山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

107:努力

2020-04-01 | 新・知だらけの学習塾
107:努力
――第9講義:人間力
人間力のある人には意欲がある
意欲のある人には夢がある
夢のある人には目標がある
目標のある人には努力がある
努力のある人には失敗がある
失敗のある人には反省がある
反省のある人には経験がある
経験のある人には智恵がある
智恵のある人には人間力がある

最初に「努力」と反対の語句を引いておきます。労せずして功を得る。最近の若者を見ていると、どうもこうしたお手軽タイプが増えているようです。「努力」とは、「目標」に向かって切磋琢磨することです。

部下に業績評価のフィードバックを、したときの逸話です。私は断固として、最低の評価を告げました。「がんばっているのに」といって泣かれてしまいました。企業人にとって、評価の大前提は成果の有無です。

企業はどの社員にも、均一のインプットを与えています。インプットとは、環境、情報、知識のことです。ところがアウトプットは天と地ほども違います。アウトプットとは、成果、業績のことです。件(くだん)の人は成果が芳しくないのに、インプットとアウトプットの中間にある、プロセスの評価を求めたのです。

プロセスについては、上司が特別に関与しなければならない大切な部分です。当然、上司である塾長は大いに関与してきました。なぜならプロセス部分の優劣が、アウトプットの根幹だからです。

 営業の世界では、プロセス部分を「営業活動のブラックボックス」と呼んでいます。話法の熟成度、顧客ニーズの把握、学術資材の活用、クロージング能力など、ここにはデータベースで解析できない要素ばかりが散在しています。唯一ここを垣間見ることができるのは、営業マンの上司しか存在しません。

「努力」について、大切にしている文章があります。紹介させていただきます。

(引用はじめ)
努力して結果が出ると、自信になる。
努力せず結果が出ると、傲りになる。
努力せず結果も出ないと、後悔が残る。
努力して結果が出ないとしても、経験が残る。
(引用おわり。発言者不明)

幸田露伴の『五重塔』(岩波文庫)は、ブログ「山本藤光の文庫で読む500+α」で紹介させていただいています。幸田露伴にはもう1作、素晴らしい著作があります。『努力論』(岩波文庫)がそれです。ちょっとだけ紹介させていただきます。

――努力することは素晴らしいことだ。しかし、自分が努力していると思っているうちは、まだまだダメだ。そこにはまだ自分の中にやりたくない気持ちが残っていて、それでも無理にやっているという不自然さがある。(中略)自分がやっていることが自分にとって自然であると感じられるような努力をしよう。それこそが努力の真髄であり、醍醐味なのだ。(幸田露伴『努力論』岩波文庫)

あの「がんばっているのに」の人には、ぜひ読んでもらいたい本です。

影野小枝:「努力」でネット検索をしたら、こんなのがありました。笑ってしましました。
――「努力」より先に「成功」が出るのは、辞書の中だけである。(作者不詳)

ちなみに「影野小枝」は、塾長が著作に用いている「影の声」から命名したものです。

今野勉『宮沢賢治の真実』購入

2020-04-01 | 妙に知(明日)の日記
今野勉『宮沢賢治の真実』購入
■四月になりました。新入生、新社会人のスタートの日ですが、式典は催されないでしょう。一日も早く武漢肺炎が終息してくれることを祈るばかりです。娘からのメールで、外出禁止令が出されてしまいました。しばらくは蟄居することにします。■今野勉『宮沢賢治の真実』(新潮文庫)が出ました。さっそく買い求めました。本屋へも行けないので、最近はもっぱらアマゾンでの購入です。アマゾンは大幅に売上を伸ばしていることでしょう。■宮沢賢治関連書籍を紹介させていただきます。
――高橋源一郎:ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ(集英社文庫)
――山下聖美:賢治文学・呪いの構造(三修社初版)
――吉本隆明:宮沢賢治の世界(筑摩書房)
――三宮麻由子:世界でただ一つの読書(集英社文庫)
――天沢退二郎ほか:図説宮沢賢治(ちくま学芸文庫)
――嵐山光三郎:追悼の達人(中公文庫)
――嵐山光三郎:文人悪食(新潮文庫)
――嵐山光三郎・編:文人御馳走帖(新潮文庫)
――池内紀:文学フシギ帖(岩波新書)
――井上ひさしほか編座談会・昭和文学史・第2巻(集英社)
――岩波明:文豪はみんな、うつ(幻冬舎新書)
――井上ひさし:風景はなみだにゆすれ・エッセイ集2(中公文庫)
――桶谷秀昭:日本人の遺訓(文春新書)
――カセット文芸講座:日本の近代文学(CBエンタープライズ)
――鎌田浩毅:使える!作家の名文方程式(PHP文庫)
――鎌田東二:霊性の文学・霊的人間(角川ソフィア文庫)
――ドナルド・キーン:日本文学史・近代現代篇8(中公文庫)
――黒井千次:石の落葉(筑摩書房)
――国文学編集部:宮沢賢治の全童話を読む(学燈社)
――小谷野敦:現代文学論争(筑摩選書)
――塩澤実信:文豪おもしろ豆事典(北辰堂出版)
――座談会・昭和文学史・第1巻(集英社)
――新潮日本文学アルバム・宮沢賢治
――菅原千恵子:宮沢賢治の青春(角川文庫)
――ダ・ヴィンチ:解体全書Ⅰ(リクルート)
――千葉俊二・坪内祐三編:日本近代文学評論選・明治・大正篇(岩波文庫)
――中川越:文豪たちの手紙の奥義(新潮文庫)
――出久根達郎:作家の値段(講談社文庫)
――爆笑問題:日本文学者変態論(幻冬舎)
――畑山博:わが心の宮沢賢治(人物文庫)
――林由紀夫:宮沢賢治フィールドノート(徳間文庫初版)
――福田国士:文豪が愛し名作が生まれた温泉宿(祥伝社新書)
――矢川澄子:わたしのメルヘン散歩(ちくま文庫)
――山田風太郎:人間臨終図巻1(徳間文庫)
――吉本隆明:父の像(ちくま文庫)
――吉本隆明:宮沢賢治の世界(筑摩選書)
――吉本隆明:初期ノート(光文社文庫)
――王敏(ワン・ミン):謝々!宮沢賢治(朝日文庫)
山本藤光2020.04.01