福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

屋久杉テーブルのリメイク

2013-03-25 23:34:09 | テーブル ・ 机

屋久杉といえば、言わずと知れた銘木です。

そんな銘木で作られた一枚板のテーブルともなれば数十万円は当たり前で、

ちょっと高いものは100万円以上するものも珍しくありません。


そんな超高級家具であります、屋久杉テーブルは、

実は、ここ屋久島でのご家庭、特に、おじいちゃん、おばあちゃん世代にとっては、

日常的なテーブルでありまして、古いお宅には一つや二つあるといっても過言ではありません。


今でこそ、大径木から切り出した、一枚板の屋久杉テーブルは大変貴重で高価なものですが、

昔のように、上等な屋久杉がたくさん山から出されていた頃は、

地元屋久島の人たちにとって、屋久杉テーブルは、ひとつの実用家具に近い存在だったかもしれません。

そのため、ちょっと古い大きな邸宅に伺いますと、座敷にはお決まりのように、

一枚板の屋久杉テーブルが、ど~んとある訳なんです。


今回、リメイクのご依頼頂きました屋久杉テーブルは、30年ほど前に新築した際に、

大工さんが作ってくれたとのこと ↓





幅 1500mm、奥行き900mmの屋久杉一枚板の座卓です。



ご年配の夫婦で、脚や膝の痛みから、今ではテーブルでの生活になっており、

この座卓は使われること無く、家の片隅に置かれたままでした。

また、大きくて重たいのも、掃除の時に不便とのこと。


そしてこの度、この座卓を、一回り小さくして、来客用のテーブルとして作り直したいとのご要望でした。



最初に取り掛かったのが、脚の取り外し ↓





なんと、脚周りすべてが、天板裏に10mmほど掘り込んで収めてありました。

ボンドが効いておりましたので、取り外すのにちょっと手間取りました。


作り直すテーブル寸法は1300mm×600mm。


せっかくの一枚板を小さく切断するのは躊躇するものですが、

この座卓の天板のおよそ1/3には、大きな節のような木目がついており、

その節の芯も割れかけておりましたので、木目の良い部分を残して遠慮することなくカット。


次に電気カンナで荒削りして、表面の塗料を落としながら、

反りを修正していく。

このサイズですと自動カンナという機械に通して面を出すことが出来ませんので、

人力(手カンナ)で仕上ていきます。


屋久杉だけありまして、削るたびに、あの独特な匂いが立ち込めます。

年月も経って、良く乾いておりますので、カンナもサクサクとかかり、気持ちよいです。


出来るだけ、切った端材を再利用してリメイクしたかったのですが、

節部分は木目の切れが激しく、脚周りの構造材としては不向きでしたので、

一部、地杉を使いながら組み立てしました。



完成 ↓






ベンチとセットで使いますので、

出入りしやすいように、このような脚にしました ↓







天板裏は、座卓脚の掘り込み跡を埋め木しておきました ↓






見違えるように復活した屋久杉のテーブル。

お客様には大変喜ばれて、こちらも嬉しい限りです。


お宅に眠っている無垢の家具、リメイクいたしますよ!

但し、屋久島内限定です。



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プランター台

2013-03-18 18:28:15 | その他作品

プランター台を製作しました ↓





上下二段式で幅は2mあり、60cmの長方形のプランターを6台乗せることが出来ます。


↓ 屋外に設置しますので、水や湿気による下からの腐れ防止のため、ゴム足を取り付けました。






また、組み立て前のパーツの段階で塗装しましたので、

見えない接合部分からの腐れにも強くなっています。


納入先は幼稚園。

製作台数は4台で、この春にご卒園する園児の親御様からのご注文です。

こんな感じにきれいに並べて頂けました ↓






そして、こちらは記念植樹用のプレート ↓






実は、我が家の長女の卒園でもありまして、

製作にも一層気持ちが入りました。


良い記念となりました。

ありがとうございました。




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杉の試飲テーブル

2013-03-15 20:45:26 | テーブル ・ 机

杉の試飲テーブルです ↓






立って使いますので、高さは860mmあります。

直径は600mmと小ぶりとなっています。



天板の縁の形状をテーパーにしてみました ↓





きりっと、シャープな感じとなりますね。



このテーブルは、屋久島伝承蔵(本坊酒造株式会社)への店舗什器と共に、

試飲用のテーブルとして納入させて頂きました。




材料: 地杉

寸法: H860mm 直径600mm

塗装: オイルフィニッシュ(クリア)




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ひたすら

2013-03-14 21:52:54 | 日記
ここ2~3日、ひたすらペンキ塗り作業をしております。

作っているのは、幅2m、奥行き46cmの上下2段式プランター台です。


パーツの数は、1台につき27点あり、4台の製作ですので、その数108点!

