福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

タンスかん

2015-06-30 21:03:08 | 製作記録
タンスかん。

ご存知な方は知っているかと思いますが、

私はこの木工仕事をするまで、このような呼び方をするとは知りませんでした。

家具のタンスの環、つまり、曲げて円形にしたものです。

タンスかんとは、タンスなどに使われている取っ手金具のことです。


今回、ある仕事で、このタンスかんを使うことになっているのですが、

最初に取り寄せた一般的なタンスかんでは、どうも格好が悪いのです。


これです ↓






ある仕事とは、タンスでないものに取り付けるので、いかにもタンスの金具というものでは、

不格好になってしまい、お客様はこれで良いよと言ってくれたのですが、

どうにも納得できず、もやもやしていたのですが、

以前、目をつけていた老舗っぽい家具金具屋さんへ、ダメ元でサンプルの販売をしてくれるかどうかメールをしたところ、

快く了承をして頂き、昨日その商品が届いたのです。

HP上では、写真や寸法を確認しており、その品物については、だいだい予想はしていたのですが、

白い包み紙を開けたところ、そこには、超ベリークールな品物が出てきて、

一気にテンションが上がりました。

さすが専門店だけあって、その仕上がりには見とれるほどです。

と、その道のプロがコメントするようなことを述べたのですが、

これはあくまで私の個人的な感想ですのでご了承ください。



その品物 その① ↓






その品物 その② ↓






その品物 その③ ↓






写真では、その魅力が十分に伝えられないのが惜しいですが、素晴らしい品物です。


こんな立派な金具を、私の木工品に取り付けるのは、大変恐縮ごとなのですが、

どうかお許し頂くこととしましょう。


しかし、残念なことに、これらの品物は、生産終了品、数量限定なため、予告なしに販売終了となるとのこと。

資金があれば、販売している在庫分を買い取りたいのですが、なかなかそういう訳にもいかないのが実情なのです。


さてさて、どんな感じに仕上がるのか、今から楽しみです。




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箸作り

2015-06-11 22:33:50 | 製作記録
弁当箱用の箸を作ってみました ↓






弁当箱の前にあるスライド蓋の裏に収納する短めの箸です。


今回は、予備を含めて15膳ほど製作。


試作の時に作った1膳はカンナで削り出したのですが、今回は数が多いので治具を製作 ↓






治具といっても、べニア板を組み合わせただけの単純なものです。

(角度調整を何度もしたので、その時のビス穴が残っていますが・・・)

