福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

帰省日記 5 シンポジウム後編

2009-05-23 06:55:10 | 日記
シンポジウムの感想の続きです・・・


次に使い手(顧客)からのご意見、

最近の木工家具の展示会へ足を運んでも、これ欲しい・これいいな、というものがないという痛烈な一言から始まりました。

これはおそらく前出の年配の木工家と比べて若い木工家、もしくは作家と呼ばれる人達のことと思われる。


また、最近の木工家はデザイナーになっているとの意見もあった。

実用、機能面より見た目勝負になってきていると言うことだと思う。

確かに、斬新で奇抜なあっといわせるデザインは人目を引きます。

ですが、日常生活で毎日使うものとなれば、これらに財布の口はなかなか開きません。

購入したとしても、その後に熱が冷めて飽きてしまうこともあります。


ではどんな家具が売れるのか、もしくは欲しいと思うのか?

使い手の方はこんなことを言っていました。

「私は、作り手の精神にお金を払います」

これもまたストレートで気持ちのいい意見。

私もこの気持ちは、少しずつですが、なんとなくわかるようになってきました。


今まで買う買わないのポイントとして、全国展開のチェーン店、大手メーカー等は、社会的に認知されているから、

安心で安全、間違いないから大丈夫と盲目的に信用していました。

でも実態は、近年見られるように、お客様の立場よりも利己的、保守的な側面があぶりだされてニュースになっています。

そこにはもやは、社会のため、人の暮らしのためという大前提が無くなっています。

つまり、自分勝手、独りよがりです。

儲かれば、他社より利益が多ければ、有名になれば、もっと地位が高くなれば・・・

使う側、利用する側も、少しでも安ければ、早くて便利なら、他より格好よければ・・・

と切のない追求をしていますが、どうやらこのような時代もそろそろ自壊し始めているようです。


転じて、地域のものへ目を向けてみると、

値段は少し高かったり、サービスが遅かったり、一見、不便で格好悪いと思っていたものが、

実は本当に良いもの、確かなもので、それが身近にあったのだなあと実感することがあります。

これは、陰ながら地域のためにお役目を果たしている人達がいるからだと思います。

決して派手ではなく、目立つことも無く、これといって話題にもなりませんが、

ずっと営みを続けていてくれることに敬意を表したいと思います。


ちょっと話が飛んでしまいましたが、作り手の精神にお金を払うという行為は、

人と人との繋がりが大切ということで、つまり、人は人によって生かされているのだなあと・・・


ある人が言っていました、

「より真剣に仕事や芸に打ち込み、周りの人間を生かす様に頑張り、生き続けなさい」と。



コメント
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