角材から板材まで大きさも形も様々。


使う塗料は、ホームセンターで売っているよくあるペンキ。

一度には塗れませんので、まずは表面と片側面を塗る。

乾燥したら残り半分の裏面と片側面を塗って一度塗り終了。

一度だけでは不十分ですので、二度塗り。

ですので、一つのパーツにつき、4回の塗装があるわけで、

こんなこと無意味ですが、あえて計算してみると、108×4=432回!


黙々と、延々と、白く塗る、塗る、塗る・・・

最初はぎこちない手つきでしたが、塗りの作業を繰り返すうちに、

徐々に素早く、効率よく、程よく手抜きすることも覚えながら、

力みもなくなってきて、自ずと動きに無理・無駄が少なくなって、

気分良くなって、調子に乗ってきて、

我ながら、この塗りの手つきは素晴らしいと、自惚れてみたり、

更には、まるで、昔から塗装職人であったかのような錯覚すら覚えてしまい、

人間の身体機能といいましょうか、順応能力というのは素晴らしいのだなあと感心してしまうのでした。











今日、ようやく塗装作業を終え、乾燥した後、組み立て作業をする。

納入日は明日。

ギリギリ間に合いました。

ふう~。



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2013-03-10 22:15:03 | 日記

昨日、今日と、春を通り越して初夏のような陽気。

長袖では暑いです。

冬物から、春、夏物の服を急いで出しました。


今年の春は、黄砂、花粉の他に、PM2.5も加わって、

まあ、なんとも賑やかなものです。


家の周りの木々達は、勢いを増して、今、この瞬間を謳歌しています。



クスノキ ↓





今日、いっせいに古い葉を落としていました。

お陰で敷地は落ち葉だらけ。



木蓮 ↓





ビワに似た木 ↓






アオモジ ↓






実をつける落葉樹(名前判りません) ↓







風が吹き荒れ、天気雨が降り、生き物たちが目を覚まして活発になり、

ザワザワした季節になりました。





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螺旋

2013-03-09 19:51:55 | 日記
先日、他のブログで見つけた動画です。

英語ですので、詳しい内容はよくわかりませんが、

なんだか、琴線に触れたようで、ついつい見入ってしまいました。


その1 太陽系








その2 太陽系と銀河系







もし、人類の起源が宇宙由来であるならば、

私達のDNAは宇宙の歴史も共有していると言えます。


また、地球は人間の生みの親ともいえます。

人間の我欲のために地球を汚して傷つけることは、

自分達の命を汚し傷つけていることになります。


この極まった時代、

良心(DNA)を大事にして生きていけば間違いないと思います。


とどのつまり、日々の生活をコツコツと、

出来ることを一生懸命にということに繋がるのですね。

自戒を込めて・・・


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店舗什器

2013-03-03 22:42:14 | キャビネット

この度、ご縁を頂き、店舗什器の製作をしました。

いままで個人のお店への家具等の製作はありましたが、

今回のように本格的なのは初めてです。


納入先は、安房にあります屋久島伝承蔵(本坊酒造株式会社)さん。

そして、直接仕事のご依頼を頂いたのは、建築デザイナーである藤吉さん(ノマドハウスデザイン)。

原にありますノマドカフェといえばご存知の方も多いかと思います。


ノマドハウスデザインさんより設計図面を頂き、

それを元に福島木工家具店が施工した形となりました。


さすが建築デザイナーだけありまして、

図面の描き方から始まって、設計手法などなど、色々と勉強になりました。



入り口から入ったところ ↓






厚み10mmのLED照明が天板に埋め込んであります ↓






屋久島産センダンのカウンター ↓






お酒の販売だけでなく、試飲も出来ます










↑ 右奥には、本格焼酎黒麹「水ノ森」のラベルを描かれた、

画家の高田裕子さんのコーナーがあり、ポストカードも販売されていますよ。




〈 製作風景紹介 〉

 センダンカウンター製作

 キャビネット仮組み

 スライドレール取付け1

 スライドレール取付け2




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ベッドの柵

2013-03-02 18:48:00 | ベッド

ベッドの柵です ↓






何度かご注文頂いておりますお客様より、

お母様のベッドで使われている介護用の柵(兼手すり)が金属で出来ているので、