この治具を使って、角材から先細りの形状に加工します。


まずは角材を治具にセット ↓





角材を見てみると、斜めになっており、左端はベースのべニアより外側にはみ出ています。


この状態で、テーブルソーのフェンスに沿わせてますと ↓






角材の一面が斜めにカットできました。


90度転がして再びカットしますと ↓






箸の形になりました ↓






カットした面に、ノコ刃の跡が残っていますので、手鉋をかけます ↓






箸の頭を前蓋の形に合わせて、45度づつカット ↓






既に先細り形状になっているので、カットした分をスペーサーを挟ませて調節しています ↓






箸の形ができたら、水引とペーパーがけをして、塗装ができるように準備して置きます。

この箸も弁当箱同様に漆塗りをする予定です。

弁当箱もやっと先が見えてきました。



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漆の塗り立て

2015-06-04 23:16:52 | 製作記録
弁当箱の漆の塗り立てをしてみました。


一言に、漆塗りといっても、様々な塗り方、技法がありまして、

初心者にとっては、なかなか難しいものです。


入門として、一番手がつけやすいのは、摺り漆、または拭き漆という技法というものがありまして、

これは、摺り漆用の漆を使うのですが、漆を塗った後、乾かないうちに専用紙(摺紙)で拭き取る方法です。

そして、漆が乾いたら、高い番手の耐水ペーパー等を使って水研ぎして、漆塗りした表面を綺麗にします。

この工程を何度も繰り返すと、漆の厚みも重なってきて、綺麗な仕上がりとなります。

*注意 知ったかぶって書いていますが、漆塗りの知識経験はほとんどありません。



摺り漆で3~4回塗った弁当箱(綺麗な光沢が出ています) ↓







次のステップとして、塗り立て(または花塗り)という技法があります。

塗り立てとは、塗り放しということで、このまま仕上げとなります。

塗り立ての漆には油が入っているので、その仕上がりは漆独特の艶と光沢になります。

塗った後、何もしないのは楽チンなのですが、

専用の漆刷毛で綺麗に塗らなければならず、また、塗り厚も均一に、

そして何よりも埃が出来るだけつかないように塗って乾燥させることが難しいですね。

塗って乾燥させた後、些細な埃でもすごく目立ってしまいます。



朱色の塗り立て(2回塗り) ↓






摺り漆とは、また違った仕上がりです ↓









写真では判りにくいですが、細々とした埃が表面についています。

細心の注意を払って塗ったのですが、今の仕事場では作業環境が厳しいので、この仕上がりが精一杯です。

やはり、埃対策をした塗装部屋を設けて、仕事するのが望ましいです。



正直、仕事として安易に手を出すのは大変なことになります。

ちゃんと準備期間を設けて、それなりの作業環境を整えて、練習を重ねて、

工程と工数を把握して、計画的に進めていかなければいけません。


普段しているオイル塗装に比べますと、漆塗りの手間は何倍、

否、慣れていないのも合わさって10倍くらいかかったかもしれません。

今回は、小さな箱ですので余計に時間がかかりました。

器とか、箸とか、お盆でしたら、もう少し早く出来るでしょう。


あと、おまけですが、かぶれます。

ここ2カ月間、毎週のように漆塗りをしていたので、大なり小なり、ずーっとかぶれが続いています。

漆塗り職人になるためには、最初の2~3ヶ月間我慢すれば体が慣れてくるから大丈夫とは聞きますが、

ホンマやろか?

本当に慣れたらウレシイです。

漆塗り、ずーっとやって行きたいです。

こんな綺麗な塗装方法を諦めるのは勿体ないです。

ただ、コストがかかりますのでご理解頂けるお客様がいなければ仕事になりませんが・・・

こちらも色々と試行錯誤しながら、コストを下げて、魅力ある漆の作品を作って行きたいと考えています。


こんなビビットカラーの漆もあります → 色漆 透明色漆

色んなアイデアが浮かんできそうです。


この漆を扱っている(株)箕輪漆行さんでは、フローリング用の漆も取り扱っています。


特徴として、


 「天然塗料、塗膜には抗菌、殺菌性があり衛生的、

 酸、アルカリ、シンナー、アルコールなどいかなる薬品にも侵されません、

 高分子なので拭けば拭くほど艶が出てきます」


ご要望がありましたら、施工前のフローリング板への漆塗りの検討も致します。


この先、新たな漆塗り作品の可能性を探っていければと考えております。



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子供椅子(丸型)の組み立て

2015-06-01 22:21:29 | 製作記録
子供椅子(丸型)の組み立て紹介です。


組み立て前のパーツ(基本的に地杉です) ↓






背もたれの支え部分のみセンダンの木を使っています ↓






まずは脚の部分を十字に組みます ↓






そこへ丸型の座面を取りつけます ↓






表からビスで ↓






続いてセンダンの支え部分の取り付け ↓






定規を当てて、正しく平行になっているか ↓






直角定規を当てて、直角になっているかどうか確認して ↓






ビス留めします ↓






取り付け前の背もたれには、予め下穴があけてあります ↓






木口面にはたっぷりと木工ボンドを塗って ↓






またまたビス留め ↓






背もたれと座面の木栓は、色違いにしてアクセントとします ↓









背もたれ支えの部分は、同じ樹種のセンダンで作った木栓でビス穴を塞ぎます ↓






穴が開いていたとは思えないほど綺麗に仕上がりました ↓






完成! ↓






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