福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

帰省日記 4 シンポジウム前編

2009-05-22 18:01:28 | 日記
講演会に引き続いて、シンポジウムが行われました。

題目「暮らしの中の木工家具 - 作り手と使い手を結ぶもの」

作り手(木工家)、使い手(顧客)、売り手(ショップ)、伝え手(コーディネーター)の4者での議論。


こういうシンポジウムに出席するのは初めてで、恥ずかしながら木工家という人たちを見るのも初めてのことで、

ふむふむ、ほうー、へえ~という感じで聞き入っておりました。


木工家具業界というのは、この国の社会経済からすれば、狭い世界であることは否めません。

しかも、量産メーカーでなく、今回のように手作り家具の業界となれば、本当にごく一部の世界です。

そのごく一部の世界の人たちが全国から集まってシンポジウム、ディスカッション、展示会を今回の規模で

開催するのは珍しいことなのかもしれません。

時代の流れでしょうか、今後が楽しみです。

独学の私からすれば業界はもちろん、木工家の実態すら未知だったので、これらを垣間見るいい機会となりました。


さて感想ですが、

まずは、生の木工家の人たちを見て、

十人十色といいますが、木工家と呼ばれる人たちもバラエティに富んでいます。

普通?に頑固一徹な職人風、イケイケGoGoの木工家具は勝負だ!という熱血体育会系、計算高い知的な理数系、

文学・詩を愛しそうな人、ただ寡黙なのだけれども存在感ある人、悩みながら何かを探求してそうな人などなど、

昔、学校のクラスで見られたどこにでもいる一通りの人達で、特に木工家だからといって、いかにも職人っぽく、

髭を生やして紺色の作務衣を着ているような人ばかりではありませんでした。ホッ


木工家の人たちが考えていること、

意外なことに、木工家と呼ばれることに違和感や抵抗感を感じているとのこと。

これは木工を始めて間もなかったり、まだまだ修行の身であると自身を戒めている場合には理解できますが、

年配の有名な木工家より出た言葉なので驚きました。

その人曰く、昔は木工家というのは無く、家具は職人さんが地元の町工場で作っていた。

職人さん(作る人)は、当たり前の日常生活を日々することにより、デザインや機能が家具に反映されていた。

その日常から離れてしまっては本当の家具は作れない。

なので木工家、作家、と呼ばれるのはちょっと違うというようなお話であった(と解釈しました)。

この考え、謙虚な姿勢に共感しました。

私も改めて、“町の身近な家具屋さん”で頑張って生きたいと再確認できてうれしく思いました。


つづく


コメント
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