極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

量子ドット太陽電池元年(2)

2013年12月19日 | デジタル革命渦論

 

 

師走なると一年を振り返って、♪そこにはただ風が吹いているだけ、という歌詞ほどに思い出すものが何もないわ
ではない。年頭に量子ドット太陽電池の実用に向けた行動を!と、掲げた旗をみて積極的な賛同も、激しい反対もな
かった。ひとことで言うとわからないのだ。ところが、年末前の風向きは一転追い風になっている。これが一番の印
象だ。そのことを『量子ドット太陽電池元年』と表現した。その思いを担保するのは、半導体製造技術の進歩、つま
り実現する環境が整っているという個人的な確信が背景がある(それは上図のデザインで掲載)。物質・材料研究機
構のサン・
リウエン博士らのグループは、Ⅲ-V族窒化物半導体に多重の中間準位(バンド)を形成することで、太
陽光の高効率吸収に利用することに成功したと公表。従来は活用が難しかった太陽光の幅広い波長成分利用が可能と
なり、太陽電池の効率向上に大きく貢献できると期待される。白色・青色発光デバイス(LED)材料である窒化ガリ
ウムと窒化インジウムが同様の構造を持ち、その波長範囲が太陽光の全波長範囲を含んでいることに着目し、有機金
属化学堆積法(MOCVD)で、nInGa層上に発電機能の発揮領域に、InGaNGaN量子井戸構造の 30 層からなり、
In組成を変化させたInGaN 量子ドットを各量子井戸に埋め込んだ構造の中間バンド太陽電池を作製。この太陽電池の
外部量子効率を測定し、2.40,2.29および1.97eVの複数の中間バンド準位が形成され、本来のInGaNでは利用できな
かった450nmから750nmの光が吸収され電気エネルギー変換していることを確認したという。つまり、ここでも使い慣
れた、インジウム・ガリウム・窒素系半導体製造技術の守備範囲で実現していることがその最大の特徴というわけだ。

 

同様に、高い光熱変換効率素子の製造方法と光熱発電装置、並びに被検出物質の検出方法が大阪府立大学から提案さ
れている。その概要は、金属ナノ粒子集積構造体の基板で、分散液を基板2塗布し乾燥させ金属ナノ粒子集積構造体
を基板に固定。この基板に別の基板に重ねて光熱変換素子を形成。この2つの基板の一方を透過した光で金属ナノ粒
子集積構造体に局在表面プラズモン共鳴を生じ、集積構造体が発熱する。光熱発電装置は光熱変換素子と熱電変換部
とで構成、光照射で発生した熱で分散液中の熱凝固性材料または熱溶解性材料を被検出物質として凝固または溶解さ
せて被検出物質を検出するという新規考案だ。

   

【符号の説明】

1,1A,1B,1D 光熱変換素子、1C 太陽電池/光熱変換素子、2,3 基板、2a,3a PENフィルム、2b,3b ITO膜、4,5 マ
スキングテープ、6 希釈分散液、6a 領域、6b 水滴、7 塗布面、10 金属ナノ粒子集積構造体、11 ビーズ、12 金属ナノ粒子
、12A クラスター、20 熱電変換部、21,21a,21b 高温部、22,23,22a~22c 低温部、24,24a,24b P型熱電半導体、
24h 正孔、25,25a,25b N型熱電半導体、25e 電子、27 ヒートシンク、31a,31b,34a~34c 電極、32a,32b,33a~
33c,35a~35c 導電性ペースト、40 光源、41 光、50 負荷、61 酸化チタン、62 増感色素、63 電解質溶液、100~103
光熱発電装置

ここで、ビーズ11の平均粒径は、0.1~10μm。たとえば樹脂粒子で、アクリル、ポリオレフィン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどで形状は球形・非球形にとらわれず、金属ナノ粒子12を高密度に集積化す
ることが可能であればよい。また、金属ナノ粒子12は、紫外~近赤外域の光により、局在表面プラズモン共鳴を起
こしうる金属ナノ粒子で、金ナノ粒子あるいは銀ナノ粒子を採用、その平均粒径は5~50nmである。





