アニマル・キングダム。野生の王国。
って、別に子供向け動物番組じゃなくて、動物みたいに野蛮な家族に囲まれた青年の話。
母ちゃんが死んでお婆ちゃんに引き取られたのはいいけど、このお婆ちゃん一家がワルの巣窟みたいな一家。
仕切るお婆ちゃんの迫力ったらない。
ワルで、何がワルいのよ。あたしゃ、こうして生きてきたのよ。
ビッグ・バッド・ママ。
そうして、純朴な青年もワルの道へ堕ちて行く。
じゃあ、周りに流されていくばかりで一矢報いることもないのかというと、そんなこともない。
たまりにたまったうっぷんがとうとう弾ける。
って、それじゃあヤクザ映画じゃない。
ヤクザな奴らの映画には違いない。
でも、青年は案外冷静よ。しまいまでピンと張り詰めた映画の緊張感は見もの。
デヴィッド・ミショッド監督、初めて観るけど一流の演出力があることは確かだな。
ラストのスパッとした終わり方は、あなた好みなんじゃない。
余計な余韻をダラダラと残さず、サッと幕を引くってところだろ。映画はすべからくそうありたいね。