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えしぇ蔵日記

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褒美

2011年07月12日 | 当世源氏物語

「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
 
褒美

住まいのイシダ」様にお伺いした時のことでございます。女官のF井が退官した後に新しき女官のF野と菊奴(きくやっこ)が入って参りまして、これからは平和な日々になると思っていたのですが、今日わたくしが仕事を始めようとしました時に、驚くことに辞めたはずの女官のF井が汗だくで出勤して参りました。
「お辞めになったのではありませぬか?」
「しばらくはあるばいととして参りまする」
「それでは女官よりもさらに下になるということですね」
「女官よりも下とはどのやうな身分でせう?」
「女官より下は・・・(ぬひ)でせうか?」
「ムヒですか?」
「誰がムヒなど申しませう。どこもかゆくはございませぬ。わたくしが言うのはでございます」
「とはどのやうな身分でせうか?」
「とは・・・奴隷みたいなものでございます」
他の女官は笑っておりましたが、F井はふくれておりました。
そこへ社長の帝が戻られて、私は表彰状と書かれたカードを作るやうに指示されましてございます。それを聞いたF井が帝に質問しておりました。
「そのやうな表彰状のカードを何にお使いになるのでせうか?」
帝はお答えになりました。
「働きの良きもの、業績を上げたるものに下賜致すつもりじゃ。それを集めることにより褒美をとらせるのじゃ」
「例えばどのやうな?」
「例えば・・・5枚集めたらハワイとか・・・」
「それはどこのハワイでせうか?」
そこで新しき女官の菊奴が
「それはきっと雑餉隈のハワイでせう」
と申しましたのでわたくしは図らずも爆笑してしまいました。

働きの 良きにあたうる ハワイ行き
雑餉隈の 海に浮かべる


そのやうなハワイならばわたくしは遠慮しとうございますが、きっと「アルファホーム」の主任様や「センチュリー21 小笠原」のS田様などは大喜びされることでせう。


「雑餉隈」
 
男なら 褒美 雑餉隈もよし
 

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