福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

漆刷毛

2015-05-30 21:57:08 | 製作記録
漆の塗り立て用に購入した漆刷毛です ↓





横から見ると、こうなっています ↓





なんだか変な刷毛ですね。

柄の木の部分が刷毛先まで延びているので、このままでは塗ることは出来ません。

ネットで注文して、届いたこの刷毛を最初に見たときは、正直戸惑いました。

初心者が安易に立ち入ってはいけない、敷居の高い世界であることを実感させられました。

漆の世界、恐るべし・・・


なのですが、現代ネット社会の功罪の功の部分を利用して、

youtubeで検索してみると、ありました ↓


刷毛降ろし Hake-oroshi 1/4




便利な世の中です。

初心者でもなんとかなりそうです。

この映像を見よう見まねで刷毛降ろしに挑戦してみました。


柄の部分を削ってみたり ↓







毛の部分の形を整えてみたり ↓







カチコチに固まっている毛の部分を玄能でほぐしてみたり ↓











付け根の部分も念入りに柔らかくして ↓







映像のお陰で使える状態にまですることが出来ました ↓







この漆刷毛は、弁当箱の内側を朱色で塗るのに使います。



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かぶれました

2015-05-07 22:22:22 | 日記
漆にかぶれました。


もうかれこれ、最初に漆塗りをしてから1カ月くらい経ちました。

塗っているのは、弁当箱の3段重ねの箱とその蓋で、14セット(注文を受けているのは10セット)。

今日で、三度目の漆塗りを終えたところです。

まだ、このほかにも、この弁当箱の外箱と前蓋、箸を塗らなければいけません。


とにかく塗る個数が多いのと、そして重ね塗りする回数も多いこと、

さらには塗った後にその都度、耐水ペーパーで水研ぎをする工程もあるものですから、

予想をはるかに超える時間がかかっております。

弁当箱は、その構造上、小さな箱型であり、凹凸部分も多く、実際にやってみると、それはもう大変なのです。


ついでに付け加えると、

漆塗りの乾燥には、高湿度(80%以上)の環境が必要で、

一般的には、漆風呂といって、段ボールなんかを使って、その中を高湿度に保って乾燥させるのですが、

今回の場合は、数が数なので、段ボールで漆風呂を作る訳にもいかず、

天候を見ながら塗装と乾燥を繰り返している次第です。

もし低湿度で乾燥させますと、いつまでたっても乾かず、乾燥不良を起こしてしまうようです。


とまあ、かぶれのことを書こうと思っていたのですが、ついつい納期遅れの言い訳のようなこと書いてしまいました。


そうそう、かぶれのお話です。

最初の漆塗りでは、前回の記事でも書いたとおり、漆が直接指に付着するという最悪の事態になったのですが、

その後、不思議と、かぶれの発症なく、

あれっ、もしかして漆に強い体質なのでは?と希望的観測をしたのですが、

そういえば、3月から原因はまだわからないのですが、じんましんが出るようになってしまい、

その発症を抑えるために抗ヒスタミン薬を服用していることから、この薬が効いているのかと思っておりました。


ですが、二度目の漆塗りの後に、かぶれの症状が出始め、かぶれの箇所もだんだんと広がっている状況です。


さすがに1日1錠の薬で、じんましんとかぶれの症状を抑えることは出来ないようで、

今では中途半端に両方の症状が出ており日常生活にも支障が出始めている感じです。

幸い、ボコボコに腫れあがるまで酷くないのには助かっていますが、痒いのはつらいです。

日中はそこそこ我慢できても、寝ている時に掻いてしまいます。

すごーく、物事に集中している時はいいのですが、ふと気を抜いたときなどは、

思い出したように痒くなります。


漆も塗り続ければ3カ月ほどで、かぶれなくなると聞いたのですが、

漆塗り職人でもないので、そんな長い期間、毎日のように塗り続けることはなく、

それ以前に、この痒みを3カ月も辛抱するのは大変なことでありまして、

人それぞれ体質というものあり、3カ月で間違いなくかぶれなくなる保証がある訳でなく、

このつらさに、ちょっと弱気になっております。


しかし、重ね塗りをする度に、木の光沢と深みが増していく様を見るのは励ましになります。

特に木目が美しいところは、漆特有の色つやと相まって、息をのむほどです。

漆という塗料と、木との相性は抜群なのでしょう。


美しい木工品を世に出すために、かぶれに負けずに頑張って行きたいと思います。


あー、しかし今日は特にかゆいです・・・。



コメント (1)
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