寓居人の独言

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国政選挙-1票の格差について考える(20130325)

2013年03月25日 21時31分40秒 | 日記・エッセイ・コラム

 都市部に人口が集中するようになって既に久しい。人口の都市集中が起こったのは、朝鮮動乱が勃発して産業が盛んになったのが契機になったといわれている。社会的背景はともかく都市部に仕事があるから人々が集まってくるのは当然のことである。その人たちが結婚し、子供が生まれる。その子供たちも都市部で成長して生活の基盤をそこに置く。それはそこに仕事があるからで当たり前のことといえるだろう。
 そこで選挙のたびに問題になるのは、票の格差である。本日(20130325)のニュースによると、広島高等裁判所で、「現状の議席配分は人口分布に比例していないために、31都道府県で議員の過不足があり、選挙権の価値に不平等を生じさせた」と選挙無効を求めていた事に対して違憲状態であると判断された。
 この判断が確定すれば、昨年末に実施された衆議院議員選挙は無効となり、再選挙が行われることになるという。
 この問題はずいぶん前から議論されてきたが国会議員は地域の代表ということでなかなか決着がつかないまま今日に至っている。結論の出ない一つの原因は、地域の発達と議員の次期選出という相互恩恵に預かるという事につきるのかも知れない。

 そこで、1票の格差を是正するためにはどんな方法があるかを考えてみると、単純に考えれば次のようなことが考えられる。
1.都道府県の線引きを変更する。
2.人口の分散を行う。
3.仕事を都市部から地方へ分散する。

4.議員の選出数を単純に一定の許容範囲を持った人口割りに変更する。

5.全て全国区にする。

6.選挙人数から議員数を割り出し、全て比例制にする。
    等々。

 いずれの問題も今すぐそれを実施することはいろんな問題があり困難だという意見が強いだろう。しかし、上記のようなことはすぐ考えなければ何も解決しない。現在国会議員の考えている議員数を増減するということは表面上の数あわせであって、根本的な解決には至らないであろうと思う。比較的簡単なことは、4の議員の選出数を単純に人口割りにすることであろう。しかし、議員と選挙民との関係である。議員も国の仕事を中心に考えるといいながら、地元との濃密な関係は断ち切れないのが現状であろう。その原因は、次も議員として国政の場に立ちたいということであろう。そのためには地元の選挙民に何らかのサービスをしなければならない。
 都市部の議員はその様なことを考える余裕はないのではないだろうか。それは知らないだけなのかも知れないが。

 5.の全国1区にするのは、前に参議院議員の選挙時に一部議員は全国区選出という選挙を行っていた。大変な費用と労力が必要であるということで改正された。

 6.の方法が最も良いと思うのだが、検討の余地はないであろうか。
 何はともあれ、司法の判断が確定して再選挙などという事態にならないうちに議員の方々は何かの決断をしなければならないだろう。