「笑天」は、てんぷくトリオの三波伸介が司会だった頃は毎週のように、見た。
円楽に変わったころからは、生活が変わったこともあって、疎遠になった。
三波伸介の、司会と歌丸と、小円遊のやり取りは、面白かった。
漫才とか、コントは、好きになれなかった。東京の落語は、楽しめたが、寄席に通うゆとりは
なかったので、「笑点」での落語は楽しみだった。
大切りをみていると落語家の話し方や、お題に対しての反応の速さ、回答の柔軟さなど
に触れ、稽古のドラマをみたことで、ただ、話ができると言うだけでないことが分かった。
落語家の、マンガ本が何冊か出ていて、夢中になって見たこともある。
夏の暑い盛りに、冬の話を演じ、客が団扇を仰ぐ手を止め、ぶるっと震えたというくだりでは、
マンガだったけれど、感動した覚えがある。
汚いものをアレンジして、きれいな話にまとめた若手を、「うまく仕上げた」とほめている、先輩の
話を読んで、落語って、色々脚色したりするんだと思ったし、一字一句を大事に演じる落語家が
間違ったときに、高座を降りたという話では、芸の世界の厳しさを感じたものだった。
久しぶりに落語の話に触れ、以前の感動したことなどを思い出し、そして新ためて、落語界の
凄さを感じた。
落語のCDとかは、発売されているが、生を気楽に聞けたらいいのにと、思う。
戦後落語史
吉川潮
新潮社