素人、考古学・古生物学を学ぶ

人類の起源・進化・移動や太古の昔、日本に棲んでいたゾウ類にも関心があり、素人の目線で考えてみます。

博物館めぐり、その9

2024年08月18日 18時57分52秒 | 絶滅と進化
                
                神奈川県立生命の星・地球博物館めぐり、その3


  この博物館にはとても珍しい展示物が豊富です。35億年前のオーストラリアの西北部に広がる地層から発見されたといわれる最古の生命の化石も展示されています。細胞がいくつもつらなった原始的なバクテリアの仲間ということです。地球上の最初の生命の誕生を知る上に重要なものであることに違いありません。

  地球が誕生して数億年後の地球は原始地球と呼ばれるそうですが、その地球の大気には二酸化酸素が大変多かったのですが、地球に生まれた生命がたくさんの酸素をつくりだすことで、とくに原始的ならん藻類がつくりだした酸素によって、大気の二酸化炭素を減少させて酸素の多い大気に変えたのです。このことは大変重要なことなのです。らん藻類がつくりだした酸素は、年数を重ねてオゾン層を形成し、海から陸上に降り注ぐ紫外線の量が少なくなり、古生代に入るとまずは植物の上陸がはじまり、やがて脊椎動物の誕生へと進展したものと考えられます。つまり原始的な生命が増えることで、大気の環境を変え、われわれ人類の祖先の誕生をもたらしたということを教えてくれるのもこの博物館の凄いところだと思います。

  地球に海ができると、その海では新たな生命を生み育むことになります。それは海には食べ物が豊富だからでしょう。ジュラ紀のイギリスではアンモナイトの壁が発見されております。約1億7千万年前(中生代ジュラ紀中期)のことですが、イギリスのドーセッド郡、ブリッドポートで産出されたものが24枚のパネルから1枚の大きなアンモナイトの壁ができています。これも神奈川県立生命の星・地球博物館ならではの展示物と言えると思います。

  ところで石炭のもとになった古生代の「森」はどのように出来たのかこの「生命の星・地球博物館」に教えてもらいましょう。
  地質時代に石炭紀という時代がありますね。石炭紀は、地質時代の区分のひとつなのです。地質時代では古生代の後半ですが、陸上ではシダ植物が繁茂しており、すでに昆虫や両生類が誕生していたといわれる時代です。それは古生代の後半期でデボン紀の後、ペルム紀の前の時代を指しています。とてつもなく大昔で、想像すら難しいのですが、今から大凡3億5920万年前から2億9900万年前までの時期ということになります。

  史書によりますと、この期間は長い氷河期が続いた時代でもあるのです。それはデボン紀末の大量絶滅からペルム紀直前の数百万年にも及んだといわれています。 石炭紀の由来は、この時代の地層から多く石炭を産するからなのです。そしてそのことは、地球上に大きな森林が形成されていたことを教えてくれるのです。

  昔、教科書でも学んだことがありますが、石炭の主な起源は,陸上植物の遺骸(遺体)が腐植(腐りきらず)し、積み重なってできた泥炭だと考えられています。遺跡や堆積物中から見つかる過去の植物の種実や葉,枝などの肉眼で観察できる組織の遺物をいうのですが、これを考古学では「遺存体」と呼んでいます。動物の場合も「遺存体」という用語を使いますが、この場合は動物が死んだ時の遺物のことをいいます 。森を形成していたリンボクなどの巨木の「遺存体」のことを総称したものを「大型植物遺体」とも呼びます。

  石炭紀に森を形成していたリンボクやロボクは高さが40mにも達したといわれている化石植物です。リンボク(和名:鱗木)、学名はレピドデンドロン(Lepidodendron)といいます。石炭紀に栄えた化石植物で、化石としてのみ知られる一群の木本様植物(属)です。ミズニラ類に類縁であるという説があります。またロボク(和名を蘆木、学名をCalamitesという)は、リンボクと同じように石炭紀に栄えたといわれています。

  石炭とともに検出される化石植物で木本様植物(属)です。現生のトクサ類に近縁で、古生代には、高さは約0.8メートルの低木であったといわれています。現生のトクサ類には背の高いもがありますが「木」ではなく、シダ植物門トクサ科トクサ属の草本植物です。リンボクなどとともに沼などの沼沢地に群生していたと考えられています。いまでも沼沢地でよく見かける蘆(アシ)のような常緑で草本の形状をしていたため「蘆木(ロボク)」と呼ばれたものと考えられます。

  古生代でも泥炭(でいたん)層は形成されていました。泥炭はピート(peat)と呼んでいますが、通常泥状の炭のことで、石炭の一種なのです。石炭の中には植物からの炭化度が低いのです。見た目は湿地帯の表層などにある何の変哲もない普通の泥ですが、可燃物なのです。一般に地表で形成されたのち,地殻変動と堆積作用によって地下深くに埋没すると,地熱と圧力により,長い年月をかけて泥炭から褐炭になり、そして瀝青炭(「歴青炭」とも書きます)へと炭化し無煙炭となります。

  また歴青炭(ビトゥマナスコール:bituminous coal)は、「瀝青」を含む比較的柔らかい(崩れやすい)石炭のことです。われわれの知る最も代表的な石炭のことで、石炭といえば瀝(歴)青炭を意味するのだそうです。瀝青(材料)とは、原油を精製する際に生じる物質で、アスファルトは瀝青(材料)の一つを指します。

  少し余計なことも付記しましたが、神奈川県立生命の星・地球博物館で学べることが凄く多いのには大変な驚きです。以上のことも、この博物館では、「陸上植物の系統」として教えてくれています。


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