「中国鍼灸院」さんにて。今日の詩はこれ。
「水調歌頭」
宋 蘇軾
明月幾時有?(明月幾時より有る)
把酒問天。 (酒を把りて青天に問う)
不知天上宮闕,(天上の宮闕は知らず)
今夕是何年。(今夕是何年かを)
我欲乘風歸去,(我風に乗りて帰去せんと欲す)
又恐瓊樓玉宇,(又恐れる瓊樓玉宇の)
高處不勝寒。(高所寒に勝てぬことを)
起舞弄影,(起舞すれば影したがい)
何似在人間!(何ぞ人間に在るに似ん)
轉朱閣,(朱閣に轉じ)
低綺戸,(綺戸低くして)
照無眠。(照らされ眠ることなし)
不應有恨,(まさに恨み有るべからずも)
何事長向別時圓?(何事ぞ長に別れる時に向かいて圓なるや)
人有悲歡離合,(人に悲嘆離合あり)
月有陰晴圓缺,(月に陰晴圓缺あり)
此事古難全。(此の事古より全きこと難し)
但願人長久,(ただ願う人長久にして)
千里共嬋娟(千里に嬋娟を共にせんと)
(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)。
お月さんいつからそこにおるとや?
酒持ったまま天に訊いてみたばい
天の宮殿では
今夜は何年になるっちゃろうか
風に乗って天に行ってみたかばい
ばってん月の宮殿は
高いとこにあるけん寒うしておれんやろう
やっぱ地上で踊ったりしてくさ
人の世界がよかばい
赤い楼閣の上を転がって
低いとこから月が綺戸を照らすけんが
眠れやせんばい
別に恨んでなかばってん
なんで別れる時に満月になるとや?
人には悲しいことや別れとかがあってくさ
月にも暗いとか明るいとか丸いとか欠けるとかあってくさ
そういうとは昔からどうしようもなかと
そんならこれからずっと遠く離れとっても
同じ月ば見てせいぜい楽しもうや
この詩にメロディーをつけたものをテレサ・テンが歌うのを聞かせてもらった。中国語の発音というのはなんと美しいのだろう。やはり漢詩は中国語で読まないと本当の美しさは味わえんわな。
「陰晴圓缺」
月でこそ 陰晴圓缺 避けがたし
なお易からず 人の世の路
蔵
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