極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

紫貝とベネルクス

2010年01月22日 | 政策論


なんだろう この気怠さは といいつつ またきみといる 極楽鳥


ベルギーの国旗

【ムール貝とベルギー】



冬になると牡蠣鍋が食べたくなるが、今晩は牡蠣が
メインでなく、イガイ属のムール貝、和名で紫貝を
取り上げたい。栄養価でいえば格段に牡蠣料理なの
だが、ややもすると、鮮度や加工加減で牡蠣の独特
の臭いが気
になるが、その点ムール貝はないという
先入観を持つ?ムール貝は、主にヨーロッパ各地の
料理で利用される。料理法としてはペスカトーレ、
パエリア、ブイヤベース、ワイン蒸しなどがあり、
特にフランス料理、イタリア料理、スペイン料理な
ど南ヨーロッパで多用される。ベルギーのムール貝
料理は有名で、タマネギやリーキとともに蒸し煮に
したムール・マリニエール (Moules Marinière)・「ム
ール貝のビール煮」という郷土料理がある。


 

表 ムール貝等の漁獲量の推移

本では、伝統的にイガイが利用されるほか、ムラ
サキイガイが、イガイと同様に利用されることもあ
るが小粒。ムール貝の漁獲量は 700トン以上 1,000トン、
ヨーロッパでは毎年、1999年以来生産の着実に減少
しているという。ムラサキイガイは、約300万年前
にヨーロッパの北大西洋沿岸から地中海沿岸に分布
しており、10万年前頃より北と南で殻形が異なって
きたと推定されている。



現在、ムラサキイガイはイガイ科イガイ属に分類さ
れ、イガイ属は寒帯域から温帯域まで南北両半球に
広く分布する付着生二枚貝である。
ムラサキイガイ
は、アサリやハマグリなどの海底に潜入して生活し
ている貝とは異なり、海底の表面や岩礁・海中構造
物に付着して生活している。
牡蠣は貝殻で固着して
いるが、ムラサキイガイは人間の髪に似た硬タンパ
ク質の糸(足糸と云う)で付着している。
足糸を自
身で切って、足で移動して別の場所に再付着するこ
ともできる。
牡蠣とムラサキイガイの付着競争では、
移動可能なムラサキイガイが優位で、牡蠣養殖場で
はムラサキイガイは最大の害敵となっている。




日本でのムール貝(紫貝)は着実に進んでいる。大
粒で栄養価が高く、美味しいムール貝の養殖に成功
すれば、消費先は極東アジアレベルで考えれば、現
行の2桁ほどにはすぐに達すると個人的には思って
いる(淡水のイガイは?それはないか)。



ベルギー人はムールの産地にこだわる。彼らが好き
なのはオランダ産。今から約300年前オランダで考案
された養殖方法のおかげで、味も鮮度も抜群なもの
が手に入る。ムール貝は世界中の海に生息し、暖か
くても極寒でも生き抜くという大した奴である。で
はなぜ養殖するのか? 答えは簡単。清潔で丸々太
って美味しいからと。



ところで、フリッツとは、フレンチフライのことで、
もともとはベルギーが発祥の地とされ、地元では主
食のように食べられている。ベルギーのひとり当た
りのじゃがいもの消費量は年間約92kgで、ヨーロッ
パではイギリス、オランダなどに続く量で甘みが強
く、ホクホクしていのがベルギー産。また、ベルギ
ービールの特徴は、なんといっても種類の豊富さに
ある。



ベルギーといえば、ビール、チョコレート、ワッフ
ル、小便小僧、ムール貝などの名が挙がるが、思え
ばどれも水が関係する。特にEUの本部が、ベルギ
ーに置かれたことから、俄然、国際機関や関係者、
そして観光客が集まり始めた。同国の首都ブリュッ
セルは特に賑わい、注目を集めている。そもそも、
「ビール」の語源はフラマン語(同国北部を占める
フランドル地方で使用されるオランダ語の方言)の
Bier から来ているという。ベルギーとビールは関係
が深い。



ベルギー王国は、西ヨーロッパに位置する連邦立君
主制国家。隣国のオランダ、ルクセンブルクと合わ
せてベネルクスと呼ばれる。欧州連合の原加盟国で
あり、その本部が首都ブリュッセルに置かれている。
19世紀にネーデルラント連合王国(オランダ)から
独立した国で、オランダ語が公用語の北部のフラン
デレン地域と、フランス語と一部ドイツ語が公用語
の南部のワロン地域とにほぼ二分される。建国以来、
単一国家であったが、オランダ語系住民とフランス
語系住民の対立(言語戦争)が続いたため、1993年
に連邦制に移行した。


ベネルクスの旗      成長戦略「双頭の狗鷲」


【ベネルクスと双頭の狗鷲】



ベルギーといえば、オランダ、ルクセンブルグの三
国で、ベネルクスだが、これらの国々は1人当たり
の国民総生産はトップクラスで、産業構造は「金融」
「資源」が柱だ。上位諸国の成長の柱は、主として
資源、金融、製造業、情報通信となっている。天然
資源に恵まれず、バブル以後に金融の国際競争力が
低下し、世界的な金融危機の影響も色濃く受ける日
本にとって、残された選択肢は製造業と情報通信と
いう状況にあるとされるモデル国だ
(『産業構造の
将来像-新しい時代を「つくる」戦略-
』日本経済
団体連合』)。

 Colin Granat Clark

1人当たりのGDP世界ランキング



表 1人当たりGDP(2007年)の上位国の産業の柱
図表1-1-2-1 一人当たりGDP(2007年)の上位国の産業の柱 

ここには、第4次産業(図画像形成-イメージング
産業、或いは知財産業と定義できる(『
サンシュユ
とデジタル革命
』))には触れられていないが、こ
れらの
新規産業も視野に入れ産業転換する道筋の先
導が、新政権に求められている
。ムール貝繋がりで
ここまできたが、もうひとつデンマークを考慮、成
長イメージについてまた改めて考えてみたい。


  
News a la carte

アクアマテリアルとは

 相田卓三

強い力で伸縮しても元に戻り、大半が水でできたゲ
ル状の新素材を、相田卓三東京大教授(超分子化学)
らが開発した。硬さはこんにゃくの500倍といい、
石油由来のプラスチックに代わる素材として医療や
環境分野での利用が期待できる。21日付の英科学誌
ネイチャーに発表。
新素材は「アクアマテリアル」と命
名したという。



水に、化粧品や歯磨き粉の吸着剤(モンモリロン石
滑石等)を入れ紙おむつの吸湿剤「ポリアクリル酸
ソーダ」を添加。その上で医療用の高分子有機物を
改良した物質「G3バインダー」を加えると、数秒
で透明なゲルを形成。成分は98%
が水、粘土2%弱、
新開発の化合物 0.2%以下で、シリコンゴム程度で、
粘土を増やすと硬くなる。水が蒸発する約百度まで
耐熱性があり、切断してもすぐはり合わせれば元通
りになるという。



※特許:P2009-120626A
 「生体分子修飾のためのポリイオンデンドリマー」

コメント
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