福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

アブラギリ で 新商品開発 レポート 6

2020-10-29 21:50:00 | 製作記録

早速、新商品の写真紹介です ↓

 

スツール  サイズ: W450 × H450(SH360)× D300mm

 

アブラギリ屋久島産地杉 を 組み合わせて つくりました。

今までレポートしてきた、アブラギリは、スツールの脚部分につかってます。

 

 

用途いろいろ

 

スツールの特徴

  • ちょっと 座りたいときに
  • もち運び らくらく(2.5Kg)
  • そして、多目的 に使えます

 

オプションで、天板をのせると ↓

 

ベッドサイドテーブルになります。

 

 

ひっくり返すと ↓

 

ブックシェルフに!

A4サイズが すっきり収まる ゆとり設計。

 

 

スタッキングもできます ↓

 

 

 

そして、横に二つ並べると ↓

 

ローボードにもなります。

 

 

組み合わせ自在の システム家具 となりました

 

 

 


 

 

 

屋久島木材フェスタで、現品限りの限定販売します

 

 販売予定数量

  • スツール × 6
  • 天板 幅450mm × 4
  • 天板 幅1350mm × 1

 

 販売日時

  10月31日 土曜日 午前9:00〜14:00

  屋久島町本庁舎 フォーラム棟

 

 

現在、フォーラム棟にて、展示しています ↓

 

福島木工家具店の展示 (写真:屋久島木材フェスタ会場)

 

 

今年のフェスタは、すてきな木製品であふれていますよ。

 

お時間のある方は是非お越しください。

 

 

会場にアンケート用紙があります。

昨年の「木の日イベント」では、ご来場頂いた皆さまから、たくさんのアンケート結果を頂いたおかげで、今年もこのように開催することができました。

今後も、皆さまにとって、より良いイベントとなるよう、今年もアンケートへのご協力お願いします。

 

 

お待ちしています

 

 


 

 

アブラギリで 新商品開発 レポート まとめ

レポート 1234 ・ 56

 

 


 

 

福島木工家具店

オーダー・造作家具 木製品設計制作

〒891-4404 鹿児島県熊毛郡屋久島町尾之間752

mail :  fukumoku1@gmail.com

T/F :  0997-47-2695

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アブラギリ で 新商品開発 レポート 5

2020-10-28 22:54:34 | 製作記録

レポートも 5回目となりました。

 

アブラギリ材を毎日のように触っています。

最初は、初めて扱う材ということで、どことなく、とっつきにくいところもありましたが、

触りつづけることにより、だんだんとアブラギリに愛着を持つようになってきました。

 

 

アブラギリの特徴

 

まずは、桐に似て軽いことです。

杉にくらべて、広葉樹は、一般的に重たくて硬い材ですが、

アブラギリは、広葉樹の中では、かなり軽い方だと思います。

 

軽いということは、加工途中、材料を持ったり、移動したりするのに楽。

機械や手道具(ノミ・カンナ)の刃物に通すときは、軽い・軟らかいので加工しやすい。

 

これは、刃物、機械への負担が少ないことになり、

つまり、それを使う(作業する)人にも負担が少ないということ。

以上が、愛着を持つようになった、理由だと思います。

 

ですが、実は、愛着を超えて、惚れ込むような特徴 もあるのです。

それが、焼き加工

 

 

アブラギリ 焼き加工

 

焼き加工については、杉材ですることが時々あります。

杉の場合、焼き杉というのがあり、昔から西日本では家の外壁なんかに利用されていました。

表面を炭化させるので、外壁が痛みにくく、メンテナンスフリーで、数十年も長持ちするそうです。

 

私が普段している、杉材での焼き加工は、表面を炭化させた後、金ブラシでゴシゴシと磨きます。

そうすると、柔らかい部分が落ち、硬い部分が残るので、黒っぽい 浮造り仕上 となります。

 

さて、アブラギリの場合はどうなるか?

早速やってみましょう

 

これは、機械のカンナ(自動カンナ)を通した、アブラギリの角材 ↓

 

 

 

私が焼き加工に使うのは、イワタニガスのクッキングバーナー

炎の強弱だけでなく、炎の形も、無段階調整できるタイプ

 

バーナーをかけて、真鍮製のたわしでゴシゴシしたところ ↓

 

惚れてしまうほど、驚くほど、黒くてきれい。

白と黒のコントラストが抜群。

杉ではこうはいきません。

 

 

つづいて、角をカンナがけで面取り ↓

 

明暗が、妙でうつくしい

 

 

そして、電動工具のトリマーに、テーブルエッジビットを取り付けて加工すると ↓

 

明暗 + グラデーション で さらに魅力的に!

