ろうとしたが、うまく眠れなかった。ストップと発進が細か
 く繰り返され、彼女はそのたびに丹念にシフトチェンジをした。隣の車線のトレーラー
 が大きな宿命の影のように、サーブの前になったり後ろになったりした。
 「僕が最後に友だちを作ったのは十年近く前のことになる」と家福はあきらめて目を開
 けて言った。
 「友だちらしきものと言った方が正確かもしれないな。相手は僕より六つか七つ年下で、
 なかなかいいやつでもあった。酒を飲むのが好きで、僕もそれにつきあって、飲みなが
 らいろんな話をした」
  みさきは小さく肯いて、話の続きを待った。家福は少し迷ったが、思い切ってそれを
 口にした。
 「実を言うと、その男はしばらくのあいだ僕の奥さんと寝ていた。こちらがそれを知っ
 ていることを相手は知らなかった」
  みさきは話の内容を呑み込むのに少し手間取った。「つまり、その人は家福さんの奥
 さんとセックスをしていたということですか?」
 「そうだよ。三ケ月か四ケ月くらいのあいだ、彼はうちの奥さんとわりに頻繁にセック
 スをしていたと思う」
 「どうやってそれが家福さんにわかったんですか?」
 「彼女はもちろん隠していたけど、僕にはただそれがわかった。説明すると長い話にな
 る。でも間違いはない。僕の思い過ごしなんかじゃない」
  みさきは車が停止しているあいだ、両手でバックミラーを修正した。「奥さんとその
 人が寝ていることは、家福さんがその人と友だちになる妨げにはならなかったんですか
 ?」
 「むしろその逆だ」と家福は言った。「僕がその男と友だちになったのは、うちの奥さ
 んがその男と寝ていたからだ」
  みさきは口を閉ざしていた。説明を待っているのだ。
 「どう言えばいいのかな……僕は理解したかったんだよ。どうしてうちの奥さんがその
 男と寝ることになったのか、なぜその男と寝なくてはならなかったのか。少なくともそ
 れが最初の動機だった」
  みさきは大きく呼吸した。胸がジャケットの下でゆっくり盛り上がり、そして沈んだ。
 「そういうのって気持ちとしてつらくはなかったんですか? 奥さんと寝ていたってわ
 かっている人と一緒にお酒を飲んだり、話をしたりすることが」
 「つらくないわけないさ」と家福は言った。「考えたくないこともつい考えてしまう。
 思い出したくないことも思い出してしまう。でも僕は演技をした。つまりそれが僕の仕
 事だから」
 「別の人格になる」とみさきは言った。
 「そのとおり」
 「そしてまた元の人格に戻る」
 「そのとおり」と家福は言った。「いやでも元に戻る。でも戻ってきたときは、前とは
 少しだけ立ち位置が違っている。それがルールなんだ。完全に前と同じということはあ
 り得ない」

                        村上春樹 『ドライブ・マイ・カー』
                          文藝春秋 2013年12月号掲載中

 

 

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