福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

屋久島産センダンの学習机

2015-01-25 23:52:57 | テーブル ・ 机
前回の作り付け本棚につづいてのご注文。


今回はセンダンの木を使って学習机を作りました ↓





このセンダン、実は納入先の新築のお家が建てられる前、

そこの土地はもともと山林でありまして、いつも懇意にして頂いているお客様ということもあり、

私が木工仕事をしている関係から、その土地を整地する前に、

家具材として使えそうな立木があれば伐採して貰っていって下さいというようなお話を頂きまして、

どんな山林なのかも興味がありましたので現地に見に行ったところ、

家具材に使えそうなサイズのセンダンが何本もあるではありませんか。


センダンを使った家具はいままでいくつか製作したことがあり、

個人的にも好きな木材なので是非利用したいと思うと同時に、

これからお客様が建てられる新築に合わせての製作の方が良いような気がして、

そのことを提案したところ、快く了解を得ることができたのが始まりです。


生まれ変わったセンダンの木です ↓





伐採した材は、それほど大きくはありませんでしたが、この学習机の天板は緻密な良い材で作ることができました。



天板の前面は、専用のテーブルエッジビットで仕上ました ↓





この丸みは手や肘の当たりを優しくしてくれます。



机の脚はこのようなデザインに ↓




足もとには、二段の本立てがありますので、沢山の本を収納できます。



その上の三段目には、抽斗代わりの一枚板があります ↓






こちらは、一緒にご注文頂いた本立てを置いたところ ↓







この本立ては、3つの本立てから成り立っており ↓







下の二つの向きをかえれば、このようにもなります ↓






この二つの本立ては、上下どちらにしても使用OK ↓







自分好みで、その時の気分で、様々なパターンでお使い頂けます ↓






無垢の材をふんだんに使った、贅沢な学習机となりました。

この土地で生まれ育ったセンダンの木も、このように第二の木(人)生をスタートして、

新たしく建てたお家とそのご家族と共に末永く生きていくことでしょう。








材料: 屋久島産 センダン

寸法: 高さ730mm 幅1400mm 奥行き500mm

塗装: オイルフィニッシュ クリア


製作記録はこちら



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机の組み立て

2015-01-23 22:47:49 | 製作記録
机の組み立て風景です。


今回は、地杉ではなくて、センダン(屋久島産)での製作。


組み立て当日、加工のやり残しがありましたので、そこからの紹介です。



机の脚です ↓





この脚に本棚の板を取り付けるための溝掘りをしなくてはなりません。



毛引きで加工位置を印していきます ↓





印す箇所が少なければシャーペンで済ませますが、

今回は、4か所の加工でしたので毛引きを用いました。



溝を掘る道具はこちらの電動トリマー ↓






付属のガイド定規を取り付けて、掘り込み深さと位置をスコヤで調整 ↓






トリマーに取り付ける刃物はこちらの直径6mmの超硬ビット ↓





メーカー品ですので、切れ味が長く持ちます。



トリマーで掘りました ↓





両端がビットの形の丸になっていますので、鑿を使って角型に掘りなおします。



オスとメスの加工が終わったところ ↓







全ての準備が整いましたので、組み立て開始。



まずは、脚から ↓





机と言いましても、標準的な四本脚ではなく、ちょっと特殊な構造としました。



片側を上下2本の脚で組み立てますが、その内の一本を斜めにしています。

そのため、その箇所のホゾも斜めに納めていきますので、こんなホゾになっています ↓




直角に対して6度の角度をつけています。



ホゾとホゾ穴の嵌め合い具合を確認した後、まずはホゾ穴から接着剤を塗布していきます ↓






続いてホゾも ↓





空気が乾燥して天気も良いので接着剤は早く乾いてしまうので、悠長に写真を撮っている場合ではないのですが、

朝方で気温が低いので少しだけ余裕がありました。



あて木をしてゴムハンマーで叩いています ↓






ある程度、嵌まってきたらクランプの出番 ↓






締め付けた後、接合面からはみ出たボンドは素早く拭き取ります ↓






斜めに入れるホゾは予想よりも精度が必要でした。

いつも使う杉と同じようにホゾをやや大きめに加工しましたが、

今回はセンダンですので、杉のように軟らかくありませんので、ちょっときつかったです。

今後、気をつけなければいけません。



強度が求められる箇所には、いつもと同じようにホゾ+ビスの組み合わせでガッチリと組みます ↓






