素人、考古学・古生物学を学ぶ

人類の起源・進化・移動や太古の昔、日本に棲んでいたゾウ類にも関心があり、素人の目線で考えてみます。

生物と絶滅について考える(1)

2023年03月30日 19時10分32秒 | 絶滅と進化

      生物と絶滅について考える(1)

 

 Ⅰ 大絶滅、昔々のことになりますが (その1

 生命の過去5億年の歴史において、オルドビス紀末の大絶滅、デポン紀後期の大絶滅、ペルム紀末の大絶滅、三畳紀後期の大絶滅、そして白亜紀末の大絶滅と5回の大絶滅があったことはよく知られていることです。その5億年で地球において発生した「種」の99%が、すなわち何十億種、否数百億種ともいわれる「種」が絶滅したと推測されています。それら生命は、われわれの目には見えない生き物が大部分であったことも確かです。

 それでも、一万年以上前までは、絶滅する種数は、平均1年あたり100万種につき1種の割合だったといわれています。しかし6回目の大絶滅が予測されている今ではそんな生やさしことではありません。1年ではなく1日あたり100種もの生物が、しかもわれわれの目に見える生物、そしてわれわれ人間によって発見され「種」として認識されることなく、絶滅してしまう生き物も圧倒的に多いのです。

 山形大学医学部ウエブに掲載している記事『野生生物の絶滅』では、「1年間になんと約4万種がこの地球上から姿を消しているのです。驚くべきことに、たった100年で約4万倍以上のスピードになっています。そして現在もなおそのスピードは加速を続け、このままでは25~30年後には地球上の全生物の4分の1が失われてしまう計算」だと、生物多様性が今深刻な危機にあることを訴えています。

 上述した5度目の白亜紀末(6550万年前)の大絶滅もたらした原因は、巨大隕石の衝突が引き起こしたと言われています。このことについて、大阪大学の研究報告(『世界初!! 宇宙速度での衝突蒸発実験に成功』、Nature Geocience オンライン版掲載、2014年3月10日)を読んでみますと驚くようなことばかりです。たとえば、隕石の衝突が引き起こしたことについて、丁寧な注が付いていますので引用しておきます。

 「白亜紀末の大量絶滅(K/Pg事件という)では、一般には、恐竜など大型動物の大量絶滅が大きく取り上げられ注目されますが、それは大量絶滅のごく一部であり、幅広い生物の絶滅が起こったことが知られています。海生動物の科のレベルで約66%が絶滅したと考えられています(参考文献:平野弘道 絶滅古生物学 岩波書店 255p)。)また、「大量絶滅とは、単に多くの生物種が同時に絶滅したということではなく、全地球的に生態系が崩壊しその後再構築される一連のプロセスである」、と説明されています。