極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

量子ドット太陽電池元年(3)

2013年12月28日 | デジタル革命渦論

 

 




【群量子効果商品開発時代】

 先日、カナダのサスカチュワン大学のキリー教授らのグループは、ナノ酸化亜鉛粒子薄膜
で、CH3NH3PbI3 ベースのペロブスカイト型太陽電池を作製しこれまでの最高変換効率で
ある15.7%を記録し公表された。いわゆる、
有機材料を用いる代表的な色素増感太陽電池
と有機薄膜
太陽電池は11%を超える太陽光エネルギー変換効率に到達しているが、前者は
電気化学方式のために電解液を
用いる必要があり、後者は有機化合物のみを集光と電荷
送に用いることが発電特性に制限を与えていた。これに対し、日本の酸化チタン多孔膜系
色素増感型太陽電池で宮坂力桐蔭横浜大学教授らは、
2009年に有機無機複合化合物(CH3
NH3PbX3 ,
X=Cl, Br, I)のペロブスカイト結晶が強い光吸収を持ち、半導体として光発電
特性を示すことを発見し(JACS,
2009 , 131 , 6050)、金属酸化物ナノ多孔質膜の表面にこ
の結晶生成の原料をスピンコートで感光
性ペロブスカイト結晶の薄膜を形成し、その上層
に有機の
正孔輸送化合物をスピンコートすることで固体薄膜太陽電池を製作(溶液塗布法
で成膜)した
有機無機ハイブリッド構造のセルで11%%に近い効率を記録している。


ところが、今年7月には、スイスの大学(Ecole Polytechnique Federale de Lausanne:EPFL
は、同大学の研究者Michael Gratzelの研究チームが変換効率15%の固体型色素増感型太陽
電池(DSSC)を開発したことを公表。従来のDSSCの変換効率は最高で13%台だった。
 
因みに、このDSSCは、色素増感材料としてペロブスカイト構造の無機と有機混合型材料
ガラス/FTO/TiO2/CH3NH3PbI3/HTM/Auの構成の固体型DSSCである。


上図の参考にすれば、変換効率向上のカーブは急上昇していることが伺えるそれだけで
はないことが相次いで国内で公表されているが、その1つが、 産業技術総合研究所の
関和彦らのグループは、新世代の太陽電池の一つとして注目されている有機太陽電池の
光電変換効率の理論限界を求めたと公表。従来、無機太陽電池の光電変換効率の理論限
界は知られていたが、無機太陽電池と有機太陽電池の、光を吸収した後に電気を生み出
す機構の違いを考慮に入れて、有機太陽電池の光電変換効率の理論的限界を算出し、電
荷分離に必要な余剰エネルギーが0.4 eVであるとして、理論的に計算された単接合の有
機太陽電池の光電変換効率の限界値21%は、現状の効率である10~12%より十分高く、
今後、材料の選択や改良、構造の最適化によって光電変換効率のさらなる向上が期待で
きるとしている。



さらに、つい最近、神戸大学 大学院理学研究科の小堀康博教授らは、有機薄膜太陽電
池にで
きる電荷(電子と正孔)の正確な位置と向きの観測に成功し、光から電流が効率
よく生まれる仕
組みを分子レベルで初めて明らかにしている。これらのことを考え合わ
せてみると、太陽電池の変換効率とその構造の関係の見直しが行われていることが了解
できる
。つまりは、ESR(電子スピン共鳴)装置などの高度な精密計測技術を背景として、
無機/有機あるいは、固体/液体といった概念を取っ払い、"量子サイズ効果領域
 ”※で
の研究開発を進めることで、より革新的な技術を手にすることが期待できる。

※ナノ微粒子の直径を原子のド・ブロイ波長(数nm~20nm)程度まで小さくすると、電
子がその領域に閉じこめられるため、電子の状態密度は離散化される。
さらに電子の運
動の自由度が極端に制限されるために、その運動エネルギーは
増加する。したがって、
粒子径が小さくなるにつれて、バンドギャップエネルギーが増加する。この現象を量子

サイズ効果と呼ぶ。この量子サイズ効果により、半導体ナノ結晶では光の吸収・発光波
長を粒子径により制御することができる。

さらに、東京大学はアナターゼ型の結晶構造を持つ酸窒化タンタル(TaON)の高品質
な単結晶薄膜を合成することに世界で初めて成功し、高い電子移動度を示す高性能な半
導体材料であることを発見したと公表。TaON(Ta:タンタル、O:酸素、N:窒素)は重
金属を含まない顔料や光触媒としての応用が研究され、アナターゼ型のTaONは、発光ダ
イオードや太陽電池などの光デバイスの透明電極や水素発生用の光触媒材料などに応用
できると期待されるという。また、アナターゼ型のTaONの単結晶薄膜を合成する技術は
の酸窒化物にも適用できるため、新たな電子デバイス材料の開発に貢献する手法とし
期待でき、合成した薄膜の電気的な特性を評価したところ、結晶中の酸素や窒素をわ
ずかに欠損させることで電子の濃度を調整することができ、優れた電気伝導性を示す半
導体であることを発見した。半導体材料における電気伝導性の指標である電子移動度は、
透明導電体として応用されているアナターゼ型のTiO2と同程度の高い値だったとのこと。
今夜のとこでは詳しい予想を記載することができないので残件扱いとしておきたい。

 




くるくる鍋が評判だといういうので、半信半疑で調べてみると、有限会社WATANABE
「くるくる鍋」は、独自の構造で鍋内部に渦巻きを発生させる調理器具だった。調理時
に面倒なかき混ぜ作業を自動化してくれるので、ゆでながらほかの作業をできる。吹き
こぼれしにくいことや、アク取りしやすいことも大きなメリットという。発明者で社長
の本業は愛媛県の開業医の歯科医。「くるくる鍋」は電源不要で、原理は簡単。渦は加
熱により温度差で起きる対流を利用。ただし、IHクッキングヒーター(誘電加熱)では
使用できない。なお、WATANABEの公式ウェブサイトでは「くるくる鍋」の利用シーン
を動画で確認可能(上写真クリック)。くるくる鍋の料理レシピを制作中という。形状

は石膏で型取り試行し改良という。いや感心してしまった。
 

 

昨夜から、積雪で例年より遅く朝から雪かき。降ったりやんだりするなか、親父と先輩
の墓参りを行い、夜は雪降る中ご近所の方三名で年末夜警。拍子木を打つ手が悴むこと
甚だし。帰宅後衛生テレビ放送で井上陽水の大ヒットアルバム『氷の世界』の製作の時
代背景を探り文化史的な意味を問うていた。そうそうたるメンバーが出演している。ア
ルバムにおさめられているその1曲1曲にまつわる記憶を思い出し回顧する。
 

コメント
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