産業上の利用方法には、太陽光を光熱発電できる、携帯情報端末(携帯電話、タブレットなど)のコンセントフリー
電源、車載機器(カーナビゲーションシステムなどの補機やバッテリー)の補助電源、人工衛星用の太陽光発電装置、
住宅の屋根、窓などに設置可能な太陽光発電装置に利用できる。また、熱源あるいは温度制御装置として利用するこ
とができ、
熱源利用には、たとえば患部に貼り付けて局所加熱するなどの温熱療法などの医療用途に用いることもで
きる。この他、化学反応効率を高めることにも利用できる。さらに、熱凝固性物質の凝固や熱溶解性材料の溶解に用
いることができる。たとえば光誘起発熱効果利用した熱変性タンパク質のマイクロ制御、検出などバイオ・医療技術
として利用できる。凝固した熱凝固性物質をレーザ光で切断し微細加工に利用できるという。


さて、下図は、シャープから、太陽電池モジュールおよび太陽光発電装置太陽電池の新規提案されているもの。モジ
ュールは、外部から入射した光を蛍光体で吸収し、蛍光体から放射された蛍光を内部で伝播する導光体と、光入射面
と対向する面設置した太陽電池素子とで構成し、導光体は、太陽電池素子受光面の対向領域と周辺領域で構成し、導
光体の周辺領域の一部に蛍光体が備えることで、外光を利用して効率よく発電できる太陽電池モジュールである。



【符号の説明】

1…太陽電池モジュール、4…導光体、4a…光入射面、4c…光射出面、4F…周辺領域、4T…対向領域、5…
導光体、5a…光入射面、5c…光射出面、5F…周辺領域、5T…対向領域、6…太陽電池素子、6a…受光面、
7…反射層、8,8a,8b,8c…光機能材料(蛍光体)、9…反射層、10,11,12…太陽電池モジュール、
13…導光体、13a…光入射面、13c…光射出面、13F…周辺領域、13T…対向領域、14,15,16,
17…太陽電池モジュール、18…光機能材料を含まない層、19…光機能材料を含む層、20…導光体、20a…
光入射面、20c…光射出面、20F…周辺領域、20T…対向領域、21…太陽電池モジュール、22…光機能材
料を含まない層、23…光機能材料を含む層、24…光機能材料を含まない層、25…導光体、25a…光入射面、
25c…光射出面、25F…周辺領域、25T…対向領域、26…太陽電池モジュール、27…光機能材料を含む層、
28…光機能材料を含まない層、29…導光体、29a…光入射面、29c…光射出面、29F…周辺領域、29T
…対向領域、30…太陽電池モジュール、31…光機能材料を含む層、32…光機能材料を含まない層、33…導光
体、33a…光入射面、33c…光射出面、33F…周辺領域、33T…対向領域、34…太陽電池モジュール、
35…光機能材料を含む層、36…導光体、36a…光入射面、36F…周辺領域、37…太陽電池モジュール、
38…導光体、38a…光入射面、38c…光射出面、38F…周辺領域、38T…対向領域、39…太陽電池モジ
ュール、40…導光体、40a…光入射面、40c…光射出面、40F…周辺領域、40T…対向領域、L…外光、
L1…蛍光


ところで、光体4は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラスなどの透明性の高い有機材料または無機材料の
基材(透明基板)の内部に、光機能材料8を分散させたものである。また、光機能材料8としては、例えば、紫外光
または可視光を吸収して可視光又は赤外光を放射する蛍光体が含まれている。なお、可視光は380nm以上750
nm以下の波長領域の光で、紫外光は380nm未満の波長領域の、赤外光は750nmよりも大きい波長領域の光
であり、光機能材料は、BASF社製のLumogen Red 305(商品名)が用いられている。Lumogen Red 305(商品名)は、
578nmに発光スペクトルのピーク波長をもつ蛍光体で。光機能材料は1種類の蛍光体でなく、幅広い波長の光を
吸収する複数種類の蛍光体を備えてもよい。

エッジグロー効果

ここでは、複数利用例として、第1蛍光体8a:BASF社製Lumogen F Violet 570(商品名) 0.02%、第2蛍光
8b:BASF社製Lumogen F Yellow 083(商品名) 0.02%、第3蛍光体8c:BASF社製Lumogen F Red 305(商

