【呼吸と疾病の関係】
長年、気管支を緩慢的に痛めてきた加減で、目覚めると同時に咽頭部リンパ腺が腫れと痛み、
気管支の炎症で背中から胸部かけての痛みが走る。これは”ベンザブロクL”を服用しなけれ
ばと、目覚まし代わりにテレビを突けると「口呼吸による疾病」の解説番組が映し出されてい
たので、これがいけないかと興味を惹く。そこで、彼女にそのことを尋ねると、いつも口を開
けて寝ているよ!と言う。洗面と朝食を済ませ、薬を服用し、暫く、定常作業を始めと、それ
っきり作業に没頭してしまい、日暮れ時になり、朝の残件の作業に切り替えた。そうすると、
口呼吸が、さまざまな病気の原因となっている可能性についてを元東京大学医学部口腔外科講
師の西原克成の情報が注目されていることを知る。
※ 西原克成:日本免疫病治療研究会会長。「顔と口腔の医学」西原研究所所長。1940年、神
奈川県生まれ。東京医科歯科大学卒業後、東京大学大学院博士課程修了。東京大学医学部講師、
同附属病院で長く臨床に携わる。
■ 口呼吸チック項目
- 無意識のうちに口が半開きになる
- 唇がカサカサに乾燥している
- 朝起きた時に、のどがヒリヒリ痛む
- 鼻の穴を意識して動かすことができない
- 唇を閉ざすと、あごのとがったところに“梅干”ができる
- 鏡を見ると、口が「へ」の字だ
- クチャクチャと音を立てて食べる
- いびきをかく
- 唇の厚さが上下で著しく差がある
- 受け口である
- 歯並びが悪い、または前歯が出ている
- 片方の歯で噛むくせがある
呼吸には二つあり、その一つが「鼻呼吸」で、もう一つが「口呼吸」。ところで、「あん(阿
吽)の呼吸」とは 仏教の呪文(真言)の1つで、悉曇文字(梵字)において阿は口を開いて
最初に出す音、吽は口を閉じて出す最後の音であり、そこから、それぞれ宇宙の始まりと終わ
りを表す言葉とされた。また、宇宙のほかにも、前者を真実や求道心に、後者を智慧や涅槃に
たとえる場合もある。次いで、対となる物を表す用語としても使用された。特に狛犬や仁王、
沖縄のシーサーなど、一対で存在する宗教的な像のモチーフとされた。口が開いている方を阿
形(あぎょう)、閉じている方を吽形(うんぎょう)と言う。転じて、二人の人物が呼吸まで
合わせるように共に行動しているさまを阿吽の呼吸、阿吽の仲などと呼ぶというが・・・話は逸
れた。
鼻呼吸の特徴は、(1)吸い込んだ空気の除塵する:私たちが、吸い込む空気には、さまざま
な病原菌が含まれていますが、病原菌の50~80%は鼻の粘膜に吸着され、処理される。(2)
吸い込んだ空気の加湿する:鼻呼吸の場合は、冷たくて乾いた空気でも、鼻腔で暖められ、湿
度を含んだ状態で、のどまで到達。加湿が不十分だと肺胞の粘膜になじみにくく酸素がスムー
ズに吸収されない。(3)病原菌の繁殖を抑える:吐く息も、鼻腔を通ることで、鼻腔を適度
に乾燥させ、カゼのウイルスなどの病原菌の繁殖を抑える効果を発揮。この三つの機能が働き
(1)免疫向上(2)酸素が行き渡り、脳・筋肉が活性する。と、いうわけだがこれに関する
臨床試験データの調査はまだ。これに対し、口呼吸の特徴は、(1)病原菌が白血球の中に入
り込み、全身に運ばれてしまう:口から吸引した空気は、そのままのどまで行ってしまいのど
の粘膜が、さまざまな病原菌に無防備となる。病原菌が白血球の中に入り込み、全身に運ばれ
てしまう。(2)のどを乾燥させ、加湿不十分な空気が肺に入る:のどには、温度、湿度の調
節機能がないので、ほぼ吸い込んだときと同じ状態の空気がのどを直撃し、のどを乾かしたり
冷やしたりして、リンパ組織に損傷を与える。(3)鼻腔や副鼻腔に細菌やウイルスが増殖し
やすくなる:空気が鼻腔を通らないと、汚れがたまり、常にじめじめした状態になるため、免
疫力低下、酸素が吸収されにくいことになる。具体的には、口呼吸によって引き起こされる病
気の主なものは、リウマチ、ぜんそく、花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、肺