 

アブラギリの最大の魅力発見

着色なしで、焼きと素地の自然色だけで、こんなに美しくなること!

 

今回の新商品開発で、スツール脚に採用。

カンナでの面取りバージョンと、トリマービット加工の二通りの脚を制作。

 

 

ボール盤で、下穴加工しているところ ↓

 

 

 

クランプで、スツール脚の組み立て ↓

 

 

 

次回 いよいよ最終回

レポート 6 では、完成写真を紹介します

 

 


 

 

アブラギリで 新商品開発 レポート まとめ

レポート 1234 ・ 56

 

 


 

 

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アブラギリ で 新商品開発 レポート 4

2020-10-26 22:55:15 | 製作記録

カーブ加工 と 仕上げ

 

レポート 3 で、カーブの荒加工をバンドソーで行いました。

このままでは、バンドソーのノコ刃の跡が残っていますので、

これを、トリマーという機械できれいにしていきます。

 

まずは、トリマーにテンプレート用のガイドを取り付け ↓

 

 

 

こんな仕組みで、テンプレート(型)に沿わせて使います ↓

 

 

 

即席のジグをつくって、加工開始 ↓

 

 

 

テンプレートに沿って、一回通したところ ↓

 

 

半分、きれいになりました。

反対にして、もう一度、トリマーして終了。

 

杉材と比べると、アブラギリは、広葉樹の中では柔らかい材ですが、

カーブに刃物を通したとき、逆目になっても、ササクレやムシレが少ない方です。

今まで、アブラギリ材を、色々と加工してみましたが、

加工性は、杉と比べると、まあまあ、よい感じですね。

ただ、一般的な広葉樹に比べると、やはり取り扱いには注意を要します。

 

つづいて、

ランダムオービットサンダという機械で、加工面にペーパーをかけていきます。

 

 

加工材を2つ揃えると、電動工具を上に載せて作業するときに安定します ↑

 

ペーパーをかけた後、

トリマーにRビットをとりつけて、R加工しました ↓

 

 

トリマーの引き終わりは、逆目になるので、ムシレがでました ↑

あとで、手作業でペーパーがけをします。

どんな木材もそうですが、アブラギリ材も癖の強い部分があったりしますね。

 

オイル塗装して、乾燥中 ↓

 

天気が良く、木工日和がつづいて、乾燥もらくらく🎵

 

レポート 5 へ つづく

 

 


 

 

アブラギリで 新商品開発 レポート まとめ

レポート 1234 ・ 56

 

 


 

 

「屋久島木材フェスタ」について

 

今日から、屋久島町本庁フォーラム棟にてはじまりました。

第一回の昨年に比べると、出展者も増えて、にぎやかになりましたよ。

 

福島木工家具店からも、木工品を出展しています。

ただ、出展はしたものの、まだ展示方法が不十分ですので、後日ちゃんとする予定です。

最終日の31日は、展示販売もするのでお楽しみに。

 

 


 

 

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アブラギリ で 新商品開発 レポート 3

2020-10-24 12:55:50 | 製作記録

レポート2では、ホゾの穴加工まで進めました。

今回は、ホゾのオス加工についての記録です。

 

テーブルソーという丸ノコの機械で、ホゾ幅を加工(アブラギリ材) ↓

 

 

 

縦、繊維方向に、バリがでるので、ノミで削ぎ落とします ↓

こちらは上の写真と違って、屋久島の地杉です。色や木目が違いますね。

 

 

アブラギリでの新商品開発ですが、

屋久島森林管理署より頂いた材には、限りがありますので、

地杉と合わせて制作を進めています。

同じ加工をするので、両者の違いがよくわかります。

 

そういえば、新商品で何を作っているのか、お知らせしていませんでした。

それは、アブラギリと地杉を組み合わせた スツール です。

 

このスツールは、10月26日からはじまる、「屋久島木材フェスタ」に出品予定。

最終日の、31日(土)には、販売も予定しています。

 

ホゾ加工の続きですが、

縦にノコ刃を入れた後、テーブルソーの横切り機能で、ホゾの両サイド部分を切り落とします。

 

 

