素人、考古学・古生物学を学ぶ

人類の起源・進化・移動や太古の昔、日本に棲んでいたゾウ類にも関心があり、素人の目線で考えてみます。

ナウマンゾウの絶滅原因を探る(22)

2020年05月20日 08時26分34秒 | ナウマン象と日本列島

  ナウマンゾウの絶滅原因を探る(22)

 

 絶滅したナウマンゾウのはなし(第三話)

 絶滅原因論しめくくり(その2)

 ここまで来ますと、若干前述したことを振り返りながらすすまなくてはなりませんので、重複することもありますがご容赦ください。

 ところで、間氷期には気温が上昇し、高温化で海水面が上昇する海進現象で、ナウマンゾウなど大型の食(草食)動物にとっては、生息域内の草原や広葉林が狭められ、新しい餌場を求めて、生息域の内陸化が進んだとも考えられます。

 それが内陸での化石の発見に繋がっているようにもえられます。野生ゾウの一日の移動域は相当広く、聞くところでは200㎢にも及ぶのだそうす。

 高温期の海進現象で海没死を免れ、北上していたナウマンゾウの一群が、彼らの知恵で津軽の海を越え て北の大地にまで生息域を広げていたことだけは事実なのです。それが陸橋であったか、結氷した氷橋であったかは断定できません。

 一方、リス氷期における海水準の低下で、大陸、サハリン、そして北海道を結ぶ海峡が陸地化していた大昔のことを考えればの話ですが、ナウマンゾウのアジア大陸ーサハリンー北海道ルート説も浮上し、忠類生息論に繋がる可能性も否定できないと思います。 

 津軽海峡陸橋論にしましても、氷橋論にしましても、専門家(地質学、古生物学)の先生方の間では、意見は分かれ、諸説芬々といいますか、議論百出でして、最終氷期についていえば。津軽陸橋に否定的な見方が多いのも事実です。

 それでも素人のわたしは津軽海峡を越えて、後期更新世の十勝の原生自然を悠然と旅していたであろうナウマンゾウの群れを夢みたい想いに駆られます。

 しかし考えておかなくてはならないことは、これは一つの見方に過ぎませんが、ナウマンゾウが氷期にできた陸橋なり、氷橋を渡って北海道に上陸したとして、その反面で、数万年~10万年に及ぶ間氷期、日本列島に生息していた多くの種のいくつかは絶滅した可能性があるということす。

 そのくり返しの中で、40万年前から列島に渡来はじめたナウマンゾウもまた、後期更新世の末頃には絶滅種となって原因不明のまま消え去ってしまいました。