アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

674 アチャコの京都日誌    生きてるだけで丸儲け  ⑤ ミスハワイ・暁伸

2019-12-07 14:36:40 | 日記

生きてるだけで丸儲け!

ミスハワイ・暁伸

「ミスハワイ」の画像検索結果

アーイーヤー、アーイーヤー。アー、アー。これだけで一世を風靡したコンビだ。暁伸の本格的浪曲歌謡を歌う傍らを、豊満な肉体をアッパッパーに身を包み、へちまのような楽器(ギロ)を駆使してギーチャッチャ・ギーチャッチャと舞台をうろつくのだ。説明不可能の芸である。(ユーチューブでご覧いただきたい。)戦時中、満州で慰問団の中にそれぞれの存在に引かれて夫婦となり、コンビで売り出すがなかなか売れなかった。遂に、暁伸が声を潰してしまった。自慢の高音が出ない。そんな時、それをごまかすようにミスハワイが、かん高い声で、アーイーヤーと、合いの手を入れたらこれが大爆笑を取った。ケガの功名である。アーイーヤーは、ハワイの先住民族の言葉で、確か「頑張れ」とか「それ行け。」とかだったと思う。昔、ハワイ巡業の時に覚えていた言葉で、名前のミスハワイは当然それに因んだものだ。

 

暁伸が、「内の窓のカーテン無いと思ったらこんなとこにあったわ。」と、ハワイの衣装をいじる。最後は、うろうろするハワイに、「ねぐらに帰るダンプカー!」と、絞めて大爆笑で終わる。ミスハワイも暁伸も歌は一流なのだが、売れてからは最後までこのスタイルで通した。暁伸は、余り人付き合いは上手ではなく弟子の存在は聞いたことが無い。ミスハワイは面倒見がよく慕われたようだが、この芸風を継ぐ者はいなかった。(誰も出来なかった?)

クリックすると新しいウィンドウで開きますダンプカーが帰るところ?

なお、今のようにコンビに名前はなく、「ミスハワイ・暁伸」である。

「ミスハワイ」の画像検索結果こちらは、本当のミスハワイ


673 アチャコの京都日誌  生きてるだけで丸儲け  ④ タイヘイトリオ

2019-12-06 10:33:55 | 日記

行きてるだけで丸儲け!

タイヘイトリオ

「タイヘイトリオ」の画像検索結果

タイヘイ洋児・タイヘイ夢路・タイヘイ糸路の三人コンビ。かしまし娘と違って、こちらはセンターの男性がギターで、両脇の女性が三味線で固めた。何と言っても夢路のキャラと、顔の割に歌が上手いのが売り物だった。

「タイヘイトリオ」の画像検索結果辻本茂雄とは親戚関係はない。(笑い)

「又も出ましたロマンショー。いつもニコニコ朗らかに、夢路さーーーん、あいよー!糸路君ーーー、あーいよ!洋児さん、(テンポよく)時間くるまでお楽しみ!タイヘイ・ト・リ・オのお笑いでぇーーー。」のテーマソングのあとに、夢路の浪曲調子の歌謡曲から始まり、「歌はうまいけど顔はまずいと、思ってるんやろ?」と、客に毒づくのと、あごがしゃくれているのを、洋児に言われると、「おまえいっぺんでもワシのあごで、けつまずいたことあるんかい!」とあごを突き出すのが、定番の爆笑ネタだ。

途中、まじめに寸劇を披露したり浪速節を聞かせたり結構本格的な芸を見せてくれた。夢路のおばあちゃん顔が際立っていたが、糸路の妹(当然年下)で、洋児の妻であった。結局、洋児がキャバレー経営に失敗し突然疾走し、離婚とトリオの危機となる。代役を立ててしばらくやっていたが、次第に消えて行った。

夢路は、芸達者と特異な存在感があったのでしばらく関西系の番組によく出ていた。

「タイヘイトリオ」の画像検索結果「ザぼんち」の画像検索結果太平さぶろうは孫弟子、ザぼんちは愛弟子である。

千日劇場の看板芸人だった。旅芸人の匂いがぷんぷんしたシュールなコンビだった。

「タイヘイトリオ」の画像検索結果吉本でも左上の大看板だった。弟子(ざ・ぼんち)と同じ舞台に立っていたことが分かる貴重なチラシだ。

もう一度見てみたい。




672 アチャコの京都日誌  生きてるだけで丸儲け  ③ かしまし娘

2019-12-05 07:31:07 | 日記

かしまし娘は、間違いなく一時代の先駆者だ。

「かしまし娘」の画像検索結果

若い美人の女性3人のバライティーショーが、演芸場に出るなどとは予想しなかった。その後、フラワーショー・ジョウサンズ・ちゃっきり娘などの、トリオが乱立したが、かしまし娘を越える芸人は出なかった。

三味線の長女正司歌江を中央にして、右手に二女照枝、左手に三女花江のギターを引き連れたもので、「うちら陽気なかしまし娘、誰が行ったか知らないが、女三人寄おったら、姦しいとは愉快だね。ベリーグーグー、ベリーグーグー。お笑い、おしゃべり、ミュージック。明るく歌あてナイトアンドデー、ピーチクパーチク姦しいーーーー。」テーマソングのあと、歌江が当時の流行歌を歌って照枝が、なにがしか突っ込んで笑いが始まった。美人だが決して長女らしくない歌江に、二女の照枝が鋭く突っ込み、三女の花江が賢く優等生ぶってとぼける。

