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<管制>誤指示2管制官にやはり無罪判決(日航機)

2006-03-20 | 事故・事件・トラブル
<コメント>
2001年1月、日航機同士のニアミスに関し、指示ミスを犯した管制官に対し無罪が言い渡された。
日本国内に於ける国家公務員航空管制官擁護については、先の2006年1月27日のブログにてコメントした(最下部の関連記事参照)が、予想通り残念な判断となった。決してミスを犯した管制官を非難するコメントとして受け取ってほしくなく、あくまで航空管制を管理する国の杜撰さの結果なのだ。
また裁判官は「蜂谷被告の指示は、その段階では、衝突を招く危険な行為ではなかった」と主文に記しているようだが、これが危険な行為でないならば、何が危険な行為なのだろう?まさかとは思うが、取り返しがつかない事故の事だろうか?
さらにその上で、「RA(回避指示)がいつどのように作動するか、具体的な情報は管制官に提供されず、両被告も認識できなかった」と述べている。回避行動の後、航空機がどのような飛行をするか解らなかったと言っているのだ。そのような状況で、本当に空の安全が守られるのだろうか?
ご存じのように機長になれば、否応なしに半年に一度試験があり、不合格となると空を飛べない。管制官はどうだろう?
管制官は独自のOJTはあるものの、一度資格を取れば「永久に」(定年まで)その資格は有効となる。向き不向きにかかわらずである。海外では、その適合を重視し、民間に管制業務自体を委託している国さえある。
日本国内の航空路は神戸空港近辺を見る通り、過密状態にある空域もある。まさに管制官に命を預けて飛んでいる。国の管理下で今後も運営するのであれば、国民に解るように適正や訓練状況など、セキュリティーに抵触しない限り公開していただきたいものだ。「安全」の意識を今回の判決を真摯に受け止め向上確立していただきたい。

(読売新聞) - 3月20日21時11分更新
 静岡県焼津市上空で2001年1月、日本航空907便と同958便が異常接近(ニアミス)し、907便の乗客ら57人が重軽傷を負った事故で、業務上過失傷害罪に問われた国土交通省東京航空交通管制部の管制官籾井(もみい)康子(37)、同蜂谷(はちたに)秀樹(31)両被告に対し、東京地裁は20日、無罪の判決を言い渡した。
 安井久治裁判長は「管制官が便名を言い間違えて降下指示を出したことが、直接の事故原因とはいえない」と述べた。
 ニアミスで管制官の刑事責任が問われたのは初めてで、検察側は、誤った指示を出した蜂谷被告に禁固1年、同被告を監督する立場にあった籾井被告に禁固1年6月を求刑していた。
 判決はまず、両便が接近した際、衝突を回避しようとした蜂谷被告が、958便に出そうとした降下指示を誤って907便に出し、907便も衝突防止装置(TCAS)の上昇指示に反して降下を続ける一方、958便がTCASの降下指示に従ったため、ニアミスが起きたと認定した。
 しかし蜂谷被告の降下指示後、もしTCASが作動していなければ、958便は水平飛行を続けたはずで、この場合、両機は安全な間隔を保っていたと指摘。「蜂谷被告の指示は、その段階では、衝突を招く危険な行為ではなかった」と述べた。
 そのうえで、<1>TCASの作動は管制官の側では把握できない仕組みになっている<2>日航のマニュアルによると907便はTCASの指示に従うべきだったが、機長は失速の危険を恐れて降下を続けた――などの事情を考慮。蜂谷被告について「事故を予見できなかった」と過失を否定し、同被告の指示を是正しなかった籾井被告にも過失は認められないとした。
 さらに「降下を続けた907便の機長の判断にもやむを得ない面があった」と述べ、「刑事責任を管制官や機長という個人に追及することは相当でないように思われる」と結論づけた。
 ただ、判決は、蜂谷被告が公判で「降下指示は正しかった」と主張したことについては、「言い間違いがなければ、事故は起きておらず、管制官としての自覚に欠ける」とも批判した。
 両被告のほか907便の機長(46)も書類送検されたが、東京地検は04年3月、嫌疑不十分で不起訴としている。

(関連記事)航空管制トラブルについて考える

<ボンバルディア>またトラブルで引き返す

2006-03-20 | 事故・事件・トラブル
<コメント>
YS-11の後継機として導入された「ボンバルディアDHC8-Q400」だが、トラブルが収まらない。今回は右尾翼昇降舵(だ)の誤作動を示す操縦席の警告灯がついたため大阪空港へ引き返した。航空性能としては対YS-11で、巡航速度1.5倍、低騒音、低コストなどで勝っている。が、イレギュラー運航や重大インシデントが後を絶たない。4月には全面改修との話もあるが、すべての箇所が網羅されているかは不明。
トラブルの多い、伊丹-高知便では2003年11月に89.6%あった搭乗率が55.1%にまで落ち込んでいる。「安心」「安全」なくして航空業界は成り立たない。
なお、今までのトラブルはJACが81件、ANAが66件にのぼっている(2006年1月現在)。