温かみのある木製で出来ないですかというご相談頂いての製作。


ベッドへの出入りを考えて、柵は二分割にして、

片方の高さを、手すりと同じくらいの高さに設定しました。


ベッドへの取り付けは、お手持ちの六角ボルトで脱着ができるボルト方式にしましたので、

取り付け向きを逆にすることも出来るようにしておきました。


また、写真にはありませんが、普段、使われている杖を立てかけて置く、

ホルダーを柵に取り付けましたので、今までのように杖を立てかけて置いて、

倒れてしまうことはなくなりました。


人様のお役立つような家具を作ることは嬉しい限りです。



とまあ、ここまでは良かったのですが、

取り付けるベッドは、それなりの強度が必要です。

今回、身をもって経験したのですが、

取り付けましたベッドは、よくある既製品の合板とMDFを組み合わせたような素材でして、

取り付ける側面は、下段に抽斗がついている関係から、このMDFの側板は非常に細く、

それを補強するかのように、裏には薄い鉄板が張り付いておりました。


このたび、この部分にナットを、計8箇所(一つの柵に4個)、取り付ける段取りとなっておりまして、

その下穴(直径9.5mm)をドリルであけ始めましたところ、

最初の1つ目は何の問題もなく掘れたのですが、

2つ目は数ミリ掘ったところで、ドリルが進まなくなり、おやっと思って穴を覗き込んだところ、

銀色に鈍く光る何かがあり、下に落ちている切り屑をよーく見てみると、金属片が多数まぎれており・・・

思わず、「なんじゃこれー」

と大声を出したかったのですが、実際は心の中で小さくつぶやく程度にして、

非常に焦りました。


せっかく準備万端にして取り付け日の今日を迎え、

こうしてお宅にお邪魔して、さっさと取り付けて、

「作業、終わりましたー」と涼しい顔をして済まそうと思っていたのですが、

そのシナリオが大きく音を立てて崩れてしまいました。


さて、どうしよう、落ち着け落ち着け、

夏場であれば、ここで大粒の汗が噴出し、床にポタポタと落ちていたところですが、

不幸中の幸い、今は冬なのでそういうことにはなりませんでした。


冷静に目の前の事実を受け止めて、対処しなければ・・・


恐らく、ちゃっちいMDFを補強するための、裏の鉄板の金具が、

MDF側へ要所要所取り付けられているのだろうと推測。

であれば位置をずらして、金具の無いところに穴あけすれば問題ないハズ。

15mmずらして挑戦。


先ほどの穴あけで、ドリルの先端が金属を削って磨耗しており、

替えのドリルは持ってきていないので、この傷ついた一本で何とか最後までもたせねばいけません。


恐る恐る、ドリルの振動や材への切削具合を確認しながら作業を進める。

結局、8箇所あければよいところを、4箇所金属に当たってしまい、

30分で済ます作業が1時間以上もかかってしまいました。


更に、取り付けた柵がグラグラするので、MDF裏の鉄板取り付けボルトを増し締めしたり、

ベッドの側板部分をビスで補強するなどして、何とか許容範囲まで強化することができました。


とまあ、既製品のベッドへの柵取り付けには十分な注意が必要と判明した次第です。


まあ、そもそも、この手のベッドを設計する際には、

柵を後からつけることなど想定しておらず、安く早く製造することが出来て、

それなりの見栄えと成ればOKという、大量生産・大量消費の産物と言ってしまえばいけませんが、

価格が安いのは消費者には助かるという事実があり、すべて否定はできないのですが、

“もの”を長年、大事に使っていくという精神は、このような製品では養えない訳でして・・・

せめて、生活に密着したものは、それなりの良い物、愛用できるような物を選んで頂ければと思います。


ウチでは、ベッド(もちろん無垢木材で)も作っておりますので、よろしかったらどうぞ~。

と、オチが宣伝となってしまいました。




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杉のコンパクト椅子

2013-03-01 02:10:56 | 椅子

地杉で作ったコンパクト椅子です ↓






必要最小でシンプルな椅子の形を追求しました。

軽量で、取り扱い楽々!






杉の優しい背もたれ ↓






お尻を包むカーブ ↓






座面は、すのこになっていますので快適な座り心地。






伝統的なホゾ組工法(通しホゾ 割り楔)↑ により、作りが堅牢となっています。

おススメの椅子です。




材料: 地杉

寸法: 座面高さ385~400mm 幅390mm 奥行き430mm 高さ700mm

塗装: オイルフィニッシュ



製作風景紹介

製作日記1

製作日記2


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