祖父母達が、衰えて他界した時でも、「老い」について、
あまり考えたことはなかったのですが、
老父から「生きているのが、ちょっと辛いねぇ」と、
呟かれる昨今、どうしても老いという事を考えてしまいます。
某国立研究所に勤務していた老父には、私が子供頃から、
先端技術の研究についての情報を教えて貰っていました.
例えば、電子レンジが市販されるずっと前の今から50年以上も前に、
マグネトロンによる水分子の揺れによる摩擦熱が
水温上昇になって食料品などが暖まる理屈や、
超伝導によって電圧のロスや電気抵抗が無くなること、
或いは、この技術を使った超電導磁石の話など、
SFのような話を沢山してくれました。
勿論、学校の勉強である数学や物理なども教わりました。
子供頃、小学生の私を良く遊びに連れて行ってくれた場所は、
コンピューターやビジネスマシーンが並ぶ東京ビジネスショーでした。
そして、ほんの10年前までは、WIndowsのOSの設定やら、
或いは、PC故障の時には、老父をとても頼りにしていました。
ところが、ここ最近衰えが急速に進行してしまったようです。
高齢だから、仕方が無い事は老父も私も、
お互いよく分かってはいるのですが・・・。
30年後40年後、私自身が生きているのかどうかも分かりませんが、
超高齢化社会となることが確定している将来は、
何とか少しでも人の世話にならないで生きてゆけるよう、
本気で真剣に考える必要があるのかもしれません。
それは、人はいずれは必ず老いる運命にあるからです。