(読売新聞) - 3月19日20時48分更新
 19日午前11時40分ごろ、大阪(伊丹)発新潟行き全日空1657便(ボンバルディアDHC8―402型機、乗客・乗員75人)が名古屋市上空を飛行中、右尾翼昇降舵(だ)の誤作動を示す操縦席の警告灯がついたため、大阪空港に引き返した。
 乗客、乗員にけがはなく、別の機に乗り換え、約2時間遅れで新潟に到着した。
 全日空によると、昇降舵に異常はなく、警告灯の誤表示とみている。
 カナダ・ボンバルディア社製の「DHC8―400型」系機は、全日空グループと日本航空グループが、国内で18機を運航しているが、車輪の格納不具合や、速度計の誤表示などの故障やトラブルが相次いでおり、昨年以降だけでも、これで36件目になる。

◇2003年からのイレギュラー運航
2003/06/28 JAC 大阪-出雲 車輪が格納されず引き返し
2003/10/01 JAC 大阪-松本 車輪の格納庫が閉じず引き返し
2003/11/10 JAC 大阪-松本 航空管制装置に異常引き返し
2004/01/21 JAC 鹿児島-屋久島 方向蛇に不具合引き返し
2004/06/02 JAC 鹿児島-屋久島 操縦系統に不具合引き返し
2004/06/06 ANA 大阪-高知 方向蛇の不具合を示す引き返し
2004/07/05 ANA 大阪-長崎 油圧ポンプ異常で福岡へ着陸
2004/08/07 JAC 大阪-出雲 エンジン油圧上昇引き返し
2004/08/08 JAC 大阪-青森 エンジン不具合引き返し
2004/11/21 ANA 大阪-高知 右車輪滑走路から逸脱、重大インシデント
2005/01/09 JAC 大阪-隠岐 油圧系統に不具合、引き返し緊急着陸
2005/02/06 ANA 大阪-松山 車輪が格納されず引き返し
2005/02/15 JAC 鹿児島-屋久島 気象レーダーに不具合引き返し
2005/02/16 JAC 鹿児島-奄美 エンジン停止し引き返し
2005/02/20 ANA 大阪-松山 プロペラが異常回転し引き返し緊急着陸
2005/03/01 ANA 高知-大阪 客室与圧トラブルで引き返し
2005/03/01 ANA 高知-大阪 同上、違う便で発生
2005/04/02 JAC 大阪-出雲 着陸後前脚に異常、滑走路閉鎖
2005/04/09 JAC 松山-大阪 エンジン油圧計器異常でエンジン停止、緊急着陸
2005/05/06 ANA 松山-中部 車輪が格納されず引き返し
2005/05/26 JAC 松山-大阪 油圧低下し舵動かず、滑走路閉鎖
2005/05/29 JAC 鹿児島-松本 車輪格納されず引き返し
2005/06/17 ANA 大阪-高知 客室で白煙発生引き返し緊急着陸
2005/06/20 ANA 大阪-高知 自動操縦装置に不具合、引き返し
2005/07/26 ANA 中部-福岡 車輪が格納されず引き返し
2005/08/03 ANA 福岡-中部 ドア閉じていない表示、高知に緊急着陸
2005/08/11 JAC 鹿児島-屋久島 失速警報装置に異常、引き返し
2005/09/13 ANA 大阪-高知 車輪が格納されず引き返し
2005/09/16 ANA 大阪-高知 車輪が格納されず引き返し
2005/10/01 ANA 中部-米子 エンジン制御装置に異常、引き返し
2005/10/26 ANA 大阪-高知 車輪が格納されず引き返し
2005/11/12 JAC 大阪-出雲 昇降蛇に異常、引き返し
2005/11/16 ANA 大阪-石見 車輪が格納されず引き返し
2005/11/23 ANA 大阪-高知 客室与圧系統に異常、引き返し
2005/12/19 JAC 鹿児島-与論 昇降蛇に不具合、引き返し
2005/12/20 ANA 新潟-中部 プロペラ回転数が過大、引き返し
2006/01/08 ANA 大阪-松山 貨物室が閉じていない表示、引き返し
2006/01/19 JAC 大阪-松本 車輪が格納されず引き返し
2006/01/22 ANA 大阪-松山 車輪が格納されず引き返し
2006/02/07 ANA 福岡-大阪 車輪が格納されず引き返し
2006/02/09 ANA 中部-松山 車輪出ず手動操作、着陸後滑走路閉鎖
2006/02/21 ANA 大阪-松山 空調装置の配線外れ引き返し
2006/02/21 ANA 大阪-佐賀 客室扉が閉じていない表示、引き返し
2006/03/01 ANA 大阪-高知 副操縦士席の速度計に異常、引き返し