素人、考古学・古生物学を学ぶ

人類の起源・進化・移動や太古の昔、日本に棲んでいたゾウ類にも関心があり、素人の目線で考えてみます。

人種とは・日本人の昔を探る(2):中本博皓

2020年06月02日 13時19分53秒 | 人類の移動と移住

人種とは・日本人の昔を探る(2)

 

  このテーマをはじめるにあたって ー免疫力と人種の関係、新型コロナウイルス、素人の戯言ー(その2)

 最近、テキサス大学の医学部のトマース・ガイスバート教授が編集を担当しているVirology Journal(2020・3・31)のEmerging virus(新興ないし新出現ウイルス)に関するセクションに目を通す機会がありました。

 このセクションには、人間や動物に重篤な、または致命的な病気(感染症)を引き起こす、新種および新興ないしは新出現のウイルスのすべての側面をカバーする研究が含まれています。

 トマース・ガイスバード教授らのグループは、最近もネイチャー誌にエマージング・ウイルスに関する処方に関する提言をしています。

 なお、前掲のVirology Journalに例示されていますウイルスの例には、以下のようなウイルスが挙げられています。すなわち、フィロウイルス(エボラ、マールブルグ)、ヘニパウイルス(ニパ、ヘンドラ)、ラッサウイルス、ルホウイルス、南米出血熱ウイルス(フニン、マチュポ、グアナリト、チャパレ、サビア)、クリミアコンゴ出血熱ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、ハンタウイルス、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、ジカウイルス等です。

 また、このセクションの関心のあるトピックは、ウイルスの発見、ウイルス侵入のメカニズム、アセンブリ、タンパク質転換、病因、免疫学、生態学、疫学などでありますが、これらに限定されたものではなく、予防ワクチンおよび抗ウイルス薬の開発と治療方法に関する基礎的な研究に関する投稿はとくに歓迎する旨が記されています。

 いま、世界を震撼させている新型コロナウイルスのように、突如として出現してくるウイルスのことをエマージング・ウイルス (Emerging virus) と呼んでいます。

 エマージング・ウイルスで最難関は、その対策です。国際的にその対策や処方が検討されはじめてから相当の時間を経過しているのですが、決定的な対策は難しいようです。

  しかし、1993年9月にWHOと全米科学連合が中心になってInternational Program for Monitoring Emerging Infectious Diseases(PROMED)についての会議を開き、新たに出現または再び出現する感染症の病因をいち早く検出しようと努力が続けられています。

 新興疾患の監視プログラム(PORMED)は、国際感染症学会(ISID)のプログラムです。 PROMEDは、人間だけでなく動物、植物に至る、広く影響を与える新興および再興の感染症や毒素に関連するインターネットサービスとして立ち上げられたシステムです。

 PROMEDは、感染症の集団発生に関する世界的な報告を行う公的に利用可能な最大のシステムであるとも言われています。

 エマージング・ウイルスを制圧出来る対策を実用化するためには人だけではなく、動物、植物に至る感染症の地球規模での監視体制(PROMED)が必要だとされているのです。

 新型コロナウイルスの場合もそうだと思いますが、「新型」というか「新興」というべきか、要するにエマージング・ウイルスにおいては多くの場合、自然と人間の両輪による活動の結果として出現するものだということです。

 いま、濃厚接触の問題がよく言われていますが、エコロジーの立場からしますと、人、動物そして植物、すなわち人・畜・植、様々な接触を通じてわれわれ生き物のシステムが成り立っています。

 たとえば、畜産も酪農もまた農耕も、また森林伐採も森林再生も、そして田畑の灌漑などすべてが、人が野生動植物相と出会い、接触し、また接触する方法にも様々な影響を与えますから、結果としてエマージング・ウイルスの出現を促進することにもなるわけです。したがって、人類はいま非常に難しい局面にあるのだと思います。