写真左側の部分を押してスライドします ↑

これは、このテーブルソーのオプションとして取り付けたものです。

設定に、少々の時間がかかりますが、一度に多くの加工をする場合に重宝しています。

 

 

 

ホゾづくりをした後、バンドソーでカーブに切り落とします ↓

 

 

機械で、音の出る作業は、夜遅くならないように済ませておきます。

夜は、手作業の時間として、作業工程を組むようにしています。

 

いつも遅くまで、残業しているわけではありませんが、

忙しい時は、このように、音の出る出ない工程を考えながら仕事をすると、朝から夜までフル活用できます。

 

 

ホゾの面取り ↓

 

 

ホゾ穴に入りやすいように、また、接着剤がホゾ穴内側全体に回るように面取りしておきます。

 

写真のように、ノミで角を削ぎ落とす他に、

玄能(トンカチ)で、トントン叩いて押し潰す(木工では 木殺し といいます)方法があります。

 

日にちが迫っているので、残業がつづきますε-(´∀`; )

 

 

 

レポート 4 へ つづく

 

 


 

 

アブラギリで 新商品開発 レポート まとめ

レポート 1234 ・ 56

 

 


 

 

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アブラギリ で新商品開発 レポート 2

2020-10-21 21:51:28 | 製作記録

アブラギリを使った新商品づくりがスタートしました。

イメージはだいたい頭の中でまとまったので、進めるところはどんどん進めていきます。

 

まずは、製材された板材から、木取をし、直角面を出したり、厚みや幅を揃えたりと、

いくつかの工程を踏まえながら、加工する寸法まで、形づくっていきます。

 

 

 

 

木取りで幅40mmで揃えていた、アブラギリ材を、

加工寸法の36mmに揃えるためテーブルソーを通しているところ ↓

 

 

 

 

↑ 手間ですが、上下2回に分けて機械に通しています。

 

このアブラギリ材は、回転する丸ノコ刃の摩擦熱により、反ったり曲がったりする恐れがあるため。

角材は、機械の摩擦熱により、結構な確率で材が曲がるんです。

限られた材料のため、念には念を。

 

つづいて、墨つけ ↓

 

 

できるだけ、毛引きでマークします。

 

シャーペンも使いますが、芯が太いので、その芯幅分、誤差が出てしまいます。

太いと言っても、0.5mmなのですが、シャーペンの線2本分で、1mm。

このサイズのホゾ穴(9mm × 20mm)で、1mmの誤差は大きく、仕上がり強度に影響します。

 

アブラギリは、材が白色なので、墨がよく見えてgood!

イスノキのように、黒っぽい材だと、墨が見えにくいので、加工途中に苦労します。

 

ホゾ穴を掘る、角ノミ機 ↓

 

 

たくさん穴をあけました。 屈んでの作業だったので腰が痛くなった。

 

開けた穴の底には、削り残しがあるので、ノミで底を平にします。

これもたくさんあるので、作業は延々とつづきます。

 

こういう地味でコツコツする作業は、夜にしたりすることが多いですね。

黙々とする手作業、嫌いではありません。

 

 

 

レポート 3 へ つづく

 

 


 

 

アブラギリで 新商品開発 レポート まとめ

レポート 1234 ・ 56

 

 


 

 

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アブラギリで 新商品開発 レポート 1

2020-10-17 21:35:10 | 製作記録

前回まで続いた「アブラギリを活かそうレポート」は、初めて使う材でしたので、

その性質や特徴など、実際、手にとって触って、加工してみることにより、今後、販売する家具に適するかどうか検討したレポートでした。

 

全部で5回のレポートでは、十分に検証できた訳ではありませんが、アブラギリ材の使い方によっては、

家具材として利用できると判断しましたので、ここに新商品開発レポートとして経過を報告していきたいと思います。

 

なお、前回までのレポートはこちら →「アブラギリ を活かそう」 レポート1 レポート2 レポート3 レポート4 レポート5

 


 

このアブラギリ材は、屋久島森林管理署のご厚意により、今回、試験的に島内の木工家具業者へ無償で頂いたものです。

 

そこには、林業の支障となるアブラギリですが、伐採して捨てられてしまうよりは、

何かに活用することができれば、という想いがあってのことだと推察できます。

 

であれば、その気持ちをできるだけ汲み取って、カタチにしてみたいという職人魂にスイッチが入ったのでした。

 

 

まずは、残っているアブラギリ材を眺めてみる ↓

 

直径20〜30センチくらいの材がほとんど。

厚みは30mmの板材が多く、長さは2.5m以上。

 

大径木にくらべると、木取りにはそれなりの制限があり、幅広の板材を取ることは困難。

また、反りも大きく、割れや、芯が入っているものもあります。

 

さて、さて、どうしましょうか?

