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ブラジル国籍の男児「存在」気づかれず暴行死、知人に懲役7年判決

2022-04-16 16:28:14 | ニュース
ブラジル国籍の男児「存在」気づかれず 暴行死、知人に懲役7年判決
2022/04/16 15:13

(毎日新聞)
 同居する男児(当時5歳)を暴行して死亡させたなどとして、傷害致死罪などに問われたメキシコ国籍のワタナベ・ゲバラ・アレハンドロ被告(44)の裁判員裁判で津地裁(柴田誠裁判長)は15日、懲役7年(求刑・懲役10年)を言い渡した。【寺原多恵子】

 柴田裁判長は判決理由で「被害者が反抗したことに腹を立てて暴力をふるっており、その動機は身勝手」と非難した。ただ一方で「行政などに支援を求めるなど被告なりに手を尽くしたものの支援を断られて八方塞がりになる中で、精神的に追い込まれた末に起こしてしまった」と述べた。

 争点となっていたワタナベ被告の暴行と男児の死因の因果関係については「(被告が男児の顔を)平手打ちした際に被害者の後頭部が床に打ち付けられた可能性が高い。それ以外の要因で後頭部を強打した状況は証拠上うかがえない」とし、因果関係を認めた。

 判決文によると、2019年10月12日ごろ、三重県亀山市本町の自宅アパート(当時)でブラジル国籍のチアゴ・ファン・パブロ・ハシモトちゃん(当時5歳)の顔を複数回平手でたたいてその後頭部を床に打ち付けるなどの暴行を加え、同28日に外傷性脳障害により死亡させたほか、同年8月ごろ自宅アパートでチアゴちゃんの兄(11)の頭を手で1回たたき、頭を壁に打ちつけた。

 ◇在留期限切れ「存在」気づかれず
 2019年10月、亀山市でブラジル国籍の男児(当時5歳)が暴行を受けて死亡し、兄(11)も暴行を受けた事件。男児らは在留期限が切れていたため住民登録がなくなり、行政も2人の存在に気がつかないまま事件が起きてしまった。なぜ幼い命は誰にも知られることなく、一生を閉じることになったのか。

 チアゴ・ファン・パブロ・ハシモトちゃんは、岐阜県でメキシコ国籍の父とブラジル国籍の母の間に生まれ、埼玉県、愛知県など各地を転々と暮らしていた。しかし、父は名古屋出入国在留管理局に収容され、母は海外に出国。一時は異兄弟がチアゴちゃんと兄の面倒を見ていたが、19年1月に父親の知人のワタナベ被告宅に預けられた。

 ワタナベ被告は公判で、お金がなく経済的に困窮しており、「兄弟は排せつがうまくできなかったり、意思疎通ができなかったりするなど、手のかかる子どもだった。2人を預かってから苦しい日々が続き、ストレスもたまっていった」と時折声を震わせながら、虐待を加えていたことを明かした。

 ◇児相把握できず
 愛知県から亀山市に転居後も住民登録はされず、2人の兄弟は学校や幼稚園にも通っていなかっため、亀山市や児童相談所も2人の存在を把握できなかったという。

 同市によると19年2月、ワタナベ被告は「子どもを預かった。通学させることができるか」と市に相談に訪れた。後日、市教育委員会が「預かった子どもの保護者の申し入れが必要」と連絡したが、子どもの身元には話しが及ばないまま、その後連絡が途絶えたという。

 ワタナベ被告は公判で「ビザもなく、実子でもないので学校に通わせることができないと言われた」と話した。ブラジルやメキシコ大使館にも兄弟の保護を掛け合ったが対応してもらえなかったと述べ、一家は次第に孤立していった。

 同年8月ごろには、近所の住民から亀山市に「子供がよくベランダに出ているので気にかけてほしい」と連絡があったため、市職員2人が家庭訪問を実施。市は兄弟の存在を確認したが、服の汚れなど違和感がなかったことから身元の確認まで行わなかったという。市は意識不明となったチアゴちゃんが病院に運び込まれた同年10月、2人が家庭訪問で見つけた子どもだったことを知ったとしている。

 ◇社会で見守りを
 県は事件を受けて、鈴鹿児童相談所と北勢児童相談所にボルトガル語やスペイン語の通訳ができる支援員を派遣し、外国人家庭の訪問などを行う事業を始めた。

 県とともに事業を行う、NPO法人「愛伝舎」理事長・坂本久海子さんは「ワタナベ被告の一家が社会から取り残された結果、チアゴちゃんは支援の目からこぼれてしまった」と指摘した。そのうえで「子育てで孤立する外国人は今後も増えていく。児童相談所だけでなく、基礎自治体や企業など外国人に関わる人がアンテナを高く張って、つながりを作ることが求められる」と話した。

 県は今回の判決を踏まえて今後、事件に至った経緯を調査する検証委員会設置の是非を検討したいとしている。【朝比奈由佳】



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