(本稿はマニアックな内容を含みます。)
BS-TBSで水曜夜11時から放映されている音楽番組「Song of Soul」
海外アーティストの代表曲をピックアップし、その曲が生まれるまでの過程をメンバーのインタビューなどで構成した番組で、1時間番組ということもあって大変充実しており、私が定期的にチェックしている数少ないテレビ番組。
今日はいよいよマイ・フェイバリット・バンド イエス登場!ということでリビングのプラズマテレビの前でテンション高くスタンバイ。
取り上げられた曲は71年に発表された4枚目のアルバム「こわれもの」のオープニングに収録、ショート・ヴァージョンがシングル・カットされてヒットしたラウンド・アバウト。
イエスの最大のヒットナンバーはなんと言ってもトレバー・ラビンが加入して作られた90125収録の「ロンリー・ハート」な訳だが、それを取り上げず、「ラウンド・アバウト」をピック・アップしたところは流石と言う感じ。(別にロンリー・ハートでも良かったと思うけど…。)
で、番組の方だが、インタビューのメインはスティーヴ・ハウ(いきなり弩アップでの登場にはびっくり。)、ビル・ブルフォード、それにリック・ウエイクマンの3人で、オリジナル・メンバーかつリーダーであるジョン・アンダーソンと陰の実力者クリス・スクワイアが登場しなかったのは残念。ただ、「こわれもの」からイエスのアルバム・ジャケットを担当することになったロジャー・ディーンと彼のアトリエが見ることができたのは大きな収穫だった。
インタビューの内容については、イエス本に書かれていることがほとんどだったので、ファンとしては特に目新しいところはなかったが、改めて曲の制作過程をメンバーの口から聞くと、メンバー全員で曲を練り上げていくイエスというバンドの特殊性が良く分かって面白かった。(あれじゃ、メンバー交代が頻繁に起こるよな…という感じ。)
…と、ここまで書いといて、こんなことを言うのは何なのだが、正直、個人的にはラウンド・アバウトという曲については耳タコ状態と言うこともあって、イエスの中でそんなに好きな曲ではないのだ。
イエスの場合、20分以上の大曲、10分前後の中曲、5分程度の短い曲…とだいたい3つのカテゴリーに分けられる訳だが(普通のロックバンドなら10分でも大作なのだろうけど、イエスの場合、とにかく長い曲が多いので、10分程度の曲は中位とカテゴライズされる)、ラウンドアバウトが含まれる中曲クラスだと、ドラマに収録された「マシーン・メサイア」やリレイヤーに収録されたアヴァンギャルドな「サウンド・チェイサー」、同じくリレイヤーに収録された情緒豊かな「トゥ・ビー・オーバー」あたりが好みで、ファンとしては「ラウンド・アバウトよりももっと凄い曲があるんだって…。」と言いたくなってしまうのだ。
さらに言わせてもらうと、世評、ラウンド・アバウトが収録された「こわれもの」は傑作アルバムと言われている訳だが、各人のお披露目的なソロ楽曲がちりばめられていることもあって、トータルとしてはどうしても散漫と言う印象が自分にはあって、次の「危機」あっての高評価という気がしてしまうのだ。(「こわれもの」ファンの方ごめんなさい。でも、ソロ楽曲を入れたことについては、今回のインタビューでもブルフォードは失敗だったと認めている。)
イエスの歴史的観点から言えば、スティーヴ・ハウが加入してイエス・サウンドが確立された前作の「サード・アルバム(原題 ザ・イエス・アルバム)」の方が全般的に楽曲の出来も良く、もっと評価されても良いんじゃないかな…と思う。
実際、サード・アルバムはユアーズ・イズ・ノー・ディスグレイス、スターシップ・トゥルーパー、アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル、パーペチュアル・チェンジという後々、ステージの定番曲ばかりだし、スティーヴのソロ ザ・クラップも収録…と、本当に素晴らしいアルバムなのだ。
まぁ、そうは言っても、ラウンド・アバウトのヒット(全米13位)で、アメリカでの人気を確立したので、やはり、この1曲と言うことになれば、ラウンド・アバウトが選ばれる事に異存はない。
最近では「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディング・テーマとして使用され人気となっているラウンドアバウト。これをきっかけにイエスのファンが増えてくれれば…と密かに願っている。
http://www.youtube.com/watch?v=3YFeFNcRX9M&feature=player_embedded
※ しかし、ロック、とりわけイエスの事になると、ついつい熱くなってしまう。なんだかんだ言っても、やっぱり、私はプログレッシヴ・ロックあがりなんだな…と改めて思った次第である。