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【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「ヨコハマメリー」:並木橋バス停付近の会話

2006-09-02 | ★田87系統(渋谷駅~田町駅)

あ、東横線が見える。
ああ、あの電車に乗っていけば、横浜に行けるんだな。
なに、感慨にふけってるのよ。「ヨコハマメリー」を観た影響?
ヨコハマにいたメリーさんていう老女のドキュメンタリーか。それもあるが、なにしろ、ヨコハマっていやあ、おれの故郷だ。ハマのジョーっていえば、友だちの間じゃ有名だったもんだ。
誰だって、友だちの間じゃ有名よ。それとも、ヨコハマで本物のメリーさんに会ったことあるとか?
いや、知らないが、あの映画の匂いはあきらかに桜木町、馬車道、伊勢佐木町あたりの匂いだったな。監督はリアルタイムでヨコハマを経験していないようなのに、あそこまであの頃の伊勢佐木町の匂いを出せるっていうのは、どういうことだろう。
女じゃなくたって、女心の出せる男性映画監督はいくらでもいるわ。それと同じで、経験してないことでも描けるのが一流ってことよ。
ああ。映画にとって一番大事なことは、イメージすることだもんな。いかにイメージできるかで、映画の出来は決まるってことだ。
決まる、っていえば、ラストシーン。あれは決まってたね。
ああ、舞台から客席にカメラが振られるとさりげなく画面に本人が入ってくる。そのタイミングがなんとも素晴らしい。しかもあんな姿で。あれにはぞくっとするよな。そして、それに続くラストシーン。ヨコハマメリーが永遠の伝説になる瞬間を俺たちは目撃するわけだ。
ほんと、凡百の劇映画じゃ及ばない感動よね。
どうだ、いまから東横線でヨコハマに行くか。
でもね、いまの東横線は横浜駅からみなとみらいに行っちゃうの。桜木町とか通らないし、あの頃の雰囲気は全然ないわよ。
時代は変わったってことか・・・。
過ぎ行く時代は、映画の中に収めるしかないのよ。時よとまれ、君は美しい、ってね。


ふたりが乗ったのは、都バス<田87系統>
渋谷駅前⇒並木橋⇒渋谷車庫前⇒東二丁目⇒東三丁目⇒恵比寿駅前⇒恵比寿一丁目⇒恵比寿四丁目⇒恵比寿二丁目⇒恵比寿三丁目⇒北里研究所前⇒三光坂下⇒白金高輪駅前⇒魚籃坂下⇒三田五丁目⇒慶応義塾大前⇒田町駅前

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「ハードキャンディ」:渋谷駅前バス停付近の会話

2006-09-01 | ★田87系統(渋谷駅~田町駅)

いやあ、渋谷で観るのにぴったりの映画だったね。
「ハードキャンディ」のこと?
ああ。14歳の少女と出会い系サイトで出会って身を持ち崩した男の話なんて、この町にはいくらでも転がっていそうでドキドキするよな。
まあ、あんなバカな男はいっぱいいそうだけどね。あんな賢いギャルはいないと思うよ。
狼に狙われた赤頭巾ちゃんの童話が下敷きっていうけど、たしかに赤頭巾ちゃんばかりクレバーで、この狼はいいとこなしだったな。
どちらもクレバーなら話もおもしろくなるだろうに、ああ一方的じゃあねえ。
そ、今回はお話を楽しむというより、主演の女の子の表情を観る映画だったね。
て、もしかして、あなたもそっちのほうのケがあるの?
いやいや、演技の話をしてるんだよ。エレン・ペイジ。彼女の演技は拾い物だよ。かわいいかと思ったら、すぐ憎たらしくなって、またすぐかわいくなって。変幻自在だね。
ちゃんとアップに耐えてたもんね。ほんとは何歳なんだろうね。
とにかく、男は飲み物に気をつけなきゃって思ったよ。
そうよ、あれさえ飲まなきゃ、あんなことにはならなかったのに。ひとことでいうと、「飲み物には気をつけよう」っていうだけの映画よね。
ずいぶん点が辛いね。もしかして、あの女の子の若さに嫉妬してる?
それは、あなたでしょ。赤頭巾には気をつけて。
ここにも赤頭巾みたいな色のレストランがあるけど。
「ハイカラ食堂」・・・。ほんとに赤頭巾みたいな外観ね。寄っていく?
おまえとなら、もう赤頭巾の年じゃないから安心だしな。
でも、狼になるかもよ。
こわっ。


ふたりが乗ったのは、都バス<田87系統>
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