寝ても覚めても、頭の中はアブラギリ のことばかり・・・

 

というと大袈裟ですが、なにかを生み出す時は 四六時中 考え、

考えなくても、頭の片隅に、ちょこっと覗く程度には置いておいて、

普段の生活をしているときに、「あっコレだ!」ということが起こります。

 

その間、色々とアイデアは浮かぶのですが、一時の興奮で終わったり、お蔵入りになったり、

すごい発見をしたと喜んで眠りにつき、翌朝、そのアイデアをあらためて見てみると、

なんでこれが良いのか? と疑問に思うものもあり、悶々とした日々を送ったりします。

 

3日、4日経ち、なんとなく、ほんわりと見えてきました。

 

今回はハズレのアイデアなのか、どうなのか?

そのアイデアの「火」は消えることなく、それからさらに1日から2日が過ぎて、

 

 

 

「火」は、メラメラと『炎』となって、ぼんやりとしていたアイデアは確信へと変わっていくのです。

 

 

 

 

こうなってくると、手が勝手に、いや、勝手には動きませんが、

頭で考えるよりも、体が先に動いていくというのでしょうか、

 

散歩に連れ出したとき、かけ出す犬のように、先へ先へと進んでいくのです。

 

 

 

 

途中で気が変わったり、実用にはいたらず、方向転換することもありますが、

今はコレに夢中です。

 

レポート 2 へつづく

 

 


 

 

アブラギリで 新商品開発 レポート まとめ

レポート 1 2 34 ・ 5 6

 

 


 

 

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アブラギリを活かそう レポート 5

2020-10-15 23:55:24 | 製作記録

こちらの写真はレポート3で紹介した、加工途中のアブラギリ材 ↓

 

 

この材は、反ったり、焦げたりと手間はかかりましたが、ついに生まれ変わりました。

抽斗の取手へ変身!

 

 

取手下には掘り込みをして、手がかかりやすいようにしてあります ↓

 

抽斗の前板は屋久島産地杉です。

赤身の地杉に、白色系のアブラギリ材を配して、取手が際立つようにしました。

今回のように、反りの大きなアブラギリ材でも、このように単独の取手と活かせば十分に家具材として使うことができます。

 

 


 

 

取手以外の、アブラギリ材の活用例として、「ハシバミ」加工に使いましたので合わせて今回紹介します。

ハシバミ(端ばみ)とは、無垢板の反りや狂いを防ぐため、板の繊維方向に対して直交するように、

同じ板厚にした棒状の部材を木口に嵌め込んで取り付ける方法。

 

今回は、杉材のキャビネット天板や棚板の端に、アブラギリ材をハシバミとして取り付けてみました。

 

 

クランプで固定しているところ

 

 

本当は、当て木をした上からクランプするのが良いのですが、省略しています。

写真のように、直にクランプすると、材料にクランプで締めた跡が残ることがあるので注意です。

 

 

こちらは当て木をしてクランプしているところ ↓

クランプ一本で済ませていますが、本当は両サイドに一本ずつあると良いです。

 

この杉材は、一度、乾燥させて保管してあったものですが、台風10号の時に濡らしてしまい、

その後、十分に乾燥させないで加工に入ったためか、板剥した後に反りが出てしまいました。

そのため、その反りを矯正するために、写真のようにクランプをかけて、ハシバミを取り付けているところです。

 

 

これはハシバミをした、キャビネットの天板 ↓

 

 

天板は、3枚の杉板を、板剥ぎしてあります。

白い真ん中が白太、両サイドの赤茶色の材が赤身です。

このように濃淡をつけることができるのも杉材の魅力ですね。

 

福島木工家具店では、主に屋久島産の地杉を利用した家具制作をしていますが、

このように、同じ屋久島産の広葉樹を組み合わせることもしています。

 

 

今回作っていたものは、コチラ ↓

 

 

事務所兼ショールームに、椅子などの展示と保管ができる棚。

仕事場の事務所用ということで、アブラギリ材を試験的に使ってみた次第です。

 