名) 0.02%が実施例12で使用されている。


上図はモジュール34に用いられる導光体36の断面図。導光体36は、光機能材料を含む第1の層35と、光機能
材料を含まない第2の層18とを積層して形成されている。本実施形態の場合、第1の層35には、光機能材料とし
て、互いに吸収波長域の異なる複数種類の蛍光体が分散されている。第1蛍光体8aは、紫外光を吸収して青色の蛍
光を放射し、第2蛍光体8bは、青色光を吸収して緑色の蛍光を放射し、第3蛍光体8cは、緑色光を吸収して赤色
の蛍光を放射する。第1の層35と第2の層18は、粘着剤によって剥離可能に接着されている。第1の層35は、
破損、劣化、又は異物(砂埃や鳥の糞など)の付着などが生じた場合に、第2の層18から剥離して交換される。第
1の層35と第2の層18は外光入射側からこの順に配置されている。第1の層35の第2の層18と反対側の面は
導光体36の第1主面36aであり、第2の層18の第1の層35とは反対側の主面は導光体36の第2主面である。
太陽電池素子は、導光体36の第2主面36bに設置されている。導光体36の第1主面36aは、外部から光Lが
入射する光入射面であり、導光体36の第2主面36bのうち太陽電池素子6が設置されている部分は、太陽電池素
子6に光L1を射出する光射出面である。第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cの混合比率は、例え
ば以下の通りである。なお、第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cの混合比率は基材に対する体積比
率で示している。それが、前述した蛍光体三種の数値である。
 


図17ないし図20は、第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cの発光特性及び吸収特性を示す図である。
図17において、「第1蛍光体」は、第1蛍光体8aによって紫外光が吸収された後の太陽光のスペクトルを示し、「
第2蛍光体」は、第2蛍光体8bによって青色光が吸収された後の太陽光のスペクトルを示し、「第3蛍光体」は、
第3蛍光体8cによって緑色光が吸収された後の太陽光のスペクトルを示す。図18において、「第1蛍光体+第2蛍
光体+第3蛍光体」は、第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cによって紫外光、青色光及び緑色光が
吸収された後の太陽光のスペクトルを示す。図19において、「第1蛍光体」は、第1蛍光体8aの発光スペクトルで
あり、「第2蛍光体」は、第2蛍光体8bの発光スペクトルであり、「第3蛍光体」は、第3蛍光体8cの発光スペ
クトルである。図20において、「第1蛍光体+第2蛍光体+第3蛍光体」は、第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び
第3蛍光体8cを含む導光体の第1端面から射出される光のスペクトルである。図17及び図18に示すように、第1蛍
光体8aは、概ね420nm以下の波長の光を吸収し、第2蛍光体8bは、概ね420nm以上520nm以下の波長の光を
吸収し、第3蛍光体8cは、概ね520nm以上620nm以下の波長の光を吸収する。第1蛍光体8a、第2蛍光体8b
及び第3蛍光体8cによって、導光体に入射した太陽光のうち620nm以下の波長の光が概ね全て吸収される。太陽
光のスペクトルにおいて波長が620nm以下の光の割合は37%程度である。よって、導光体の光入射面に入射した光
のうち37%は導光体に含まれる第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cに吸収される。図19に示すよ
うに、第1蛍光体8aの発光スペクトルは、430nmにピーク波長を有し、第2蛍光体8bの発光スペクトルは、520
nmにピーク波長を有し、第3蛍光体8cの発光スペクトルは、630nmにピーク波長を有する。しかしながら、図
20に示すように、第1蛍光体8a、第2蛍光体8b及び第3蛍光体8cを含む導光体の第1端面から射出される光の
スペクトルは、第3蛍光体8cの発光スペクトルのピーク波長(630nm)に対応する波長にのみピーク波長を有し、
第1蛍光体8aの発光スペクトルのピーク波長(430nm)及び第2蛍光体8bの発光スペクトルのピーク波長(520
nm)に対応する波長にはピーク波長を有しない。

