これを知っている人はかなりのマニアだ。
桜井長一郎、川上のぼる、大久保玲など綺羅星の如く君臨した中で、翠みち代は異彩をはなっていた。「ものまね・歌まね」という芸能分野の創成期である。桜井長一郎は、そのほか歴代総理大臣のものまねは至芸である。川上のぼるは、腹話術と音楽ショーを率いていた。大久保玲はその後「素人名人会」の名物審査員であった。素人名人会については、数々の本当の名人を産んだ伝説の番組で、後日詳しく語りたい。
翠みち代は、東京生まれだったが松竹座や花月でも違和感なく勤めていた。吾妻ひなこなど数少ない華のある女芸の一人で、とにかく肉付きの良い派手な美貌に派手な和服が似合う美人だった。基本的に歌が上手いので、ものまねには納得する。美空ひばり、島倉千代子、水前寺清子など、声だけではなく形態模写もしっかりやっていた。その後のモノマネ芸は、彼女のモノマネではないかと思う。昭和の最後に,田淵いわお、海原千里(上沼恵美子)、片岡鶴太郎など続々と出て来た。
ユーチューブで7秒だけ聞ける。(泣)
父が浪曲師の廣澤竜造であり、泉ピン子は姪にあたる。そして夫は上方落語会の重鎮である桂福団治である。