炎や腎炎も引き起こしやすく、糖尿病や高血圧症、白血病、悪性リンパ腫、潰瘍性大腸炎など
の原因にもなるとされるというが、これも詳細については未調査である。それ以外に(1)舌
の粘膜が乾燥するため味覚障害になる可能性が高くなる。(2)鼻の機能が低下するため嗅覚
障害になる可能性が高くなる。(3)口呼吸の場合は口が開いている為、口の周りの筋肉が緩
み、舌が気道を塞いでしまい、睡眠時無呼吸症候群になる可能性が高くなる。(4)加湿不十
分な空気が肺に入り、肺胞膜を痛める、肺胞の粘膜がなじみにくいので、酸素が吸収されにく
いkとが指摘されているわけだが、いずれも、その他の環境条件が入れば、ここで想定されて
いる最悪のケーズは簡単に回避されだろうから、参考意見として受け止めておく。
これは面白と思ったことは、日本人は離乳の時期は一歳前後が常識で、海外では、三、四歳と
短く、これが口呼吸依存体質に変えてしまうのだという。それじゃ、矯正方法は?といえば、
(1)おしゃぶりをくわえて、日常生活を送る(2)1日3回、合計1時間ほど、口を閉じて
ガムをかむ(3)食餌での咀嚼回数を増やす(30回/度)(4)医療用テープを口に貼り、
日常生活をする(5)鼻孔拡大装置を鼻にはめる。そうすれば矯正効果は2~4週間で現れる
とのこと。(1)については、大人の玩具じゃないけれど、余り気が進まない。(4)の口の
マスキングについて要商品開発。(5)はアレルギー体質には逆効果になりはしないかと心配
する(鼻孔マスク=鼻孔栓が市販されている)。結局、(2)の1日3回、合計1時間ほど、
口を閉じてガムをかむが即応できることと判断し、励行することを確認した。
1)口腔領域における機能性疾患の診断と治療(1) 総論、歯界展望 91(1):195-203, 1998
2)口腔領域における機能性疾患の診断と治療(2) 各論、歯界展望 91(2):449-459, 1998
3)口呼吸習癖による免疫系・骨格系の機能障害とその治療、日本一般臨床医矯正研究会 8:
67-90, 1997.
4)免疫系疾患と口呼吸習癖との関連、日口診誌 7(2):243−262,1994.
【ガラパゴスが世界化 ?!】
【植物工場の近未来】
昨夜は「環境バイオセンサ事業の展開」として、植物工場事業について掲載してみた。しかしながら、
高度な環境制御と周年栽培を実現する植物工場施設の面積は世界全体でみても非常に小さいも
のである。太陽光利用型ではトップリーダーであるオランダでは施設園芸の80%以上が植物工
場に分類できるほど、ハイテクな施設が普及している一方で、日本の場合は約6万2,000haのう
ち、植物工場が占める面積は1,000haにも満たない、と推計される。日本の施設園芸の多くが
ハイブにフィルムが張った簡易的なハウスであり、加湿・冷却装置や自動開閉カーテン、その
他の環境モニタリング制御機器といった装置・システムの導入施設は極めて少ないのが現状。
こうした設備投資には、導入資金の調達と投資回収が可能な採算性が求められる。大きな設備
投資が必要な施設園芸・植物工場ビジネスヘの参入には、大手企業による単独参入、または大
手企業が出資を行いながら地元農家と共同で農業生産法人を設立する形が一般的である。
また、葉野菜やトマト・パプリカといった野菜の生産・販売事業にて採算性を考えた場合、ある
程度の大規模化が必要となる。例えばレタス類を生産する場合、太陽光利用型では1ha(1日
5,000株~)、完全人工光型では1,000平方メートル(1日1万株~)くらいの規模が必要とされ
るが(補助金なしを想定)、このような大規模施設となると国内では数カ所に限られている。
現在の政府方針は、農地の集約化や農業法人への出資規制緩和など、民間企業による農業参入
を推進しており、今後は国内においても植物工場の施設面積の拡大が見込まれる。
高度な環境制御と周年栽培を実現する植物工場施設の面積は世界全体でみても非常に小さいも
のである。太陽光利用型ではトップリーダーであるオランダでは施設園芸の80%以上が植物
