えしぇ蔵日記

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断髪式

2010年10月05日 | 当世源氏物語
「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
 
断髪式

住まいのイシダ」様にお伺いした時のことでございます。店長の后様が嬉しそうなお顔で申されました。
「今日は神宮様にわたくしとF井から贈り物がございまする」
「そ、それはいかなるもので」
わたくしは嬉しさに声が上ずりました。
「これにございます」
と女官のF井が持ってきたものは、せんちゅりー主催の宅建模試の問題と解答でございました。
「これはこれは」
お二人はわたくしにまだ勉強せよと申されるのでありませうか。なんとも複雑な心境でございました。
そんなわたくしの気持ちをよそに、F井は「髪がうるそうございまする」と言いながら、前髪を上に上げてクリップで挟んでおりました。わたくしにはそれがどうしても大銀杏に見えて仕方がございませんでした。
「まるで朝青龍の断髪式のようにございます」
わたくしがそう言いますと、F井は憤慨した様子にて
「き、后様、し、神宮様がわたくしのことを朝青龍と申されました」
と告げ口を致しました。わたくしはあわてて、
「朝青龍と申したのではございませぬ。朝青龍の断髪式と申しただけで」
と弁解しましたが、「同じことにございまする」と火に油を注いでしまいました。店長の后様は一人で笑っておられました。

前髪を 結ったつもりが 大銀杏
似合いすぎては 笑うに笑えず

F井が退官する際には友人を三百人ほど呼んで断髪式を行うそうでございます。


「何故」

宅建も 思えば残り 十二日
今ふと思う はてなにゆえに
 
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