今回の製作は、シーズニング不十分、また、先ほど書いたように一度濡らした材の乾燥も不十分の突貫工事でした。

自家用なのでこのような荒い制作をしましたが、お客様の場合はものすごく慎重にしています。

 

 

こちらの写真は、制作後に大きく板材が縮んだところ ↓

 

 

東の窓側で、日がよく当たり、杉材の天板が縮んで、さらに下方向に反りました。

短期間(つくって10日くらいかな)に、ここまで大胆に狂うのは珍しいです。

ハシバミとしてのアブラギリ材には、縮みや狂いは今のところ出ていないようです。

 

無垢材の家具は、直射日光の当たる場所での使用は避けた方が良いです。

やはり太陽光は無垢材にとっては強烈です。

また、冷暖房の送風が直接当たるような場所でも、無垢材は反ったり、狂ったり、割れたりすることがあります。

 

このように、取り扱いには色々と注意することがありますが、

無垢材で作られた家具というのは、その存在感、質感、手触りなど、

五感で感じることができる魅力があります。

 

私はこの魅力にどっぷりと浸かってしまったために、日曜大工や趣味の範囲を超えて、家具職人となってしまいました。

大変な仕事ですが、毎日、木と向き合えるのは幸せです。

 

レポートしてきたアブラギリ材ですが、現在、あらたなモノづくりに挑戦しているところ。

先日、お知らせした、木の日のイベントで販売できる製品に仕上げていきたいと思います。

 

「アブラギリを活かそう」 まとめ  レポート1 レポート2 レポート3 レポート4 レポート5

 


 

 

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アブラギリを活かそう レポート 4

2020-10-11 08:12:06 | 製作記録

前回の続き、

反った角材を、再び手押しカンナと自動カンナを使って、真っ直ぐにしました。

 

続いて、ドラムサンダーという機械(自動ペーパーがけ機みたいなもの)を通して表面をきれいにペーパーがけします。

この機械を通した時に問題が・・・

 

電気丸ノコを使っているとき、気にはなっていたのですが、

その問題は焦げ付き ↓

 

 

ドラムサンダーを通した際、3本のうち、手前の2本に焦げ付きが出ました。

 

普段は地杉を使っているので、このようなことは、あまりないのですが、

たまに広葉樹の加工で焦げ付きを出すことがあります。

 

私の経験上、このような焦げが出ることがある樹種はヤマザクラかな。

あっ、それにイスノキも焦げますね。思い出せば他にもあるかもしれません。

 

焦げの原因は、ペーパーの目詰まりなどでなりますが、樹種、樹種の中でも固有のものによることがあります。

今回のケースでは、同じように加工しているのですが、3本のうち1本には焦げはありませんでした。

自然相手なので原因がわからないこともあり、完全な対策をとることは難しいです。

 

これも一つの経験となり、アブラギリは焦げを出すことがある、ということがわかりましたので、

次回からの加工は、焦げる想定をした上で進めていくことができます。

 

経験値アップですね。

 

 

この3本のアブラギリの角材は、こうして ↓

 

 

途中で、こんな機械(トリマー)を使ったり ↓

 

 

こうなり ↓

 

だんだんと形づくられていくのです。

 

レポート 5 へ つづく

 

「アブラギリを活かそう」 まとめ  レポート1 レポート2 レポート3 レポート4 レポート5

 


 

 

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今日のモッチョム

2020-10-10 14:15:16 | 日記

 

今日のモッチョム岳です。

 

今朝はとても静寂な朝を迎えました。

昨日までの台風14号の大風から一変、極端な「静」と「動」の落差を存分に味わうことができました。

 

幸い、大きな被害はありませんでしたが、3〜4時間ほど停電したり、

保管している材木シートが、ビリビリに破れたり、高圧洗浄機で自宅と仕事場を洗ったりと、後始末の仕事が増えました。

 

 

↑ 耐久性のある#4000のシルバーシートを使っているのですが、

日当たりの良い場所では紫外線による劣化のせいか、1年持ち堪えることができません。

気のせいか、最近のシートは耐久性が弱くなり、破れやすくなっているように感じます。

近年の様々な災害を考えると、メーカーさんには、もっと頑丈で長持ちするシートを期待したいです。

 

畑の草刈りをした後の台風でしたので、

 

 

大きく高く育っていたモロヘイヤ(写真右手前)は部分的に倒れてしまいました。

 

そうそう、敷地になっているグァバが先月より収穫時期です ↓

 

 

我が家では、ゼリーにしたり、シャーベットにしてヨーグルトと混ぜていただいております。

とてもおいしいです。

台風でだいぶ実が落ちましたが、もうしばらくは、自然の恵みを楽しむことができます。

 

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「木の日」 イベントのお知らせ

2020-10-06 19:23:51 | 日記

先日、木育ブログ で紹介しました、「木の日」イベントのお知らせですが、

日程の時間に誤りがありましたので訂正しました。

正しい日時でのご案内を、こちらのブログでも、以下に紹介しておきます ↓

 


 

イベントのお知らせです!

