福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

皆既日食

2009-07-22 21:49:16 | 日記
無事に終わったようです。


私の住んでいる屋久島南部では雨が降ったり止んだりの天気で太陽を見ることなく一日が終わりました。

皆既日食を見ることが出来なかったのは残念でしたが、終わってみると、妙にホッとした気分になりました。


感想は、

特に日食用のメガネを用意することもなく普段どおりに過ごす予定でしたが、

10時半頃からそわそわどきどきと落ち着かなくなりました。

どんよりとした雨雲でもともと薄暗いのが、ますます暗さを増していく様子は正直いい気分ではありませんでした。

ぱあーと暗くなって行き、これが想像以上に暗くなったのにはちょっと驚き、あれよあれよと言う間に、

ぱあーと明るくなり、気がつけばあっという間の出来事でした。


まあ、何事もなく終わってくれてよかったです。

外出は出来るだけ控えましたが、我が家にはお風呂がなく、普段は温泉(集落の人は無料)に通っています。

昨日と今日の温泉の混み様の凄いこと!

何年も毎日温泉に入っていますが、これほどの混雑は初めてです。

その日の疲れを落とし、気分をリフレッッシュするのですが、逆効果になりかねないほどでした。

今回の皆既日食で数千人の人たちが屋久島へ訪れています。

老若男女、いろいろな人がここまで集中するのは屋久島史上初めてなのかもしれません。


屋久島を一つの生命体と例えるとすると、これだけ多くの人々を受け入れ、不平不満一つ言わずに、

耐え忍ぶ姿は感動モノです。


美しい自然があってアタリマエと考えるのは自然に対して気の毒だと思います。

自然だって世のため人のために我が身を削り、陰ながら精一杯頑張っているのです。


今日も、私たちを生かしていただいてありがとうございます。




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明日から展示します

2009-07-17 21:06:21 | 日記


「宝の島・屋久島」からのメッセージ

と題して、明日7/18~7/23の期間、屋久島環境文化村センター内交流ホールにて、

屋久島で活動されている方々の展示紹介が開催されます。


この度、写真の椅子三点を展示させて頂くことになりました。

名目上、島のアーティスト紹介となっていますので、ちょっと私には場違いかもしれませんが、

せっかくお声がけ頂きましたので恥ずかしながらも・・・


写真左から、子供椅子・ダイニングチェアー・小さな椅子


お近くにお越しの際は、立ち寄ってみて下さい。


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脚線美

2009-07-13 22:21:17 | 日記
新しい椅子の試作をしました。

初めての工法や、今まで作ったことのないタイプを作る時は、出来るだけ試作をしてみます。


椅子作りのポイントの一つして後姿があります。

普段、椅子は前から見るよりも後ろから見ることの方が多いからです。

ということで、椅子の後脚のデザインには気を使います。

全体のバランスを考えて形を決めていきます。


試作品が完成すると、座ったり、撫でてみたり、近くで眺めたり、遠くから眺めたり、

前後左右360度からじっくりと観察してみます。

何度見ても違和感がある場合は、そこが改良するところとなります。


今回は、後脚がいまひとつなので型板(写真右側)を削りなおしてみました。

明日からいよいよ本番の製作スタートです。

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今日のモッチョム

2009-07-09 21:51:37 | 日記


今週から夏日が続いています。

暑いです。


仕事中は汗と木屑にまみれて粉男になりそうです。

そうならないようにマメに顔と手を洗っています。


作業場には、一昨年から業務用の扇風機を導入したので非常に助かっています。

でもあちこち動きながら仕事しているので、汗はたくさんかきます。


あー、エアコンの効いた作業場なんて天国だろうなあと余計なことを考えたりしてしまう。


ふと空を見上げて見ると、

青空が、雲が、山が、なんて美しい・・・

言葉が出ない。


普段、集中して黙々と働いていると景色が全く目に入らないのですが、

時々こうして顔を上げてみると、自然はちゃんとご褒美を用意してくれているのです。

エアコンがなくても、ある意味とても贅沢な作業環境です。

ありがとうございます。


写真は、今日のモッチョム岳です。

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杉と広葉樹と虫問題 その3

2009-07-05 17:31:38 | 日記
一番身近で入手しやすい安価な杉ばかりを家具材として扱ってきましたが、

広葉樹と比べてみると、杉は虫とカビに強い良材と言えますね。

製材された杉であれば、ちょっとやそっとのことでは被害にあったことありません。

でも建築物の土台などは湿気など条件が揃うとシロアリという大きな被害に遭いますが。


改めて杉材と広葉樹材の特徴を調達する立場から書き出してみると・・・




地元製材所より規格寸法のものを購入出来る。

在庫があるので即調達可能。その場で欲しい材を選べる。

杉の名の由来は、真っ直ぐのスグが転訛してスギになったと言われるように

木が真っ直ぐ通っており、材料を無駄なく使い切ることが出来る。