特に、しゃべりも歌も楽器も上手でもないが、なぜか存在感のあったトリオだった。解散後は関西芸能界の重鎮として活躍した。特に、二女照枝は、藤山寛美(藤山直美の実父)の松竹新喜劇に所属し貴重な脇役を勤めていた。当時、渋谷天外の新喜劇を継いだものの、寛美は莫大な借金を抱えて、返済の為もあって劇場に泊まり込んで連続上演記録を更新していた時代だ。寛美は舞台上でベテランの役者にはアドリブで器量を試していた。照枝には、「お姉さんの歌江は元気にしとるんか?」と、セリフの中で突然言って、戸惑う照枝を見て会場も大爆笑となった。酒井光子・曾我廼家鶴蝶・四条恵美・月城小夜子など、大看板の女優陣の中で貴重な存在だった。因みに、その照枝の息子は、磯野貴理子のマネージャーだった。

「照枝 寛美」の画像検索結果

「かしまし娘」の画像検索結果

数年前、現在のかしまし娘を特集していたが、それぞれ普通の老女になっていた。

弟子は、レッツゴー正司、正司敏江・玲児など。


671  アチャコの京都日誌   生きてるだけで丸儲け! ② 宮川左近ショー

2019-12-04 08:22:52 | 日記

筆者は、昔からお笑い好きの友人と何か始めるときには、「しっかりやりましょ、時間まで」と、歌う。

「宮川左近」の画像検索結果「宮川左近」の画像検索結果

ご存知、宮川左近ショーのテーマソングの一節である。フラワーショーや、太平トリオ、ミスハワイ暁伸。(追々紹介する。)東京では、「お客様は神様です。」の、三波春夫が全盛の時代だ。本格的浪曲師をセンターにして、両脇を芸達者なおちゃらけの三味線やギターで固める。その脇役もちゃんとした芸に裏付けられたものであった。

特に宮川左近ショーは、3人とも通をうならせる一流の節回しを持っていた。中でも、三味線の照夫は、絶妙な爪弾きを聴かせた後、「もう!何でこんなに上手いんやろう。」と品を作って笑わせた。また、ギターの一夫は、左近の浪曲に汚い声と醜い顔で合いの手を入れ、遂にはセンターに立って、殴られ倒される定番のギャグで笑を取った。

しかし。最後は宮川左近の本格的浪曲と3人の真面目な合いの手でちゃんと聞かせて終わる。若い筆者は、最初退屈だったが、知らず知らず3人の笑いよりも、本当の芸に魅せられていた。「まいどー皆様、お馴染みの、お聞きくださる一節は、流れも清き、宮川の水にただよう左近ショー! 」「 しっかりやりましょ、時間まで!」と。音楽ショーという芸には、必ず定番のテーマソングがあった。

当時、同志社大学の学園祭に来ていて大人気だった。因みに、宮川大介・花子の大介は、宮川左近の弟子である。

なお、桂吉朝をセンターに、塩鯛(当時、都丸)を右手、む雀を左手にして、パロディの左近ショーを演じている。確か読売テレビの紅梅亭だったと思うが、筆者はユーチューブでたまに聞く。必ず笑える。

クリックすると新しいウィンドウで開きますこれがそうだ。

生きてるだけで丸儲け。笑って生きれば大儲けだ。


670 アチャコの京都日誌  松之助 「生きてるだけで丸儲け」

2019-12-03 08:57:57 | 日記

「生きてるだけで、丸儲け!」笑福亭松之助。

「松之助師匠」の画像検索結果

笑福亭松之助は、「明石家さんま」の師匠として有名だが、本当はさんま以上に人気者だった。

「松之助師匠スチ...」の画像検索結果左から、藤田まこと、都蝶蝶・松之助・えんたつ


 笑福亭松鶴の弟弟子の松之助は、若くから異色の落語家で、「ダイラケにスチャラカ社員」など、テレビの創成期から出演していた。ダイラケとは、中田ダイマル・ラケットという漫才コンビだ。やすきよの西川きよし・横山やすしなど、小僧の時代。笑いの王者であったコンビだ。勿論、エンタツ・アチャコ(横山エンタツ・花菱アチャコ)が先駆者なのだが、テレビ時代の幕開けには、ダイラケ・都蝶蝶に藤田まことが「てなもんや三度笠」で台頭して来た頃だ。その間、欠かせない役者としての松之助は特殊な存在感があった。後半生は、「テレビアラカルト」という大爆笑ネタで不動の地位を築き、最晩年は本格「上方落語」の重鎮であったその松之助に、特異な魅力を見出した杉本青年(明石家さんま)は、それも特別な才能である。さんまが、落語を捨てて「話芸タレント」とトップを続けているのは、明らかに松之助のDNAである。

「松之助師匠」の画像検索結果

冒頭の「生きてるだけで丸儲け」は、弟子のさんまにおくった言葉だ。

病気や大怪我すれば、出かけることさえ出来ない。ましてや死ねば何もない。実際、ケガて長期休養を余儀なくされた時には、出歩く事が目標だった。働くことになれば、地位や収入への執着心が出るし、人間関係にも悩む。ましてや敵を作りやすい人はドロドロ悩む。それもこれも健康で出歩く事が、出来てこそだ。「生きてることで丸儲け!」健康なら「大儲け。」働けるのは、「ぼろ儲け。」だ。

「松之助師匠スチ...」の画像検索結果さんまの根っからの明るさは、「丸儲け」の原点だ。