脚まわりの組み立て ↓





本棚板を上下2段組み込んでいます。



さらに上にもう一枚板を取りつけます ↓





これは抽斗の代わりに、A4サイズが入る籠状のケースをいくつも並べて収納するためのものです。




最後に天板を載せます ↓





十分、自然乾燥させましたが、今日のような天気の良い日に、外気の風に2時間ほどさらしてから固定しました。

湿度が高く、乾燥が不十分な状態で取り付けると、後々に板の収縮により割れてしまうことがあるからです。

板材の扱いには神経を使います。



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冬のモッチョム岳

2015-01-14 00:21:07 | 日記


冬の朝、緊張感をともなった空気を肌に感じ、ふと見上げてみると・・・


キリリとしたモッチョム岳。











とっくにお正月は終わっているのですが、まだ本調子ではありません。


身の引き締まる思いです。
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椅子座面の張替え(預かり品)

2015-01-04 22:50:06 | 製作記録
ご近所さんより、椅子座面の張替えをお願いされました。

何と、40年くらい使っているそうです。



その椅子がコレ ↓







見た目はきれいで、とても40年の年月を感じさせませんが、

座面クッション部分は見事に潰れております ↓






この椅子の座面はドライバー1本で簡単にはずすことができるタイプで、

恐らく、このような張替え作業を想定して作られていると思います。


今回、お預かりしたのは6脚。

ご近所さんは、年末年始を留守にするので、このお正月休みを利用して作業しました。



座面を外したところ ↓






白の布を取って ↓






ステープル(業務用のホッチキスの針)を抜いていきます ↓







通常のタッカーのステープルよりもごっつい針です。

おまけに錆びているのでがっちりと食い込み、

抜くのにも途中で折れたりで、なかなか手間が掛かります ↓






ふぅ~、 1脚するのに30分以上も時間が掛かりました ↓






スポンジはボロボロです。

インテリアバールをスクレーバー代わりにして、

スポンジが合板と接着しているのを剥がします ↓






取り外した座面の合板と椅子にそれぞれペアの番号を記したテープを貼って置きます。

それぞれの椅子に合わせて合板の形状が微妙に違っているのでペアを認識できるようにしておかないと、

いざ取り付けのときに合わないこともあるからです。

さらに、4本のビス穴の位置も、張り替えたあとでもわかるように鉛筆で合板に印をしておきました。


合板をスポンジにのせて、形状をペンでトレースします ↓





スポンジにも番号を記すことを忘れないように。



今回は、3種類のスポンジを使います ↓






まず、2種類のスポンジをボンドで接着 ↓





3つ目は、座面よりも大きめに切り取っておき ↓






座面の側面に接着剤を塗布して、包み込むように接着します ↓





このとき、スポンジが剥がれて来ない様に保持するのにステープルを使います。

速乾性の接着剤とはいえ、手でギュッと押さえるだけでは、スポンジの弾力で剥がれてしまうのです。


ステープルは仮留めしておいて、後で外しやすいようにしておくのが良いです ↓






接着剤が乾いて、剥がれて来ないことを確認してから、

ステープルを抜いて、はみ出たスポンジを合板の面に合わせてカット ↓






これで、側面の合板もスポンジで覆われて、当たりが優しくなります ↓






続いて、布張りです。

素材は、東レのエクセーヌ、パンチング仕様を3種類 ↓






タッカーで留めていきます ↓





できるだけ皺が出ないようにしますが、なかなか難しいです。



完成しました! ↓






エクセーヌ パンチング 濃紺 ↓






エクセーヌ パンチング サンドベージュ ↓






エクセーヌ パンチング ベージュ ↓






ぺしゃんこだったクッションが新たに蘇りました!

物持ちの良いご近所さんですから、まだまだ10年や20年くらいは大丈夫でしょう。




このようなシンプルな椅子の張替えでしたら承ることができます。

東レのエクセーヌの場合、1脚あたり6,000円~。

椅子の構造、座面の形状、手間のかかり具合により単価は高くなります。

多少の皺は出ることをご了承くださいませ。

技術的に難しいものや損傷が激しいものはお引き受けできないことがあります。

色につきましては、その時の在庫状況によりご希望に添えないことがあります。

屋久島島内限定です。


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