工場に分類できるほど、ハイテクな施設が普及している一方で、日本の場合は約6万2000haの
うち、植物工場が占める面積は1000haにも満たない、と推計される。日本の施設園芸の多くが、
ハイブにフィルムが張った簡易的なハウスであり加湿・冷却装置や自動開閉カーテン、その他
の環境モニタリング制御機器といった装置・システムの導入施設は極めて少ない。こうした設
備投資には、導入資金の調達と投資回収が可能な採算性が求められる。大きな設備投資が必要
な施設園芸・植物工場ビジネスヘの参入には、大手企業による単独参入、または大手企業が出
資を行いながら地元農家と共同で農業生産法人を設立する形が一般的である。また、葉野菜や
トマト・パプリカといった野菜の生産・販売事業にて採算性を考えた場合、ある程度の大規模化
が必要となる。例えばレタス類を生産する場合、太陽光利用型では1ha(1日5,000株~)、完全
人工光型では1,000平方メートル(1日1万株~)くらいの規模が必要とされるが(補助金なしを想
定)、このような大規模施設となると国内では数カ所に限られている。
現在の政府方針としては、農地の集約化や農業法人への出資規制緩和など、民間企業による農
業参入を推進しており、今後は国内においても植物工場の施設面積の拡大が見込まれる。ただ
し、小規模農家による露地栽培(土耕栽培)やこだわりを持った有機栽培も重要であり、様々な
商品を消費者自身が選択していく形が望ましいのだが、日本国内における有機JAS農産物の割
合が全体の0.2%、有機JAS規格ではない有機農作物を合計しても0.35%のシェアしかない国内
の状況も一つの課題として挙げられるだろう。太陽光利用型ではオランダの複合環境制御シス
テムなどを採用しながら、国内の市場ニーズに対応した品種改良や日本の気候(高温多湿)にマ
ッチした冷却技術など、メインはオランダ製を採用しながら、装置・システムの再構築が必要
となる。また日本のような高温多湿に近い気候をもつ東南アジアをはじめとする熱帯エリアヘ
の技術輸出が期待されてる。
また、完全人工光型では世界でもトップ技術を持つ日本であるが、気候・栽培条件によっては
露地や簡易的な施設園芸での生産が適している地域がある一方で、砂漠や寒冷地などの過酷環
境下では閉鎖空間にて栽培する完全人工光型が生かせるケースも多いだろう。さらに中東など
の砂漠地帯では、太陽光発電や太陽光をそのまま栽培室内に取り込む技術(国内でも太陽光採
光または、光ダクトシステムとして、主に住宅・商業ビル向けに普及しつつある)など、自然エ
ネルギーを活用しながら省エネ型システムの開発も必要とされる。その他、完全人工光型では
カリウムの摂取制限がある腎臓病透析患者向けにカリウム含有量だけを低下させた低カリウム
野菜や、光条件や温度・湿度環境による外的ストレスを通じて、栄養価を高めたアイスプラン
トが栽培されており、食材だけでなく健康食品や化粧品といった商品にも利用されている。ま
た、有用なワクチンタンパクを発現する遺伝子を組み込んだ植物に関する研究も進んでいる。
花粉症の緩和が期待できる“お米"、ペット・イヌの歯周病を予防できる“イチゴ"など、将来
的には植物工場技術を漢方薬の原料の生産など医薬分野へ応用も検討されている。以上のよう
に植物工場技術は未だ発展途上段階であり、国内外のマーケットにおいて、大きなビジネスチ
ャンスがある。ただし、システム(太陽光・人工光型)、エリア(気候条件)によって、必要とさ
れる技術開発テーマも異なることから、各企業が進むべき方向性を正しく理解する必要がある。
自社が保有する技術ノウハウを生かしながら、将来的にニーズがある市場に狙いを絞らなけれ
ばならない。また植物工場では、様々な技術が必要とされる。場合によっては、複数社がチー
ムとなってオールジャパンとして海外へ事業展開も想定すべきだろう。
※今夜は、大規模気候変動耐性としての大規模植物工場の事業を食料安全保障として、いいか
えれば、国土強靱化構想に包括される事業として考察してみたかったが、これは残件扱いとし
ておきたい。