 
第1蛍光体8aに対応する発光スペクトルのピーク及び第2蛍光体8bに対応する発光スペクトルのピークが消失し
た原因は、フォトルミネッセンス(Photoluminescence ;PL)による蛍光体間のエネルギー移動や、フェルスター機構
(蛍光共鳴エネルギー移動)による蛍光体間のエネルギー移動などが
挙げられる。フォトルミネッセンスによるエネルギー
移動は、一の蛍光体から放射された蛍光が他の蛍光体の励起エネルギーとして利用されることにより生じるものであ
る。フェルスター機構は、このような光の発光及び吸収のプロセスを経ずに、近接した2つの蛍光体の間で励起エネ
ルギーが電子の共鳴により直接移動するものである。フェルスター機構による蛍光体間のエネルギー移動は、光の発
光及び吸収のプロセスを介さずに行われるため、最適条件ではエネルギーのロスが小さい。よって、太陽電池モジュ
ールの発電効率の向上に寄与する。本実施形態では、エネルギーロスを抑制して効率よく発電を行うために、第1蛍
光体8a、第2蛍光体8bおよび第3蛍光体8cの密度を高くし、蛍光体間でフェルスター機構によるエネルギー移
動が行われるようにしている。ここで、図21及び図22を用いてフェルスター機構について説明する。図21(a)は、
フォトルミネッセンスによるエネルギー移動を示す図であり、図21(b)は、フェルスター機構によるエネルギー移
動を示す図である。図22(a)は、フェルスター機構によるエネルギー移動の発生機構を説明するための図であり、
図22(b)は、フェルスター機構によるエネルギー移動を示す図である。

図21(b)に示すように、有機分子や無機ナノ粒子の蛍光体では、励起状態にある分子Aから基底状態の分子Bに対
してフェルスター機構によってエネルギー移動が生じることがある。蛍光体では、分子Aが励起されたときに、分子
Bにエネルギー移動を起こすと、分子Bが発光する。このエネルギー移動は、分子間の距離と分子Aの発光スペクト
ルと分子Bの吸収スペクトルに依存する。分子Aをホスト分子、分子Bをゲスト分子とするとき、エネルギー移動す
るときの速度定数kH→G(移動確率)は式(1)のようになる。



なお、式(1)において、νは振動数、f′H(ν)はホスト分子Aの発光スペクトル、ε(ν)はゲスト分子Bの
吸収スペクトル、Nはアボガドロ定数、nは屈折率、τ0はホスト分子Aの蛍光寿命、Rは分子間距離、K2は遷移
双極子モーメント(ランダム時2/3)である。 速度定数が大きいと、蛍光体間でエネルギー移動が生じやすくなる。
大きな速度定数を得るためには、以下の条件が満たされることが望ましい。

[1]ホスト分子Aの発光スペクトルとゲスト分子の吸収スペクトルの重なりが大きい。
[2]ゲスト分子Bの吸光係数が大きい。
[3]ホスト分子Aとゲスト分子Bとの間の距離が小さい。

このようなエネルギー移動現象は、有機の蛍光体に特有の現象で、一般的に無機の蛍光体では起こらないとされてい
るが、量子ドットなどのいくつかの無機ナノ粒子の蛍光体においてはフェルスター機構により、無機材料間、或いは、
無機材料と有機材料との間でエネルギー移動を生じるものが知られている。例えば、ZnO/MgZnO コア・シェル構
造の
2種類の異なったサイズの量子ドットの間でエネルギー移動が起こる。1:√2の寸法比を持つ量子ドットは共
鳴す
る励起子準位を持つため、例えば半径3nm(発光スペクトルのピーク波長:350nm)と半径4.5nm(発光ス
ペク
トルのピーク波長:357nm)の2種類の量子ドットの間では、小さい量子ドットから大きい量子ドットへエネ
ルギ
ー移動が起こる。またCdSe/ZnSコア・シェル構造の2種類の異なったサイズの量子ドットの間でもエネルギー
移動
が起こる。また、直径8nmないし9nmのMn2+ドープZnSe量子ドットは、450nmと580nmに発光ピー
クを
持ち、色素分子である1’,3’-dihydro-1’,3’,3’-trimethyl-6-nitrospiro[2H-1-benzopyran-2,2’-(2H)-indole] に紫外線を照射
して得られる開環型のSpiropyran分子(SPO open; Merocynanine form)の光吸収スペクトルとよく一
致し、量子ドット
から色素分子へのエネルギー移動が起こる。一般に、無機の蛍光体は、有機の蛍光体に比べて耐光
性が優れるため、
長期間使用する場合に有利である。 通常、2種類の蛍光体を混入した場合には、図21(a)のように、ま
ず蛍光体
Aがある効率で発光し、蛍光体Bに入射し、蛍光体Bで光の吸収及び発光のプロセスを経ることによって、蛍光体B
から光が放射される。このようなフォトルミネッセンスによるエネルギー移動は、蛍光体Aにおける光の発光プロセ
ス及び蛍光体Bにおける光の吸収プロセスでエネルギーのロスが生じ、エネルギー移動効率が小さい


