りょうちゃんの様子

2015年07月27日 09時01分43秒 | 日記
ベティちゃんが息を引き取って駆け付けた時、りょうちゃんは、まだまだ寝ていて、実家に着いてから目を覚ましたけど、当然ながら、りょうちゃんにはまだ「死」というものがわからないから、ベティちゃんは寝てるだけと思ったかもしれない。

それでも、涙する大人たちの様子を見て、きっと何かしら感じるものはあったんだろう。

いったん家に帰って朝ご飯を食べ、火葬の時間が決まったのでレンタカーを手配し、花屋でベティちゃんの棺に入れる花をりょうちゃんと選び、実家に行った。

すると、ジイジがダンボールにキレイな紙を貼って、かわいい棺を作って、その中でベティちゃんが眠っていた。

味気ないただの箱じゃなくて、かわいくしてあったのがホントに嬉しかった。

りょうちゃんと二人、ベティちゃんの周りに花を入れ、亡きがらを写真に収めた。これが、正真正銘、ベティちゃんの最後の姿。

前日、生きている時に、動画や写真を撮っておけばよかったなぁ。

だけど、ベティちゃんと話をした時の、真剣に耳を傾けているような姿は目に焼き付いているから、それでいいのかもしれない。

みんなで火葬場に出発し、本当に本当の最後のお別れをした。

りょうちゃんも、促されるままに身体を撫で、バイバイと手を振った。

ベティちゃんを入れた棺を火葬するため、焼却炉の扉が閉められたとき、急にりょうちゃんが、

「さみしい」

と一言つぶやいて号泣した。

寂しいという言葉の意味が、わかっているかどうかはよくわからない。ギーッと音を立てて扉が閉まる様子が、異様で怖かったのかもしれないし、大人たちの様子に感化されたのかもしれない。

ベティちゃんだけが扉の向こうに消えたことで、もう本当に会えないんだと、実感としてわかったのかもしれないけど、それはよくわからない。

とにかく、りょうちゃんは、ひとしきり泣いた。

骨を拾うときは、骨に興味津々で、これが大腿骨、これが脛、これが顔、という火葬場の人の説明をよく聞きながら、しっかり見ていた。

その後、私がレンタカーを返しに行ってる間、一足先に実家に戻っていたりょうちゃんを迎えに行った時、私の顔を見て二言三言言葉を交わした後、

「おはな、いれたくなかった~」

と言いながら、急にりょうちゃんが号泣した。

ベティちゃんと一緒に花が燃えてしまったことが、嫌だったらしい。

そのまま家に帰ったけど、家でもりょうちゃんはメソメソしていて、夕方5時頃にそのまま眠りにつき、こんこんと眠った。

きっと、相当疲れてたと思う。

私もりょうちゃんの隣で横になったけど、全然眠れなくて、ベティちゃんのことばかり考えてた。

りょうちゃんは、翌日、まさかの夜中の3時に起きて、それから10時過ぎまで起きてたけど、3時に起きた時、

「あした、りょうちゃんにおはなかってね」

と言った。

それから、10時に寝て14時頃に起きたとき、

「ベティちゃんは、もうあの箱から出てきたかな?」

と聞いた。

眠りながら、りょうちゃんは頭の中で、いろいろと整理をしてたんだろう。

「ベティちゃんは、どうして骨になったの?」

と聞かれたので、死んじゃったからだよ、とかいろいろ説明したけど、最後に、ベティちゃんはいつか、生まれ変わって、りょうちゃんのところに戻ってくるよ、と言ったら、

「ふ~ん、そうなんだ!」

と納得してた。

りょうちゃんは、それで少し安心したのかもしれない。

いつか、りょうちゃんがもう少し大きくなったら、もう一度、ベティちゃんの死について、どんなに見事な最期だったか、話して聞かせてあげよう。