質量は木材の中では軽く、扱いやすい。


広葉樹

屋久島には広葉樹の販売店がないので、調達は知人の縁などに頼る。

それも敷地にあるのを伐採したとか、台風で倒れたとかで不定期となる。

その原木を製材所で挽いてもらい板材として手元にやってくる。

まずは樹皮を剥がす作業をしなければならない。

非常に重いので扱いに注意しないと腰を痛める。

大抵広葉樹というものは曲がっており、真っ直ぐな部分は少ない。

そのため、乾燥途中に反ったり捩れたりと材が激しく暴れることが多い。

ここから家具材を木取りしたりするので使えるのは半分から2/3程度と端材が多く出る。

杉と違い、規格寸法が無いので保管に場所をとられる。

更に保管方法に細心の注意が必要。


うーん、こう書いてみると広葉樹は杉と比べると難しい材でですね。

でも、好みにもよりますが、仕上がった時の感じは、やはり広葉樹の方が気品があるように見えます。

塗装した後の木目の美しさ、奥深い輝き、見た目の安定感など、杉にはないものがあります。

また、家具の用途によっては杉では強度的、堅さ面から不向きな場合があります。


杉、広葉樹共にそれぞれの魅力があります。

家具に使う材料に、屋久島産にこだわっている訳ではありませんが、地元の材を使うのが、

私の中で自然の流れになっています。

人工乾燥された外材の方が扱いやすいのは事実でしょうが、地元産での製作にチャレンジしていきたいと考えております。

この先、越えなければ成らないハードルや課題は色々とあると思いますが、一歩一歩進んでいきますので、

今後ともよろしくお願い申し上げます。







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杉と広葉樹と虫問題 その2

2009-07-04 21:14:11 | 日記
虫の観察をしてみると、キクイムシとトラカミキリムシ(多分ヨツスジトラカミキリムシ)の2種類を良く見かけます。


キクイムシは木材辺材部分表面に直径1mmほどの穴をあけますので、それを確認したら

ドリルで穴を掘って切除し、念のため専用の殺虫剤を噴霧しておきます。

殺虫剤は出来れば使いたくなかったのですが、家具になる材を目の前で虫に食われていく姿を

見るのには耐えられないので仕方ないです。


↓ キクイムシの穴周辺の切除の場合はカット面に虫穴がないのを確認




また、穴をあける箇所は決まって辺材部分なので、予め辺材部分をカットしておくのも手です。


続いてトラカミキリムシですが、これは木材の小口に卵を産むような仕草をしているのですが、

動き回っているだけで本当に産卵しているかどうかは確認できませんでした。

これも念のため小口を切り落として産卵できないように木工ボンドを塗っておきます。

こうすると乾燥による割れ防止にもなり一石二鳥です。


他の種類のカミキリムシ(小型の茶色 名前は未確認)もいます。

この虫は広葉樹でなく、伐採後の杉丸太によくつきます。

樹皮の隙間から卵を産みつけ、幼虫は樹皮の下の部分を食べて成長します。

これも辺材しか食することは無く、樹皮を剥いてしまえば被害にあいません。

しかしながら、観察はまだ始まったばかりで、これで完全とはいえないので、

今後も注意して見ていく必要があります。


次にカビですが、樹皮の下と辺材部分に発生することが多いです。

虫と同様、この部分は被害に遭いやすいようです。

よほどおいしいのでしょね。

製材したら速やかに樹皮を剥いておく、もしくは辺材部分をカットしておくのが間違いありません。

カビは湿度と温度の関係でこの梅雨時が一番注意が必要なのかもしれません。

冬などの乾燥している時期は雨ざらしで無い限り問題は無いと思います。


この虫とカビの問題は、木材の保管時に最大の注意が必要で、加工を終え、

適した塗装をして製品となれば、簡単に寄り付くことは無いそうです。

その適した方法を、ここ屋久島なりに試行錯誤しながら編み出していきたいです。

まだつづきます。


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杉と広葉樹と虫問題 その1

2009-07-03 21:41:23 | 日記
福島木工家具店で作られる家具の殆どは杉を材料としています。

杉以外では、手に入る屋久島産の広葉樹を使用することがあります。


先日の山桜のテーブルセットでは忘れられない苦い経験をしました。

広葉樹を敬遠することは簡単です。

今まで通り杉で家具を作り続ければ問題はないでしょう。

しかしながら避けてばかりでは進歩がありません。

ご迷惑をおかけしたお客様にもこのままでは申し訳が立ちません。

出来る範囲から前に進んでいくことにしました。


現在、手持ちで保管している広葉樹は、センダン、クス、タブ、ユズリハなどがあります。

まずはこれらを積極的に利用し、実際に見て、触って、加工して、組み立てて、仕上げてみて

どんなものか馴染んでいきたいと思います。


広葉樹と杉の違いは・・・

広葉樹を今まで扱った経験が少なく、どんな特徴があるのかまだ十分に理解しておりませんが、

杉に比べると辺材部分に虫とカビがつきやすいです。

興味深いことに、その程度は樹種によって様々です。

梅雨時ということもありますが、毎日のように保管木材の点検管理をしていかないと知らないうちに

被害にあっていることがあります。

苦い経験のお陰で、見る目がシビアになりました。

つづく


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