福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

ムカデ油

2009-06-25 18:10:47 | 日記
我が家には、ムカデ油というものがあります。


自然豊かなところで暮らしていると、家の中に色々な生き物が入ってきたりします。

家の中に蟻の行列!!!というのも珍しくはありません。

特に古い家では、床、柱、梁などにどこから来るのか、蟻の行列が当たり前のように

行進しております。


屋久島に移住した当初、この信じられない光景に唖然とした記憶があります。

今では、良いのか悪いのか慣れてしまいました。

そうそう、もう一つ、大きな蜘蛛も家にいます。

実家のある中部地方では見たことのないほどの大きさです。

大きなもので脚を含めて10cmもあります。

また、色と容姿がタランチュラに似てなくも無いので最初に見た時は鳥肌が立ちました。
 

何故か、この蜘蛛と蟻は徹底的に退治してやろうとは思いません。

というのも、家の中にいる小さな虫を食べたり掃除してくれるからです。

まあ、飼っているというか、一緒に生活しているような感じです。

別に慣れ親しんでいる訳ではありませんが、追い出してもまたいつの間にか入ってくるので

もう放っています。


随分と前置きが長くなってしまいました。

一昨日、寝ている時に肘をムカデに噛まれました。

いやー、痛かったですね。

逃げたムカデを見たのですが体長10cm以上はありました。

こんな時に登場するのがムカデ油です。

この秘薬?を噛まれた部分に塗ると2~3時間で腫れが引き、跡形も無くなります(私の場合です)。

お陰さまで、大きなムカデに噛まれても動じることはありません。


田舎暮らし必携のこのムカデ油ですが、自分で作ることが出来ます。

必要なものは、ガラス瓶、食用サラダオイル、火バサミ、そして生きたムカデです。

作り方は、

あらかじめ適当な大きさのガラス瓶(500~750mlくらい)にサラダオイルを7~8割ほど

入れておきます。

次に、これが簡単ではありませんが、ムカデを生け捕りにします。

私は、火バサミで捕獲します。

この捕獲したムカデを火バサミで掴んだまま、用意してある瓶に突っ込みます。

ムカデは数十秒で窒息して動かなくなります(良く確認してから火バサミから放して下さい)。

蓋をして数ヶ月寝かしたら出来上がりです。

注意点は、しっかりと捕獲すること。割り箸などではどれだけ強く掴んでもよじ登ってきます。

そして、無傷の生きたままでオイル漬けにすると良いと思います。

傷がついていたり、殺したりしてからですと、オイルの中で腐敗したことがありました。

オイル量とムカデの数の比率はどのくらいが適当が判りませんが、上記のガラス瓶の

容量には2匹前後入れたりしています。

以上、ご参考までに(効力には個人差があります。自己責任でお願いします)。


昨晩、何気なく天井を見上げると、あの逃げたムカデがいたので早速捕獲して

ムカデ油になるべくサラダオイルの中に入って頂きました。


合掌
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虫食い発生 後編

2009-06-19 08:29:38 | 日記
しかし、実際に返品されてきた現物で、虫が這い出たと思われる穴を

まじまじと見て、これは酷く、いけないと実感しました。


↓ 虫穴





これは当然クレームになるし、お客様も大変なショックを受けられました。


納品当時、このテーブルセットが無事届きましたとメールを頂きました。

そのメールには凄く感激した様子が綴られており、これからの生活が楽しみであり、

私の宝物になりましたとまで書いて頂きました。

作り手としてはこの上ないお言葉です。

それがこのようなことが起こり、まだ虫が中にいる可能性があることから、

やむなく手放さなければならないことになったことを今改めてお客様の立場に

なって考えてみると涙が出そうになります。

こころを深く傷つけてしまいました。

本当に申し訳ないことをしてしまいました。



そもそもこの山桜には加工する前から虫穴があるのは知っていました。

私の認識の中では、木に虫がつくのは弱っている木や切り倒されて間もない

まだ生材の状態の時に入り込むと思い込んでおり、乾燥された材に新たに虫が

つくとは考えも及びませんでした。

しかし色々と調べるうちに、この認識は間違いで乾燥された材にも虫がつくことが

あると判りました。