一方、図21(b)に示したフェルスター機構によるエネルギー移動は、蛍光体間でダイレクトにエネルギーのみが移
動するの
で、エネルギー移動効率はほぼ百%にすることが可能であり、高効率にエネルギー移動を生じさせることが
できる。また、フェルスター機構によるエネルギー移動は、蛍光体のような発光材料だけでなく、外光によって励起
されるが、光を発生せずに失活する非発光体においても生じる。最終的な発電量は、ゲスト分子の蛍光量子収率によ
って決まり、ホスト分子の蛍光量子収率には依存しない。よって、ゲスト分子のみを蛍光量子収率の高い蛍光体で構
成し、ホスト分子を蛍光量子収率の低い蛍光体又は蛍光を発しない非発光体で構成しても、同じ発電量が得られる。
よって、フォトルミネッセンスによりエネルギー移動を行う場合のように、全ての蛍光体に対して高い蛍光量子収率
が求められる場合に比べて、ホスト分子の材料選択の幅が広がる。
図23は、太陽電池素子6の一例であるアモルファ
スシリコン太陽電池の分光感度曲線を第1蛍光体の発光スペクトル、第2蛍光体の発光スペクトルおよび第3蛍光体
の発光スペクトルとともに示す図である


導光体17の第1端面17cから射出される光L1のスペクトルは、第3蛍光体8cの発光スペクトルと概ね一致する。よって、太陽
電池素子6は、第3蛍光体8cの発光スペクトルのピーク波長(630nm)において高い感度を有するものであれば
よい。図23に示すように、アモルファスシリコン太陽電池は600nm付近の波長の光に対して最も高い分光感度を有
する。第1蛍光体、第2蛍光体および第3蛍光体の発光スペクトルのピーク波長におけるアモルファスシリコン太陽
電池の分光感度を比較すると、最も発光スペクトルのピーク波長の大きい第3蛍光体の発光スペクトルのピーク波長
におけるアモルファスシリコン太陽電池の分光感度は、導光体に備えられた他のいずれの蛍光体(第1蛍光体、第2
蛍光体)の発光スペクトルのピーク波長におけるアモルファスシリコン
太陽電池の分光感度よりも大きい。そのため、太
陽電池素子6としてアモルファスシリコン太陽電池を用いれば、高い効率で発電を行うことができる。

以上のように、本実施形態の太陽電池モジュール34では、光入射面36aに入射した外光Lの一部を複数の光機能材料
(第1蛍光体8a、第2蛍光体8b、第3蛍光体8c)によって吸収し、複数の光機能材料の間でフェルスター機構
によるエネルギー移動を生じさせ、最も発光スペクトルのピーク波長の大きい光機能材料(第3蛍光体8c)から放
射された光L1を光入射面36aよりも面積の小さい光射出面に集光させて太陽電池素子に入射させている。そのため、
太陽電池素子としては、限定された狭い波長範囲において非常に高い分光感度を有する太陽電池を用いることができ、
発電効率の高い太陽電池モジュールが提供される。

以上、量子ドットを巡る現象利用技術の高度化が進展していることを理解してもらえればこの作業は半ば成功したと
思える。このように、意外とこの革命の実現は早いという予感をもって今年を締め括れたと感じている。

 

   

今夜も、猪瀬都知事の辞任表明、王将フードサービスの大東隆行社長の射殺事件とか大きな出来ことがあった。京都
大宮の王将で安くて美味い餃子で腹一杯にしていたころを懐かしく思い出していた。

                                            
 感謝を込め合掌

 

 

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