 

昨年よりはじまりました毎年一回の「木の日」イベントです。

 

福島木工家具店からの出展品は只今準備中です ε-(´∀`; )

昨年同様、木の積木 やくしまつみき は出展予定ですが、他にも木育に関するモノを出したいです。

 

イベント準備の途中経過を、この木育ブログで紹介していければと考えています。

 

屋久島町みどり推進協議会主催により、下記日程で行われます。

 

島内の木工作家さんが、いろいろな木製品を出展しますので、皆さまお楽しみに!

 

以下、お知らせ案内文 ↓


 

屋久島木材フェスタ

 

木を見て!触れて!遊んで! 木の魅力を見直そう!

十月八日は「木の日」、10月は「木づかい推進月間」となっています。

 

屋久島には、地杉や広葉樹など魅力的な木材があります。

この機会に、木の良さ・魅力を再発見し、暮らしに木製品を取り入れましょう。

 

展示期間:           1026日(月)〜 30日(金)

展示時間:         1026日       12:00 〜 17:00(初日は午後より)

                         10月27日 〜 30日     9:00 〜 17:00

販売・クラフト体験日時: 1031日(土)          9:00 〜 14:00(最終日は早く終了)

場所:  屋久島町役場 本庁 フォーラム棟

 

【主催】 屋久島町みどり推進協議会、熊毛流域森林・林業活性化センター

【協賛】 屋久島地区林材協会

 


 

↓ チラシはこちら

 

 

 

昨年の「木の日イベント」は、屋久島経済新聞さん が取り上げてくれました。

昨年記事はこちら → 屋久島産材使った木製品のフェア 「屋久杉だけじゃない」島産木材の魅力PR

 

 


 

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アブラギリを活かそう レポート 3

2020-10-05 07:38:33 | 製作記録

長さ約1400mm、30mm厚の角材をおおよそ三等分にカットしたところ ↓

板材表面の色は時間の経過により茶色っぽくなっていますが、切断面は白っぽい色をしています。

この色の感じが桐に似ているのでアブラギリという名前がついているのかもしれません。

 

続いて、自動カンナという機械で樹皮部分を除く3面をカンナがけして厚みを揃えました ↓

白さが際立ちました。木目もなんとなく桐に似ていますね。

木材の重さは桐のようには軽くありませんが、一般的な広葉樹よりは軽いです。

 

続いて樹皮の部分を落とすためににバンドソーを使います ↓

堅木ではないのでサクサクと切ることができます。

バンドソーは刃の厚みが薄いので、電動丸ノコやテーブルソーに比べると切断の抵抗・摩擦が少ないです。

その反面、切断面にはノコ刃の跡が大きく残り、きれいには仕上がりません。

 

改めて自動カンナをかけて直方体、つまり90度の四角形になるようにしてシーズニングします。

シーズニングとは、木工では各部材を作るときに、ひとまわり大きく加工したのち、適当な期間乾燥させ歪みを出すことです。

 

今回のように、板材から角材をつくって、すぐに必要な部材の大きさに加工してしまうと、その後に反りや割れなどが起こることがあります。

木は水分を含んだ繊維の塊です。

また、生育環境や樹形の関係から木材内部に応力を含んでいます。

切断したり、カンナをかけたりすると、新しく外気に触れたり、切断による応力の変化により変形が起こります。

 

私はいつも屋久島産の地杉を使っているのですが、仕上のシーズニングは最低1週間以上。

湿度が高かったり、気温が低かったり、天候が悪いなどの条件が重なれば2〜3週間以上します。

時と場合により、エアコンの風を直接木材に当てて、強引に歪みを出すこともあります。

これは仕上げのシーズニングの話で、材料を仕入れてからの乾燥は数ヶ月以上かけています。

無垢の家具づくりには時間がかかります。

 

さて、角材にしたアブラギリを、まずは1日風通しの良い場所でシーズニングしてみました。

 

翌日見てみると、このように変形していました ↓

おわかりでしょうか?

