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南太平洋島嶼国「トゥヴァル」について(22):中本博皓

2016年11月30日 09時12分41秒 | 島嶼諸国
南太平洋島嶼国「トゥヴァル」について(22)




 トゥヴァルに対する日本政府のODAにおいて、プリンセス・マーガレット病院に関する援助は、建設費だけではなく、「建設・医療機材供与計画」に関わる総合的な援助として行われており、医療に関わる継続的な協力が行われているのである。そのほとんどが「無償資金協力」として実施されている。

 最近では、平成13年、日本政府は、トゥヴァルの政府に対して行った「プリンセス・マーガレット病院建設・医療機材供与計画の実施に当たり行った無償資金協力がある。その額は、総額7億500万円を限度とするもので、書簡の交換が平成13年9月6日(木)、フィジー諸島共和国のスバにおいて、日本側、村山比佐斗在ツバル大使(フィジーにて兼轄)とトゥヴァル側アマソネ・キレイ教育・スポーツ文化相兼保健相(Hon. Amasone kilei Minister for Education, Sports and Culture; Minister for Health )との間で行われた。

 周知のように、トゥヴァルは、島嶼国の中でも小さな9つの島嶼から成り立つ国家で、資源に恵まれないことから国内産業は未発達であり、主な国家収入源は、海外出稼ぎ者の本国送金、コプラの輸出、外国漁船の入漁料等に限られていることは本稿においてもすでに述べたところである。

 トゥヴァル政府のの保健医療サービスは、首都フナフティ島にあるプリンセス・マーガレット病院と母子保健センターをキー・スティーションとして、各離島に設置されている8つの診療所により提供されている。言うまでもなく、プリンセス・マーガレット病院は、トゥヴァルにおける唯一の総合病院であり、保健医療サービスの中心に位置づけられている。

 既述の通り、プリンセス・マーガレット病院は、1978年イギリスの支援により建設された病院であり、開院後20年以上経過した現在、老朽化に加えて、暴風雨や塩害等により施設の損傷が著しい。また、医療機材に関しても、同様に老朽化が進んでおり、適切な保健医療サービスの提供に支障をきたしている。

 同国政府は、円滑な日常保健医療の実施とそのサービス改善を目的に「プリンセス・マーガレット病院建設・医療機材供与計画」を策定してトゥヴァルの人々の健康維持につとめている。そこで、日本政府は、同国のこの計画の速やかな実施がなされるために、病院の建て替えと医療機材の供与を行っている。とくにトゥヴァル政府は、日本政府に対し無償資金協力を要請し、日本がそれを行うことで、その目的に資することが可能なのである。資金協力として、金額は大きくはないが同国の約10,000人の生命、日常の健康医療サービスをになっているのである。

 以上の「プリンセス・マーガレット病院建設・医療機材供与計画」の遂行に当たっては、「医療機材供与計画のフォローアップ 」が必要になる。そこで、その調査・施工管理を行う日本企業の選定も行い、効果のあるODAとして実らせる努力もおこなわれているのである。