【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「カールじいさんの空飛ぶ家」:西日暮里五丁目バス停付近の会話

2009-12-05 | ★草63系統(池袋駅~浅草雷門)

ビルメンテナンス・・・カールじいさんの家もメンテナンスしてくれないかな。
冒険の旅でボロボロになっちゃったもんね。
いまはなき愛妻の夢をかなえようと、自宅に風船をいっぱいつけて南米の滝をめざすじいさんのア二メーション映画が、「カールじいさんの空飛ぶ家」。
カラフルな風船で空の旅をするといえば、誰だって「赤い風船」を思い出すけど、あれはポエム、こっちはアドベンチャー。
フランス映画とアメリカ映画の違いかな。
浪漫の国と、開拓者の国の違いかしらね。
「カールじいさんの空飛ぶ家」には、「赤い風船」のように目的もなく空の上からゆったり美しい景色を眺めるという余裕がないもんね。
同じカールさんでも、日本の“カールおじさん”のようなぐうたらさ、のんびりさはない。やっぱり、チャレンジの国、アメリカ人の“カールじいさん”だった。
優雅に空からの風景を楽しむとか、宮崎駿の映画みたいに飛翔感を楽しむといった楽しみ方を求めると、ちょっとイメージと違う映画だったってことになるかもしれないな。
南米にはあっという間に到着してしまう。それからはジェットコースターのような冒険が始まる。
絵に描いたような悪者が出てきて、彼との戦いになる。あ、そういう映画だったんだと思えば、これはこれで文句のつけようがない。
ピクサーの製作だから、お話にぬかりはなく、ユーモアも交えて、ハラハラドキドキ、もちろんしんみりするシーンもちゃんとあって、映画にまったく破綻がない。
人間から動物まで、キャラクター付けは相変わらず舌を巻くし、お説教にならない程度の教訓もちゃんと感じさせる。
そして、なんといっても、小道具の使い方。じいさんの杖から、缶バッヂ、チョコレートに至るまで出てくる小道具は全部物語に奉仕させるぞ、という意気込みにあふれている。
それらすべてがクライマックスで生きてくる。計算された脚本だ。
亡き愛妻の夢はあきらめたかと見せておいて、あのラストシーン・・・。もう、語りの名人芸を堪能するしかないわね。
3D映画っていうのを初めて観たけど、それはどうだった?
偏光メガネをかけるから、どうしても視界がやや暗くなる。立体感と引き換えにアニメの鮮やかさが犠牲になるところをどう感じるかってところじゃないかしら。
ああ、ディズニー映画っていつも映像が鮮やかで、3Dでもその鮮やかさは健在なんだけど、メガネを取って観るとさらに鮮やか。2Dでもじゅうぶん楽しめたかもしれないな。
でも、モノクロ映画とカラー映画で入場料は変わらないのに、2Dと3Dで変わるのはどうしてかしら。
偏光メガネ代かな。
そういえば、偏光メガネをかけたあなたって、カールじいさんみたいね。
俺はあんなに四角くない!





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