前日は、自動カンナでピシッと隙間なくひっついていたのですが、

1日でもうこんなに隙間が出ているのがわかるほど反っています。

 

これは、アブラギリ が非常に反りやすくて、木工には向いていないという訳ではありません。

 

もともと激しく反っていた板材を使ったこと、それに、写真でもわかりますが、

木目が途中で切れていて真っ直ぐに通っていない材であったことから、このような結果となりました。

 

 レポート 4 へ つづく

 

「アブラギリを活かそう」 まとめ  レポート1 レポート2 レポート3 レポート4 レポート5

 


 

 

福島木工家具店

オーダー・造作家具 木製品設計制作

〒891-4404 鹿児島県熊毛郡屋久島町尾之間752

mail :  fukumoku1@gmail.com

T/F :  0997-47-2695

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アブラギリを活かそう レポート2

2020-10-01 07:19:05 | 製作記録

先日、アブラギリを森林管理署より引き取ってきました。

島内の木工業者数者と分けて、福島木工家具店は、板材など20枚ほど頂きました。

 

森林管理署との契約書には、

「試行的に木製品の制作等を行い、今後の屋久島の特産品として寄与していくこととする」ことを条件に今回のアブラギリは譲与、つまり無償で頂いたのでした。

ただし、材料としてのアブラギリを横流ししたりすることはいけません。

 

また、譲与されたアブラギリをどのように使用したのかをその過程を写真により管理し、製品として完成したら屋久島森林管理署へ報告する約束があります。

せっかくのご好意です。何かしらのカタチにして結果を出していきたいと思います。

 

さて、早速試しに板材の加工をしていきましょう。

 

倉庫に山積みになっている時はそれほど気にはしていませんでしたが、こうして一枚一枚手に取ってみてみると、

結構暴れています、つまり板材が反っています。波打っていたり、割れが入っているものもあります。

 

みなさん、元気に伸び伸びと、屋久島の大雨や台風の大風に負けじと、健(したた)かに育ったのでしょう。

一筋縄ではいかない個性派揃いです。

 

そんな彼らを適材適所で収めていくのが我ら木工家の腕の見せ所です。

と格好良いことを言いましたが、相手は自然のものなので人間の思うように完璧にはいきません。

お互いの良い塩梅で歩み寄ったところで納得し、決めていきます。

 

適当な一枚を選び、電動丸ノコで縦にカット ↓

板の厚み約30mm、縦の長さ1400mmのアブラギリ板材

 

こういう反りの激しい板材を丸ノコで切断する際は、キックバックに注意しなくてはなりません。

 

キックバックで大怪我する方が多いです。

キックバックとは、切断中にノコ刃が材料に挟まって、その反動で丸ノコがすごい勢いで跳ね返ってくる現象です。

 

丸ノコには安全カバーがついているのですが、電気で勢いよく回転している刃がグッと木材に挟まって急激に止まろうする反動なので、

その跳ね返ってくる速さは一瞬でアッという間です。

 

私も何度か危ない経験をしたので、慎重に作業を行うようにしています。

大事なのはスイッチを入れる前に、最悪の事態を想定して、そうなった場合はどうなるのか、

そうならないにはどうしておけばよいかを予めシュミレーションし、これなら安全だと対策をしてからスイッチを入れるようにしてます。

 

上の丸ノコで切断している写真は、すでに切れ目が入っているところを再度丸ノコで切っているところです。

今回の板材は30mmの厚みがありますが、この厚みを切断するために3回に分けて丸ノコを通しました。

つまり、1回につき10mmづつ深くして切断しました。

このように複数回に分けて切断していくと、途中でノコ刃が反ってくる板材に挟まれにくくなるので危険度を減らすことができます。

 

アブラギリレポートのはずが、丸ノコの話になってしまいました。

丸ノコ話ついでに書かせていただきますと、この写真に写っているリョービの丸ノコは、

私が19年前、屋久島へ移住して日曜大工をはじめるぞ!と気合を入れて買った思い出の一品です。

 

レポート 3 へ つづく

 

 

「アブラギリを活かそう」 まとめ  レポート1 レポート2 レポート3 レポート4 レポート5

 


 

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