アメリカのテレビドラマ。日本では、1964(昭和39)年5月16日から
1967(昭和42)年9月2日まで放送された。
(東京オリンピックは1964年10月10日から10月24日まで開催)
当時中学2年生であった私は、途中から見始まったと記憶している。
初回は見逃している。
主人公(リチャード・キンブル)は医師で、妻殺しの罪で死刑の宣告を受け、
護送の途中列車事故にあい、辛くも脱走した。護送を担当した刑事は、
執拗にキンブルを追う。
逃亡生活の途中で多くの人びとと関わり、毎回はらはらしながらも、
多くは関わった人に助けられ、辛くも逃げおおせる。
刑事は、長い追跡の中で、キンブルの人間性に理解を示すようになるが、
追うことはやめない。逆にキンブルに助けられることも何度かあった。
このドラマが人気を博したのは、主人公の哀愁を帯びた表情と、
自分の逮捕の危険も顧みず、関わった人を助けるという人間性に加えて、
吹き替えを担当した睦五郎の声によるところが大きかった。
俳優としての睦五郎自身は、時代劇の悪役をやることが多く、
キンブルの役柄とは落差が大きかった。
私は、人の声に惹かれることが多く、特にキンブルの声は好きだった。
知的で、優しさを感じさせる声に惹かれ、逃亡者のナレーションと、
睦五郎がキンブルの声を吹き込んだレコードなども何度も聞いた。
声優の矢島正明のナレーションも好きだった。
「リチャードキンブル、職業医師、正かるべき正義も時として盲しいることがある…」
というナレーションをまねて喜んでいた。
再放送も何度か見たし、テレビドラマをレーザーディスク(10話ほど)にしたものも
買って見ている。
今日の朝日新聞に逃亡者のDVD発売の広告が載っていた。
全120話、完全収録版。しばらく、買うか、買わないか迷いの日々が続きそうだ。