ですので今回のケースは、板材の状態で保管している時に虫が入ったと思われます。

浅はかでした。作り手失格です。


更に問題なのは、屋久島に生息する虫が関東へ持ち込まれたことです。

最悪の場合は生態系を狂わすことにもなりかねます。

こうなると個人の問題だけではありません。

ただ悪影響が無いことを祈るばかりです。

大いに反省です。

勉強不足です。認識不足です。無知は罪とはこういうことです。

落ち込みました。


唯一の励みは、お客様よりこの問題が解決されたら、また購入したい、

その日を心から楽しみしていますと仰ってくれたことです。

大変有難く思い遣りのあるお言葉です。




地元材の活用を基本としていることから、安易に外材に頼るのではなく、

かと言って、工場で防虫薬剤を加圧注入された木材を購入するのも

なんだか違うような気がします。


まずはできる範囲から問題解決に向けて進んで行くしかありません。

当分の間、広葉樹材でつくられた家具の島外販売は厳禁とします。


今回、新たな課題が出来ました。

これも必要な過程と受け止めます。

お客様のためにも、この経験を生かして実りあるものにしていきたいです。


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虫食い発生 前編

2009-06-18 21:37:50 | 日記
↓ 昨年の夏に納めた山桜のテーブルとスツールのセットが返品されてきました。





福島木工家具店では、主に地元の杉を使った家具を製作しています。

これは、地元材の利活用と、杉という木材の入手性の良さと安定供給面からです。


ですが、杉以外の広葉樹材が手元にある場合は、このように製作したりします。

この時は、やや大きめの家具としては初めての製作で、更に納入先は関東でした。

現在では送料とメンテナンスの関係から、島外への販売は原則としてしておりませんが、

当時はご要望があれば出来るだけ応じるようにしておりました。


このように、普段使用しない広葉樹で作った家具を、島外へ納めるという例外において、

トラブルが発生してしまいました。


納品して間もなく、お客様よりテーブルの中から音がすると連絡が入りました。

どうやら中に虫がいるとのことです。

虫?

どんな虫だろう? 小さなカミキリムシだろうか?

この家具を製作している最中には全くその気配はなく、何年も自然乾燥している材で、

まさか虫が中にいるなんて想像もしていませんでした。


子供の頃から虫には慣れ親しんできたことと、ここ屋久島で暮らすうちに虫に対しての

違和感や抵抗感というものが都会暮らしの頃に比べてかなり薄れてきているようで、

この時は、お客様のクレームがそれほど重要なこととは認識できませんでした。





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雨、雨、雨

2009-06-13 18:13:16 | 日記
入梅して雨が続いています。

木工仕事にとって歯がゆい季節となりました。

特に私の場合、青空工房とまで言いませんが作業環境は天候に左右されます。

大雨となれば足元は水溜りとなり、風が吹けば飛沫にさらされます。

天気を見ながら工程をその都度考えて組んでいかなければ時間だけが過ぎてしまいます。

それにしても天気予報当たりませんね。

気持ちがしぼんでしまいます。

その反面、草木の勢いは凄いです!

自然は健気ですね。

週間天気予報では明日から晴れマーク!!!

勢い良くいきたいものです。

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杉のチェアー2

2009-06-02 21:14:05 | 椅子
杉のチェアー2です。


造り付けのカウンターの高さに合わせて欲しいとのご依頼を頂きました。

そのため、通常の椅子より座面高さが4cm低い36cmでの製作。

市販ではなかなか無いとのことで、注文家具の出番です。





↑ デザインも、従来の杉のチェアーから一新。

お客様からのご要望が多ければ多いほど新しいものが生まれます。





↑ 組み立て前のパーツ。

割とシンプルです。





全部で4脚のご注文を頂き、本日納品に行って来ました。

杉をふんだんに使った新築の格好良いお宅です。

杉のチェアーとの相性ばっちり!





コメント (2)
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