素人、考古学・古生物学を学ぶ

人類の起源・進化・移動や太古の昔、日本に棲んでいたゾウ類にも関心があり、素人の目線で考えてみます。

ナウマンゾウの絶滅原因を探る(19)中本博皓

2020年05月13日 11時31分28秒 | ナウマン象と日本列島

   ナウマンゾウの絶滅原因を探る(19)

 

   絶滅したナウマンゾウのはなし(第三話)

 

     ナウマンゾウの過剰狩猟はあったか(その5)

  旧石器時代の富山平野には、ナウマンゾウやヤベオオツノジカなど大型の草食哺乳類が生息していたそうですが、縄文時代早期の頃にはいなくなってしまったそうです。

 なぜいなくなったか、なぜ絶滅してしまったのか、それを考えることは、われわれを取り巻くさまざまな気候変動等環境問題を考える上で実に大切なことだと思います。

 ナウマンゾウが絶滅した、その原因が何なのか、たとえば人類によるオーバーキルによるものなのか、それとも気候変動によるストレスが原因なのか、専門家の間でもまだまだ議論の余地を残しているようです。

 ナウマンゾウやヤベオオツノジカの化石が産出する野尻湖の湖底遺跡(立が鼻遺跡)からは、化石とともに旧石器(時代)人によって作られたと思われる日常使用されていた石器、狩猟に使われたと推察できるナイフ形石器、尖頭器、あるいは石斧などの狩猟用道具類、石刃や彫器の類も多数発見されています。

 たとえば、魚津埋没林博物館の麻柄が指摘しているように、野尻湖周辺では「動物の水場をねらった人類の生活の跡」が窺えることも確かです。

 しかしながら、「こうした狩猟活動がナウマンゾウなどの絶滅につながった明確な証拠」とはなり得ないのではないか、と麻柄もナウマンゾウの絶滅が人間によるオーバーキルなのかどうか、疑問を投げかけています。