天気は見事なほど晴れ渡った。体調もバッチリの状態で、いざ「伏見稲荷」へ。
全国に30,000はあると言われる稲荷神社の総本山は、稲荷山を麓から山頂まで覆うほどの圧倒的な規模でその威容を誇っていた。
早速麓からスタート。赤い鳥居がトンネルのように連なる中をせっせと登った。 外国人に人気の観光地の第一位というだけあって、様々な言語が聞こえてきた。セルカ棒で自撮りする人をたくさん見た。この光景はどこの国の観光地も同じだな。
なかなか傾斜がきつい場所もあるしコースも長いので上に行くほど人は減っていった。おかけで上の方ではゆっくり写真が撮れた。
思ったよりも楽に山頂に達した。低いとはいえ(233m)一つの山なので山頂までの登りは結構きついだろうと覚悟して行ったがそれほどでもなかった。
大小様々な鳥居は誰でも寄進すれば自分の名前が入ったものをあの列の中に加えることができる。値段によってサイズが決まるが、手で持てるほどのミニチュアでも175,000円。一番大きなものは130万円以上もする。だが基本的に木製なのでいづれは朽ちていく。だから赤い列の中で鳥居が欠けている場所もあった。
途中の四つ辻にある眺めのいい茶屋で少し早めの昼食。メニューはもちろん、きつねうどんといなり寿司。しかしこんな山の上で店が繁盛するなんて、稲荷山ならではだな。
”山の上の観光地の茶屋で出されるうどん”という先入観から、平均的な味を予想していたらさにあらず、うどんも稲荷ずしもおいしくてビックリ。世界中から客がわんさか来ることがわかっていても手を抜かず一流の仕事をするその姿勢には脱帽。
稲を荷なうという意味からきた稲荷神社なので五穀豊穣の神様らしい。稲荷信仰の信者さんは非常に信仰心厚く熱心だと聞いたが、登る途中にいくつもある神社の前で真摯に祈る人を何人も見た。稲荷信仰というものの一端を見るようで非常に興味深いものがあった。
伏見稲荷を後にして次に向かったのが伏見桃山の酒蔵めぐり。だがその前に同じエリアにある「寺田屋」へ。
ここはあの幕末に薩摩藩の過激派とそれをなだめに行った鎮撫使の同士討ちとなった寺田屋事件の舞台。そして坂本龍馬を捕らえにきた伏見奉行所の捕手から龍馬を守るために、お龍さんが風呂場から裸同然の姿で二階に駆け上がり、龍馬に急を告げたという逸話を残す場所でもある。
幕末の様々な事件の現場は、大きな神社や寺は別として、民家や宿屋だったところは碑が残っているだけという場合が多い。だからこの寺田屋のように当時のまま残っているというのは極めて貴重だ。あぁここで斬り合いになったのか、これが刀痕か、これがお龍さんが駆け上がった階段か、と的確に過去を見せられるようで本当に感動した。
寺田屋の後はお待ちかねの酒蔵めぐり。覗いたのは黄桜と月桂冠。黄桜で一杯、月桂冠では大吟醸二杯とプラムワインを一杯飲んですっかりいい気分になった。 この酒蔵めぐりでは日本酒を作る工程や昔の道具などを見学できたので、非常に楽しく有意義だった(月桂冠の商売のうまさも勉強になった) 。
夕食は以前にも行って感動した出町ランプへ。また絶品のつまみでグラスワインをいろいろ飲んだ。
このシリーズも既に8回目なので、今後は今まで行って美味しかった店の再訪というのもいいかもしれない。
その後、京都駅まで戻ってコーヒーを飲んでからホテルに帰った。 たくさん歩いて、いろんな経験をした一日だった。
「伏見稲荷」
朱の鳥居 祈りの声や 道の先
蔵
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