行政書士会千代田支部の新年会に行って参りました。なかなか支部の活動に協力させて頂く余裕がないので、せめてこの新年会と年次総会には参加させて頂いております。
今年は、区長選、都議会選、衆議院選と選挙が続くようなので、政治家の先生方も何人かお見えでした。また、東京会の副会長、中央、新宿、渋谷等支部長さんや中央区の社労士会さんからも、いつものようにお越し頂きました。
昨年来の金融危機は、我々のクライアントである中小企業にも甚大なる影響を及ぼしています。その中小企業からの依頼がここのところ極端に減っていると、お互いに嘆くことしきりでした。しかし、基本的には皆さん自営業ですから、雇用不安に怯えるということだけは無いので、まあこんなご時世ですから有り難い事だと思い直しました。
ところで、千代田支部の支部長は、私と同期登録の方です。また、神田界隈で会社経営もされている本物の千代田区育ちのちゃきちゃきの地元神田っ子だそうです。ですので、支部長としてはまさに適任者です。少なくとも、もう一期は頑張って頂けると私たち会員としては大変嬉しいと思う次第です。
一方、その前の支部長さんは、大手町の大手特許系弁護士事務所に行政書士として勤務されていたベテランの方で、この方も丸の内や大手町といった世界的なビジネス街を代表する意味では、まさに千代田支部長としては適任の方でした。ちなみに、昨年末にこのファームを退職されて、地元の神奈川県茅ヶ崎にて、高齢者・障害者の権利擁護活動を行うとのお便りを頂きました。是非頑張って頂きたいと思います。
昨今は、千代田支部では、30才代の若い会員も相当数増えて来ており、支部役員として積極的に協力して頂いている事は頼もしい限りです。しかし、40代の会員層が少ないのが、やはり多少気になるところです。
そんな若い支部役員さん達が催してくれた余興のゲームで商品(加湿器)が当たりました。
今回起こった世界的な経済危機の原因は、米英系の投資銀行と呼ばれた金融機関が世界中にばらまいたサブプライムローンなどのクズ債権を組み込んだジャンクボンド(クズ債)が原因だといわれています。
サブプライムローンとは、組んだ住宅ローンの担保となっている住宅の担保価値が上がったから、更なる資金をお貸ししましょうと、新たなるお金を貸し付けた部分のローンをいいます。つまり、住宅価値が上昇し続けて、その住宅が第三者に高値で転売できるのであれば成り立つシステムでした。これは、1988年日本で起こったバブル経済と全く同じ論理だったのでした。
当時日本では、銀行すべてが狂ったように融資競争に明け暮れていました。不動産は値が下がることは無く、株価もまだまだ上がるであろうから根抵当権限度額(担保不動産の抵当権価値)をもっと引き上げますので、どんどん借りて下さい。株式投資はどうですか?マンション投資もOKですよ!なんだったら無担保で1億までなら短期でお貸ししますよ!なんて調子で、毎日のようにさまざまな銀行の融資課長兼支店長代理が会社に来ていました。
このようなどこか狂った実体性の薄い経済活動に大きな疑問を感じていた私は、財務担当の兼任責任者として限度額の拡大どころか、逆に下げて欲しいと融資課長に言ったのでした。確かに、クレジットカードの利用限度額を少なくして欲しいというようなものですから、
「もったいない!銀行に勤めて何十年になりますが、そんな依頼を受けたことが無い!正気で仰っているのですか!オーナーはご存じなのですか?」と融資課長
「ええ、オーナーには既に了解は貰ってあります。借金は借金ですから返さなければならない訳ですし、やはりオーナーの大事な資産ですから・・・。それに、私の居たM国では、原油価格がどんどん上昇するという間違った判断から国が破綻してしまいましたからね。」と私
「そんな!!!ここは日本ですよ!土地の値段は下がった事なんて一度も無いのですよ。今、有効に投資して行かなければ勿体ないでしょう!」と再び融資課長
「いや、核家族に子供が一人しかいない現状で、数十年経てば両親の家2軒に対して子供達夫婦1組ですから、不動産は必ず余ります。ですから、どう考えてもこのまま行くとは思えませんから限度額を下げて下さい!」と、とうとう限度額を下げさせてしまいました。その時の融資課長の憮然とした態度がとても印象的でしたが・・・。
日頃冷たい金融機関に、「あなた住む住宅の価値が上がりましたから、XX万ドルまでならばいつでもご融資致します。きっと、ご自宅の価値は更に上がることでしょうから、ご自宅を転売されたなら、このご融資額も含めた以上の価格で売れることは間違いなしです!新車や家具、或いは、ドレスなどお客様が欲しかったお買い物などにどうぞお使い下さい!」こんな調子で、アメリカのサブプライムローンという貸出を増やしていったのだと聞いています。
問題は、こういった人々への融資が限界となり、不動産価格上昇に陰りが見えたと同時に、こんどは何百万人にものぼる英語も碌に話せないような中南米系移民にまで融資対象を広げて、問題の先送りを始めたことでした。
そして、更なる元凶ともいえる、このような非常にリスクの高い債権を複雑に組み込んだジャンクボンド(クズ債)が、金融工学の名の下で世界各国に売りさばかれていったのでした。日本でも銀行などの金融機関や証券会社、生損保、年金等の運用機関などの機関投資家のみならず、企業や、はたまた大学といった余剰資金を有する組織までもが標的になりました。
「現状の低金利の中で、金利や配当を生まない多くの剰余資金を多く抱えた組織は財務的には大問題です。株式は乱高下するリスクはありますが、こういった金融工学に基づいたファンドを資産として保有されない事は、株主や出資者へ対する背任行為ですよ!」などと、XXマン・XXザースなどの投資銀行のセールスマンが言ったとか・・・。
1929年に起こった恐慌も金融機関にそそのかされた企業経営者が本業そっちのけで、株式相場や不動産投資にのめり込み、本業である物作りを忘れてしまった結末だったといわれているのです。
本来、企業の資金調達手段であった株式が投機の対象となっている現状と、それを助長するような優遇税制ばかりが景気対策として提案され、そればかりが目に付くのは本末転倒も良いところです。個人のデイ・トレーダーを含めて、短期株式売買の繰り返しという、いわゆる非生産的な投機行為に優遇税制を与えることは、いずれは再び金融破綻を繰り返す原因を助長するだけのような気がします。
金融機関は、飽くまでも製造業などの産業のサービス部門でなければいけない筈です。XXマン・XXザースのような会社では、何億・何十億といった高給取りのトレーダーや役員のような人々が我が世の春とばかりに街を跋扈し、毎日六本木界隈辺りで高級シャンパンを空けられるような社会になってはいけないと私は思うのです。最近は音沙汰のないXXファンドの△上さんやら○○衛門さんなども似たような種類の人達です。また、今では消滅してしまった長銀・興銀・日債銀などに居たエリート行員達などもしかりです。もし、それが国家の政策として導入出来ないような政府であれば、今後その国の経済は必ず衰退し、再び破綻して行く運命にあると私は本気で思っています。
ここ数年、中国の方々を招聘する依頼が多いのですが、概ね日本企業の方々が窓口であるか、或いは、日本語が大変お上手な中国人の方が窓口担当なので、言葉で困ることはまずありません。
今回提出する案件で、事務所にいらしているエンジニアの方も日本語が達者な方でした。書類にご署名を頂いた後、雑談をしていて、過去に南米系の日系人と結婚した中国の方が、日本語があまり上手くないので、筆談で色々とヒアリングをした事を話したのでした。
その時、丁度に居合わせた隣のオジサンが、
「中国語では、手紙って漢字には注意ですよ!意味が全く違いますから。結構、有名な話ですけどねぇ!」
と割って入って来たのでした。
「手紙?って、何の意味なんだろう???」
「実はねぇ、トイレットぺーパーの意味なんですよ!ねぇ、XXさん!」
「えっ!!! 本当なの!!!」と、私。
そこで、その中国人エンジニアの方は、
「ええ、その通りなんですよ! 手紙と書くとトイレットペーパーの意味になります。本当の手紙は、書信と書きます。」と、いかにも優秀なエンジニアらしく、真面目な顔をして、そしてちょっと、にこりと笑って答えてくれたのでした。
実は、確か入管局へ出す書類として、手紙と筆談で書いたような気がしたのでした。記憶は確かではありませんでしたが、そういえば、おやっ??って顔をされたかもしれません。
但し、そんな時には、私は類似の漢字である、愛情書簡とか、或いは、恋愛事情解説書とか、あの手この手の漢字を使いまくって、筆談しましたから多分大丈夫だったと思うのですが・・・。
でも、考えたら、いきなり「入管へ、昔のトイレットペーパーを出して下さい!」なんて書かれたら、誰だって驚きますよねぇ。
同じ漢字文化だからといっても、油断は大敵なようです。漢字による筆談には、ちょっと注意が必要なのかもしれませんね。
「風が吹くと桶屋が儲かる」という諺がありますが、どうも”景気が悪くなるとユニクロが儲かる”ようです。勿論、その陰には血の滲むような企業努力や絶え間ないマーケティング戦略があるのでしょうが・・・。
景気が悪くなると収入が減る。収入が減ると電気代やガス代が気になる。暖房費を節約すると寒くなるので厚着をする。高い部屋着やカジュアルウェアは買えないので高品質で安価なユニクロ買う。フォーマルや仕事着ではカシミア入りのスーツやコートは買えないので、ユニクロでヒートテック肌着を買って寒さを凌ぐ。
どうも現状を見る限り、このような構図に見えます。
そういえば、私の住む最寄り駅では、2年ほど前に売上げ不振で一旦ユニクロが閉店したのですが、最近再度開店して連日沢山のお客で賑わっています。
やはり、ユニクロの業績と景気とは反比例しているのでしょうか???
今どき、景気が悪いという企業さんが圧倒的な多数ですから、こういった有名企業の存在はたとえ少数派だとしても、失業率を悪化させるデフレスパイラルを少しでも緩和させる効果が期待できますので頼もしい限りです。